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好かれるのが当たり前すぎて
written by kaman_zora
  • 告白
  • 学校/学園
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
3327文字(約 11分6秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
俺はあいつのことがどうにも気に食わない。
クラスでいっつもチヤホヤされているあの女。
周りにはいい顔ばっかりして、裏では何考えてんだか、わかったもんじゃない。

まぁ。どうせ今後も絡みなんてないんだし。
気にするだけ無駄だから、普段は無関心で貫いている。

いるんだが。。

なんだ今日は。
いきなり向こうから話しかけてきやがって。

何の用だよ。
話しかけてくるなよ。

とりあえず無視しとくか。
俺じゃないかもしれないしな。
本編
ねぇ。そこの貴方。

本を読んでいる、そこの貴方。

貴方に言っているの!

私が呼び掛けてるのよ?
返事くらいしなさい!


何、じゃないでしょう?
この私がわざわざ呼び掛けてあげているんだから、すぐに返事なさい。

そう。
素直でよろしい。

え?
用事?
そんなものありません。
ただ呼んでみただけです。

ただ、貴方がいかに無礼な人間かを周囲に知らしめてやっただけです。

まったく。
貴方という人は、この私が構ってあげようとしているというのに、まともに返事すらしないんですから。
他の人なら、寝ていても飛び起きるレベルですよ?

その証拠に、ほら。
あそこにいる男子共、貴方を睨んでいますよ。
ふふっ
貴方、嫌われてしまいましたね。
それに、女子たちの視線も、痛くなってきたでしょう?

ふふっ
私に無礼をはたらくことが いかに自分を貶(おとし)めるか、これで分かったでしょう?

分かったなら、今後、私が声をかけたら、すぐに返事することね。


なっ
めんどくさい。。?

あ、貴方ねぇ!
どういう神経をしているの!?
さっき分かったでしょう?

分かっていないのなら、はっきりと教えてあげます。
私はみんなに慕われているの。
もし私の機嫌を損ねるようなことをしたら、クラス中、ひいては学校中の学生にも嫌われかねないんですよ。
貴方はそれでもいいのですか?

別にいいよ、って。。

貴方、どうかしています。
嫌われることが、怖くはないのですか?

そんなの、慣れた。。?


あ、貴方!
耳を貸して。


(囁き)
放課後、このメモにある場所に来なさい。

め、めんどくさいじゃないの。。!
必ず来るのよ。
私、取り巻きの子達を撒いてから必ず行きますから。
(囁き終)


いいですね!
今言ったことを、心に留めておきなさい!

行きますよ。皆さん。
その無礼な方は放っておきなさい。
皆さんにも悪い影響があるかもしれませんから。



(放課後)

。。遅いわ。

もう!
何やってるのかしらあの子は!


何、やってるのよ。私は。。


来るわけ、ないじゃない。

あんなに、めんどくさそうにしてたじゃない。。


でも。
ちゃんと、話してみたい。
伝えたい。


もう少し。
もう少しだけ。
待とうかな。。



(1時間後)

暗く、なってきちゃった。

私、どうして連絡先を教えてもらわなかったの。

待つことしかできないじゃない。

でも、これでいいの。。


あ。
貴方!
来てくれたのですね!

って、そのケガは!?

クラスの男子たちに?

そ、そんな。。
まさか、私のせいで。。?
私が貴方に話しかけたせいで。
いじわるを言ったせいで。

私、どうしたら。。

そんなつもりじゃ。。

ごめんなさい。
もっと強く、貴方には構わないように言っておけば、こんなことには。。

いいよ、じゃありません!
全然よくありません!
貴方がケガをするなんて。
絶対にダメです!

待ってください。
すぐに手当しますから。

まず、水道で傷口を洗わないと。。

立てますか?
私の肩を使ってください。

よい、しょっと。

あそこです。
一緒にいきましょう。


本当にごめんなさい。

まさか、こんなことになるなんて、思っていなかったんです。

着きました。
ほら。
早く傷口を見せてください。
バイ菌が入ってしまっては大変ですから。

あ、私のハンカチ、使ってください。
これで傷口を綺麗にしましょう。

ちょっと痛みますよ?





はい。
これでよし。
ひとまず、応急処置だけですが。。

あの。
改めて。
本当にごめんなさい。


。。貴方は。

本当になんなんですか。

そんな簡単に許してしまうなんて。

私なら、何か対価を求めます。
それか、恨み言を吐きます。


そんなのめんどくさい。って。
まったく、貴方という人は。。
一体なんなんですか。
私には到底理解できません。



あ。
用事ですか?

えっと。

コホン

貴方、私のこと、好きですか?


。。。


黙ってないで、早く答えなさい。


え。
嫌い、なの。。?

ほんとに?

私のこと、好きじゃないの?
ほんとに嫌い?

そっか。。




。。やっと。

やっと出逢えた。。!

私のことを嫌ってくれる人!

私は貴方のような人を待っていたの!

ねぇ貴方、私と連絡先を交換しましょ?


やっぱり嫌だよね!
ふふふっ

そうだよね!
貴方はやっぱりそうだよね!

嬉しいなぁ。。


あ。
もしかして、引いちゃった?

私ね、誰からも慕われて、もううんざりだったの。
私が横暴に振る舞っても、みーんな全肯定。
誰一人、私のことを嫌いになってくれなかったの。

でもね。
貴方は違った。
私が声をかけても、無視!
何度も何度も声をかけて、やっとこっちに反応したと思ったら、今度はめんどくさいの一点張り!

こんな素敵な反応、本当に久しぶりだったの。
私、ワクワクしちゃって!
さっきは、いつも通りに話すように演技するの、本当に大変だったよ?

それに、貴方は嫌われることに慣れた、って言っていた。
つまり、嫌われることに関して、貴方は私の大先輩ってことだよね!
嫌われてみたい私には、貴方がとても輝いて見えたの。

ケガをさせちゃったのは申し訳ないけど、
私は今とっても嬉しい!
貴方が来てくれて良かった!

あ、でもね。
実は、貴方が来ても来なくても、どっちでも良かったの。
来たら、こうして直接聞けるし、
来なかったら、私のことなんてどうでもいいって思ってるってことになるし。

私って天才かも。
貴方に話しかけてからたった数秒で
こんな作戦を思いついちゃうんだもの。
ふふっ


ねぇ貴方、私のどこが嫌い?

教えて?


高慢で、人を見下す態度?
うんうん。
それからそれから?

猫かぶり?
そうよねそうよね。
それから?

誠意が足りない?

あら。
そうなの?
ごめんなさいだけじゃ、やっぱりダメだった?

いいよ?
何でも言ってみて?
嫌いな私に、やって欲しいこと。


。。土下座ね。

私、土下座なんて初めて!
やってみるね。

こう、かな?
これで頭を地面に擦り付けるのね?

どう?
ちゃんと土下座できてる?


ほんと!?
ちゃんとできてるのね!
良かった。

え?
その状態で、ちゃんと心から謝れ?

うん。
いいよ。


本当に、ごめんなさい。
貴方にケガをさせてしまいました。
私の軽率な発言のせいです。
本当に、本当に、申し訳ありませんでした。


え?
許してくれちゃうの?

貴方、結構優しいのね。

普通、嫌いな人には、もっとキツく当たると思うよ?


あ、そっか!
そうだよね!
どうでもいいからだよね!
私に興味なんてないからだよね!?
構うのもめんどくさいってことだね!

やっぱり!
貴方は私の浅はかな考えなんて簡単に超えてきてくれる!

貴方のこと、全然理解できないの!
こんなに嬉しいことはないよ!
ふふふっ

ねぇねぇ。
私の嫌いなところ、まだある?
もっと聞きたいの!
もっと知りたいの!

お願い!
土下座するから!
ね?

え?
その必要はない、って。
そうなの?

じゃあ、嫌いなところ、教えて?

ベラベラとうるさいところ?
ふふっ
そうなんだ。
それからそれから?

リーダーぶってるところ?
うんうん。
やっぱりそう見えるもんね。
他には?

どえむ?
どえむってなに?

へぇ。
貴方は物知りなのね。

でも、私ってドMに見えるの?
ただ、嫌われることが新鮮で嬉しいってだけだけどなぁ。。
でも、貴方にはそう見えたのね。
なるほど。

他に嫌いなところは?


え?
もうないの?

そっかぁ。。。
残念。

あ、でも。
今は思い浮かばなくても、また今度になれば、きっと思い浮かぶよね!
ねっ?

ならさ!
やっぱり、私と、連絡先を交換しましょ?

いつでも、私の嫌いなところを送ってくれる
だけ
でいいから!

ね?ね?
いいでしょ?

もちろん、今日みたいな日もたまには作って欲しいなぁって思うけど〜
でも、嫌いな人と何度も顔を合わせたくないでしょ?

だから!
これ!
連絡先!

これ だけ でいいの!
お願い!
このとおり!


え、ほんと?

やった!

ありがとう!

私、とっても嬉しい!
すぐに交換しましょ?


。。これでよしっと。


あ、安心して?
私からはほとんど連絡しないから!
貴方が、好きなときに、私の嫌いなところを送ってくれる だけ でいいの。

あと、貴方にケガをさせるような連中には、二度と貴方に手を出させないようにするね。
でももし、今度また手を出されたら、必ず私に言って?
そいつらを、この学校にいられなくしてあげるから。

貴方は私を嫌いになってくれた、素敵な人。
私に、活力をくれる人。
だから、そんな貴方のことを、私は大切にしたいの。
本当に貴方と巡り会えて良かった、って心からそう思ってるの。

改めて
ありがとう。

これからも、私のこと、嫌いでいてね。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
好かれるのが当たり前すぎて
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora
ライター情報
 完全に趣味でシチュボ台本を書いてます。

 メンヘラ、ヤンデレ、励まし、謎シチュなどなど、いろいろ書いてます。

 R18Gはたまに書きますが、
 恐らく、百合、BL、女性向け、R18は、ほとんど書きません。難しい!

 ぜひ自由に改変していただき、ガンガン使ってください!

 よろしくお願いしますm(_ _)m
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