僕には幼馴染の女の子がいる。
僕は好きだけど、あっちはどうなんだろう。
あの子の気持ち、確かめたい。。

ねっ。今日はさ。
ひっさびさに〜
一緒に帰ろ？

は？
無理って何よ無理って。
久々に誘ってんだからさ。
普通一緒に帰るでしょ？
あんたと一緒に帰る人なんて、あたし以外にいないんだしさ〜


ぇ。。。

待って、あんたって、彼女、いたの！？

うぅわぁマジかぁ〜
あんたなんかに彼女が出来るとは。

ねっ。どんな娘？どんな娘？
うちの高校の娘？
写真とか無いの？

ねぇねぇ〜
そんな渋んないでさ〜
教えてよ〜
あたしたちの仲じゃん！
(ﾍﾞｼﾍﾞｼｯ)

ほほぅ？
この娘？
かわいいじゃん！
よかったねぇ！
..おめでとう！

じゃっ、お邪魔なあたしは先に帰りますかぁ〜
また明日ねぇ〜
ばいばーい



...なによ。あいつ。。





(翌朝)

おっはよー
って。あれ？
あいつ、まだ来てないんだ。

ﾊｧ
もう、しょうがないなぁ。
あたしがいないと何にもできないんだから。

あたし、あいつ起こしに一回帰るわ！

な！何言ってんの！
あたしは幼なじみとして、起こしてやるだけよ！

な、なに笑ってんのよ〜もう！

そんじゃ、行ってくるから！
(ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ)


まったく、困ったもんよね。
こういう時、幼なじみのあたしばっか苦労するんだから。もう。ふふっ

(ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ)

すみませーん。

。。。

あれ？
留守？

(ｶﾞﾁｬ)
って。開いてるし。
不用心すぎない？
まったく。

お邪魔しま〜す！

あいつの部屋は。。
確か、2階の。。

あ、あった。
ここだ。

(ｺﾝｺﾝ)
ねぇあんた！
もう学校始まるよ！
早く起きなさい？

。。。

寝てる？
それとも、どこかで入れ違った？

(ｺﾝｺﾝｺﾝ)
入るよ〜！？

(ｶﾞﾁｬ)
な！？
なに！？
このにおい。。！
ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ
なんか。
変な感じ。

あ！

あんた！大丈夫！？
ねぇ！
目を開けてよ！
返事して！？
ねぇったら！！
(ﾕｻﾕｻ)

あ。起きた！？
あんた！これは一体！？
どうなってんの！？

え、なに？
よく聞こえない。
もっと大きな声で喋って？

え？
危ない、って。。
なにｶﾞｯﾊｯ――
(ﾄﾞｻｯ)

ぅ。後ろから。だれか。が。。。
だ。。れ。。。？









んんぅ。。
ま、まぶしっ

ここは。。？

(ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ)
え！？
これ！どうなってんの！？
動けない。。！

「あ、やぁっと起きたんだぁ」

ﾊｯ 誰！？

「ボクの彼氏くんに、手、出したよねぇ」

。。は？
あんた、あいつの彼女なの？
なにそのボクっての。

「ボクをバカにするな！！」
(ﾄﾞﾝｯ)
ﾋｯ！
ごめんなさい！
別にあなたをバカにしたわけじゃないの！
許してください！
だから。。
そんな刃物。しまってくれませんか。。？

「ねぇ。キミさ。ボクの彼氏くんの、なんなの？」

え。あいつ？
あいつは、あたしの幼なじみで。。
それで。。。

それだけよ。

「ふぅん。幼なじみなんだ。それだけなんだね？」

そ、それだけです。

「ボク、ウソは嫌いだよ？」

う、ウソなんかじゃないです！
だから、刃物をこっちに向けないで。。！

「ﾊｧ まぁいいや。わかったよ。」

あ。あの。
あたし、これから、どうなるん、ですか。。？
疑いは晴れたでしょう。。？
解放、してくれるんですよね？

「だめだ。」

え！？
そ、そんな！
どうしてダメなんですか！？
あたし、あなたの邪魔なんて、しませんよ？
あなたたちの恋を応援しますから！

「彼氏くんが、キミのことばっかり話すんだ。」

。。。え。
あいつがあたしのことばっかり話す、って。
それ。本当なんですか。。？
それって。どういう――

「とぼけるな！！」
(ﾄﾞﾝｯ)
ﾋｯ！
そんな。怒らないでください。刃物を向けないで。
あたしは何も。
何も知りません。。

「お前が！彼氏くんをおかしくしたんだろ！」

な！ち、違っ！
そんなんじゃ！
あいつをおかしくなんて！
あたしは何も！
何もしてません！！
だから許して――

「なぁ！おい！！さっきから彼氏くんのことをあいつあいつって、気安く呼んでんじゃねぇよ！！」

あ、ご、ごめんなさい！！
あなたの彼氏のことを気安くあいつなんて。
もう呼びませんから！
あの人！
あの人って呼びますから！
すみません！！

「で？」

。。。え。
で？ってなに。。？

「お前は、どうしたいんだ。」

どうしたい、って。
この拘束を解いて、自由にして、欲しいです。

「それはだめだ。」

ど、どうしてだめなのですか。。！？

「彼氏くんにも、話しをするからね。」

あ、あの人と話すから、って。。
あたしは、関係ないじゃないですか。。！
あたしを解放しても、あの人とお話しはできます。

「それじゃ、意味がない。」

え。それじゃ意味がないって。どういうことですか。。？

「ボクは彼氏くんの気持ちが第一なんだ。」
「だから。彼氏くんがボクの愛を受け入れてくれるまで、キミをいじめなきゃいけないんだよね。」
「キミは、エサなんだ。」

そ、そんな。。
あたしを。いじめるって。。
あの人に受け入れてもらうために、そんなことまで。。
でも！あたしをいじめても何も――

「うるさいなぁ偽善者！！」
「ずっと一緒にいたからって自惚れてんじゃねぇぞクソ女！！」
「ボクにはこれしかないんだよ！！」

ご、ごめんなさい！！
違うんです！
あたしは別に、自惚れていたわけじゃないんです。
お気に触ったのなら、申し訳ありません。。


「あ、彼氏くん♡起きたんだぁ♡」
「あのねあのね。彼氏くんの幼なじみの子、連れてきちゃったの〜」

あいつ、やっと起きたのね。
早く解放してもらうために、この子のことをちゃんと愛してもらわなきゃ。。

「それでねぇ〜？彼氏くんさ。この子のこと大好きじゃない？」

え。

「ボクと付き合ったのも、この子の気持ちを確かめるためって、前に言ってたもんね。」

まさか。
そんな。

「でもね？ボクだって、キミのこと、愛してるんだよ？」

あいつも、あたしのことを、愛して。。？

「だからさ。コイツじゃなくて、ボクにしなよ。」

そんなのって。

「ﾊｧ やっぱり。思った通りだ。」
「彼氏くんは、やっぱりキミがいいらしいね。」

あんたやめて！
あたしなんかじゃなくて、その子を愛してあげて！
(ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ)

「あらら、嫌だってさ。」

嫌じゃないの！
あんたなんか！
あんたなんか！
大っ嫌いだから！
だから――

「いじめるしかないね。」

ﾋｯ！
やめて！
あたしをどうする気！？

「簡単なことだよ。」
「このナイフで、少しずつ、少しずつ、お姉さんの体にキズをつけていくだけ。」

いや！
やめて！
痛いのはいや！
ナイフ、しまってよ！！
(ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ)

「ねぇ。彼氏くん？」
「彼氏くんがボクの愛を受け入れてくれるまで、終わらないよ。。？」
(ｽﾊﾟｯ)
いやぁあああーー！！
痛い！痛いぃぃいい！！

「えぇ。。そんなに叫ぶ程じゃないでしょ？」

「うん？」
「なぁに彼氏くん？」
「やめろ？」
「違うでしょ？」
(ｽﾊﾟｯ)
いぎぁぁあああー！！
もうやめてぇ！！
痛い痛い痛いぃいい！！
あんた！
早くあたしを助けてぇぇええ！！

「はいはい、我慢我慢」

「ん？」
「聞こえないなぁ〜」
(ｽﾊﾟｯ)
ひぐぅ！！！
あ゛あああぁぁぁーー！！！
助けて！
助けてぇ！！！

「うんうん。いい声だね。」

「彼氏くんうるさいなぁ」
「今いいとこなんだから黙ってて。」

そんな
彼氏くんがあんなに愛してるって叫んでるのに――
(ｽﾊﾟｯ)
い゛あ゛ぁぁぁあああ！！！
やめてぇぇえええ！！！

「ふへへっ。楽しいなぁ」

「ムダだよ。彼氏くん。」
「キミが何を言っても、全部ムダ。」
「ボクの耳には届かないんだぁ〜」
「キミは、愛する人が傷つくのをただ見るだけ。」

「キミが悪いんだよ？」
「ボクを利用しようとするから。」
「だからボクもキミを利用した。」
「全部、キミが悪いよ」
(ｽﾊﾟｯ)
ああ゛ああぁぁぁぁ！！
許して！！
もうゆるしてぇ！！

「ふふふっ、だーめ♡」
「お姉さんかわいいんだもん。」
「もっときかせて？」
(ｽﾊﾟｯ)
いやぁぁぁああ！！
痛い！！
痛いって言ってるのにぃぃい！！

「そうだよね。痛いよね。わかるよ。ボクだけがその気持ちを分かってあげられるよ。」
(ｽﾊﾟｯ)
あぐっあぁぁああぁぁぁ！！！
助けて！！
誰かたすけてぇ！！

「ふふふっ、あっはははっ」

・台本（ゆるボイ！）
幼馴染の気持ちを確かめたくて。(2人用台本)
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora