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不幸を嘆くよりも。【のじゃ】
written by kaman_zora
  • のじゃロリ
  • 人外 / モンスター
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
1904文字(約 6分21秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
僕は不幸な人間だ。
彼女もいなければ、熱中できる趣味もない。
ただ仕事をして、毎日を生きているだけ。
最近は不運に不運が続いて、業績も上がらず、ますます不幸になるばかり。

僕ってなんでこうも不幸なんだ。
本編
ん?
お主、今、目が合ったな。

おい。お主。
妾のことが見えておるのじゃろう?

お主は稀有な人間よの。
妾のことが見えるとは。

ん?妾か?
それは当然の質問じゃな。
良いぞ。答えてやろう。

妾は神!
の使いをしておる者じゃ。

。。なんじゃ。その反応は。
妾は神ではないぞ。
じゃが、お主のような人間とは次元の異なる存在なのじゃ。
神に近い存在と言ってもいい。
どうじゃ?
すごいじゃろう?

ふふふ
そうじゃろうそうじゃろう。
お主は物分りが良いの。

さて、折角話せるのも何かの縁じゃ。
神に頼みたいことがあれば、聞いてやるのじゃ。
何かないかの。


。。ふむ。
自分は幸せじゃない。幸せにしてくれ。とな?


いいか。
お主は大きな勘違いをしておる。

何を不幸ぶっておるのじゃ。

たしかに一部分を見ればそうなのかもしれないが、
一度立ち止まって周りを見てみろ。

たくさん幸せが転がっておるはずじゃ。


いや、そんなこと あるのじゃ。
気がついておらぬだけじゃ。

もちろん、お主だけではない。

幸せは、身近になりすぎると、気づかなくなる。
人間はそういう風に作られておるのじゃ。
これは、環境に適応するための機能によるものじゃから、どうしようもない。

何についても、身近になれば、意識から外れる。
無意識になっていくのじゃ。
俗に「慣れ」と言ってもいい。
どんなに過酷な環境であっても、慣れによって適応していくのじゃ。

この慣れによって、
今のお主のように、
どんなに自分が幸せか、見えなくなるのじゃ。

幸せに浸りすぎて、不幸ばかりが強く目に映る。

強く意識しなければ、幸せを見失ってしまうのじゃ。
人の性よの。


。。ふむ。
自分は不運続きで、不幸なんだ。とな。
確かに不運はどうしようもないの。
神にも、どうすることもできぬ。

何をそんなに驚いておる。
いいか。
神は「平等な確率」を以て人々に平等を与えたのじゃ。
必ず「運」は平等じゃ。

しかしじゃ。
幸運も、不運も、それは主観的なものじゃ。
平等に訪れた「運」が、自分にとって幸せか、そうでないかの違いだけじゃ。
幸運と不運は平等とは限らない。
じゃから、不運と感じることが続くことだってある。
じゃがそこまでは神の知るところではない。
運自体は平等なのじゃからな。
それを幸運と不運に分けた人間が悪いのじゃ。

じゃから、幸運だけをお主に訪れさせるなんてことは無理じゃ。
いや、無理ではないかもしれぬが、手間じゃ。

不運は諦めよ。

じゃが、落ち込むな。
いいか。
幸福も、不幸もまた、主観的なものじゃ。
じゃから。
お主は何を幸福と感じ、何を不幸と感じるのか。
一度、きちんと心に問うてみよ。
さすれば、不運にも負けない、見失っていた幸福が沢山あるはずじゃ。

幸福も不幸も、平等ではないまでも、訪れているはずなのじゃ。
不幸にばかり目をやることはない。
幸福もちゃんとあるのじゃからな。

わかったか?
自分の不幸を嘆くのも良いが、自分の幸福をもっと喜べ。
幸福に気づいてやれ。


。。さてと。
それではな。
妾はもう帰ろうと思うのじゃ。
おつかいも終わったしの。

ん?
あぁ。そうじゃ。
妾は神に頼まれておつかいにきたのじゃ。
始めに言ったではないか。
神の使いじゃと。

紛らわしいなんてこと知るものか。
人間の言葉が悪いのじゃ。


なんじゃ。
まだ聞きたいことがあるのか。

神に頼みたいことを聞く?
ちゃんと聞いてやったではないか。

頼み事を神に伝えるなんて一言も言っておらぬぞ?

ふふふ
すまんの。
その方が人の本性が見えやすいから、ついそう言ってしまったのじゃ。

じゃが、話はちゃんと聞いてやったぞ?
アドバイスもしてやった。そうじゃろう?
何か不満か?

見るに、納得はしてないようじゃが、不満ではないようじゃの。

ふふふ
人間は やはりおもしろい。
ちょっと小突いてやると様々な表情を見せる。
お主、気に入ったぞ。

また今度使いに来た時には必ず逢おう。

ではな。


と。思ったのじゃが。
人間の一生は本当に短い。
次来た時には、お主はもうここにはいないのかもしれぬな。。


ふむ。

よし、決めた。
お主が死ぬまで、ここに残ろう。

大丈夫じゃ。
ここでの何十年くらい、どうってことはない。
おつかいは済んだし。

と、言う訳で。
これからよろしくなのじゃ。

うむ。
もちろんじゃ。
お主の傍から離れるつもりはないぞ?
見えぬ人間といても面白くないのじゃ。

それに、不運だ不幸だなどと のたまっていたお主がどう変わっていくのか、見てみたいからの。

ん?
妾は何もせぬぞ?
ただ話すだけじゃ。
そして最期まで見届ける。
特別な力なんて持ってはおらんしの。

来るなと言われてもついて行くぞ?
妾は わがままなのじゃ。
ついて行くと決めたからには ついて行くのじゃ。
お主の意見など聞いておらぬ。

とにかく、これからよろしくなのじゃ。人間。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
不幸を嘆くよりも。【のじゃ】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora
ライター情報
 完全に趣味でシチュボ台本を書いてます。

 メンヘラ、ヤンデレ、励まし、謎シチュなどなど、いろいろ書いてます。

 R18Gはたまに書きますが、
 恐らく、百合、BL、女性向け、R18は、ほとんど書きません。難しい!

 ぜひ自由に改変していただき、ガンガン使ってください!

 よろしくお願いしますm(_ _)m
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