僕は、先輩のことが好きだ。
先輩はいつも僕に優しくしてくれる。
貧血気味な僕のことをずっと気にかけてくれる。
いつか、付き合いたいな。なんて。

あ。ちょっと。
またフラフラして。
後輩くん大丈夫？
すごい顔色悪いよ？

もしかして、また貧血？

レバーとか、ちゃんと食べてる？

そっか。
レバー、嫌いなんだね。

でも。
鉄分を摂らないと、また倒れちゃうよ？


あ。そうだ。
(ｻｸｯ)
はい。
これ。

指。
今、切ったの。
ここから、私の血、飲んで？
鉄分豊富だよ？

いいから。
飲んで？

そう。
それでいいの。
もっと舐めて？
後輩くんが、また貧血で倒れちゃわないように。
たくさん飲んでね。

いいよ。
私のことは気にしないで。
もっと。
もっと飲んで？
私の血を飲んで、元気になって？

私、後輩くんが元気になってくれるなら、いつでも血をあげる。

今は嫌いなレバーだって、いつか食べられるようになるまで、いろんな調理法を試してあげる。

後輩くんが元気になれるように。
なんでもしてあげる。


え。
もういいの？
気分は良くなった？

そっか。
元気になってくれたんだ。
良かった。。


ん？
なぁに？後輩くん。

うん。そう。
なんでもしてあげるよ？


え。。
付き合いたい。。？
私と？

後輩くん。
ちょっと待ってね。
私、付き合っている彼がいるの。
だから。
ちょっとだけ。待ってね。



(ﾌﾟﾙﾙﾙ...)
あ。もしもし。
ごめんね。急に電話して。

私たち、別れない？

なんでって。
後輩くんと付き合うことにしたからだよ？

あ。ちょっと。どうしたの？
泣いてるの？

もちろん。
嫌いになんてなってないよ？

でも。
後輩くんのためになりたいんだもの。
だから。許して？
ね？

え？
愛？

もちろん。愛してるよ。
君も。
後輩くんも。
先輩も。
先生も。
家族も。

みんな愛してる。

え？
そういうことじゃない、って。どういうこと？

あ。待って。
私に教えて――
って。
切れちゃった。。

なんだったんだろうね、後輩くん。

まぁ、なにはともあれ。
これでお付き合い、できるね。

これからよろしくね。後輩くん。
愛してるよ。

・台本（ゆるボイ！）
貧血の君に血を飲ませてくれる、愛に溢れた先輩
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora