謎の世界線。
彼女はヒロインになるため、あなたのもとへ赴く。

(ｺﾝｺﾝｺﾝ)

失礼します！


こんにちは！

エントリーNo.3です！
よろしくお願いします！

えっと、募集要項を見て、あなたのヒロインになりたくて、本日は参りました！

はい。
よろしくお願いします！

失礼します。
(着席)

はい！
わたしは、清純派ヒロインになれます！
わたし、とってもウブです！

これまでの人生でお付き合いした男性の方はいませんし、もちろん経験もございません！

あ。これは清純派のヒロインには必須の条件でしたね。
すみません。

この声も、清純派にピッタリかと思いますし、
わたし、きっとあなたに満足していただけるヒロインになれると思います！


あ、はい。
志望動機ですね。
端的に申しますと、あなたの顔写真を見て、一目惚れしたからです！
あなたのことを考えるようになって、だんだんとあなたの理想を叶えるヒロインになりたいと思うようになりました。


はい。
もしあなたのヒロインになったら、ですか。
その点について、わたしは具体的なビジョンを描いています！

始めのうちは、男性に慣れていないため、なかなかあなたの家に行けず、もどかしそうにします。
演出のため、この頃はまだ敬語です。

あなたの方から話しかけてくれるイベントや、学園祭での共同作業を通して、段々と仲を深めていきます。
そして、あなたと付き合いたいと思うようになります。
そのうちに、敬語をやめて、あなたとの距離を段々と詰めていきます。

そして、わたしから、思い切って告白します。

付き合うことになってからは、もうあなたにベタ惚れです。
はじめての事ばかりでワクワクドキドキしながら、あなたとの生活を送ります。
いずれ、あなたと、はじめてのキスをします。

...いかがでしょうか！？
ここまで具体的なビジョンを描いているのは、あなたを失望させないためです。

このように、わたしは、あなたの理想の清純派ヒロインになれるという確信があります。


あ、はい。
最後に、あなたのどこが好きか...ですか？
先程も申しました通り、顔です。

心については、資料を読みましたが、あまり好みではありませんでした！
ですが、一目惚れをした、この恋する気持ちは、誰にも負けません！


。。え？
はい。
あなたの心に関しては、一切好みではありませんでしたよ？

ん？

えっと。。

でも、恋してますよ？

わかりませんか？
この熱い恋の気持ち。
伝わりませんか！？

え？
清純派ヒロインではなく、天然ドSヒロインの才能がある...？

は、はぁ。。
ありがとうございます。

ですが、清純派として、わたしは理想のヒロインになれるという自負が...
え？

無理？

どうしてですか！？
わたしじゃダメなんですか！？

あなたのような心の汚い人に惚れてるんですよ！？
顔だけが好みで、惚れてるんです！
わたし、清純派ヒロインとして、完璧になれます！
ドSとか、よく分かりませんよ！
わたしにはそんな才能なんてありません！

ですから！

あ、ちょっと！
面接を終わらないでください！
わたし、あなたの理想のヒロインになれるんですよ！？
なりたいんですよ！？
あなたの顔にベタ惚れしてるんですよ！？
どうしてダメなんですか！
待って！
(ｶﾞﾁｬﾝ)


ﾁｯ

あの野郎、なんなんだよ。。

はぁ。。
また落ちたかな。。
何がいけなかったんだろ。

きっとアイツがいけないんだよね。
急に面接、終わりにしちゃうし。

はぁ〜もういいや。
次、次。

え〜っと？
明日はヤンデレヒロインか。
よし。
今のうちから気持ちを高めとこっと。

・台本（ゆるボイ！）
ヒロインになろう系
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora