このお姉さんには悩みがある。
ドキドキしすぎると、子供になってしまうのだ。
しかも見た目まで子供になるおまけ付き。

そんな呪いみたいな体質に、お姉さんは悩んでいたのだ。

そして今日、放課後、体育館裏に呼び出される。
まさか、告白。。？

ドキドキ...

だめ。
子供になっちゃう。
深呼吸よ深呼吸。

(深呼吸)

落ち着いて。私。
大丈夫。
きっと、ただお話しするだけよ。

で、でも。。
放課後。体育館裏。手紙で呼び出し。。

これ。
こ、告白。。だよね。。

(深呼吸)

。。だ、大丈夫。

どんな人か分からないけれど。
真摯に向き合うの。
そうすればどんな返事になったとしても、きっと大丈夫。

(深呼吸)

よし。行こう。


(体育館裏へ。。)

あ。こ、こんにちは。

この手紙、くれたのって、キミ？

えっと。。
確か。。一年生の。子？

う、うん。
覚えてるよ。


あ、あにょ。。
(深呼吸)
きょ、今日、呼び出したのって。。


。。うん。
ちゃんと、聞くね。。


()。。もう！おにいちゃん！
はやくしてよぅ！

どうせ「こくはく」しゅるんでしょ〜？

あたし、おにいちゃんのこと、じぇんじぇんしらないから！
まだ！じぇんじぇん、しゅきとか、そうゆーかんじじゃないの！

ごめんね！
おにいちゃん！
ばいばい！

(ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ)

いしょいで、おうちにかえるぞ〜！おー！



(ｶﾞﾁｬ)
たっだいまぁ〜！

あっ！ママ！ただいま〜！

うぇ？
しんこきゅー？

うん！
する〜！

(深呼吸)

()ま、また、やってしまったぁ〜！！

ごめんなさいお母さん！
私、何度も深呼吸して気持ちを落ち着けようと思ったけど無理だったの！

何があったの。って。。

そ、()しょれは。。

あたし、こくはくされそうになったの！

ドキドキしちゃった！
えへへっ！

ほぇ？
あ！
しんこきゅーしんこきゅー

(深呼吸)

()。。。もう嫌よ。こんな体質。

呪いよ。

ドキドキしたら幼児退行する。。
どころか！
見た目まで子供よ！？

どうなってるのよ！私の体は！

お母さんもお父さんも、普通の人間よね！？

なんで私だけこんな変な体質なの！！？

学校でイメージを壊さないようにするの、大変なんだから！！

体育も！動くとドキドキしちゃうから参加できないし！！
ﾊｧﾊｧ..

()しょれに！あたしのがっこー、まらしょんたいかいがあるんだよ？
でも、ほとんどあるいちゃった！
えへへ〜

がっこーだと、あたし、うんどーへたっぴってことになってるけどぉ〜
ほんとは、もっとじゆーにうごきたい！

(深呼吸)

()だ、だから。
この体質、病院で治せないか。聞いてみたいの。お母さん。

どうしてダメなの！？
いっつもいっつも！
理由も言わずにダメダメダメダメって！

理由くらい話してよ！！
私はこんなに苦労してるんだよ！？


。。話して、くれるの。。？

うん。
ちゃんと、聞く。


えぇ！？
お母さんも昔はそうだったの！？

あ。ごめん。
最後まで、聞くね。


。。うん。


そっか。

遺伝、なんだね。。

お医者さんに診てもらっても、どうしようもなかったの。。？

そ、そうなんだ。。


ねぇ。お母さんは、どうやって乗り越えたの。。？
この体質。

え。
お父さん、この体質のこと、すぐに理解してくれたの。。？
こんな意味もわからない、原理もわからない、体質のことを。。？

す、すごいね。。
私だったら、興味本意で色々聞くことはあるかもしれないけど、付き合いたいなんて思えないよ。。


もしかしたら。
あの子も。
私のこんな体質を。
受け入れて、くれたのかな。。

はぁ。。
私。
全然好きとかそういう感じじゃない。って、言っちゃった。。
しかも、子供の姿で。

ちゃんと、連絡、しなきゃだよね。。
はぁ。。
なんて言おう。

す、素直に言っても、いいのかな。。

でも。
もう見られたんだし。
あんなの見たら、ウソを言ってもきっと信じてくれないよね。。

よし。
正直に。
全部、話そう。。


えっと。。
『私は、実は特異体質で、ドキドキすると子供になってしまうんです。』
って。
こんな文章、信じられるの。。？

あぁ〜もう！めんどくさい！
電話で伝える！！
うん！そうしよう！

(ﾌﾟﾙﾙﾙ..ﾌﾟﾙﾙﾙ..)

(ｶﾞﾁｬ)

あ、もしもし。

あ。えっと。
さっきぶり。

さっきは、、
その。。
ビックリした、よね。

あ、えっとね！
実はね、あた..私！ドキドキすると、子供になっちゃうの。
って、あ〜、えっと！
わ、訳わかんないかもしれないけど！
(深呼吸)
えっと、体育の授業を見学してるのもそれが原因だし、それに、その。。告白のときも。。
ドキドキ、しちゃって。。
子供の姿に。。

へ？
あ。
え？
ちょ、ちょっと！
なんでそんなにすんなり受け入れてるの！？
私、変よね！？

。。え。
キミは、私のこと、変って思わないの。。？

こ、個性的！？
そんな言葉で納得しちゃうの！？

い、いや、嬉しいけど。。


。。ううん。
ありがとう。

キミ、ちょっと変な子だね。
私が言えたことじゃないけど。
うふふっ

あ。
この体質のこと、みんなには黙っておいてくれない？
学校にいるうちは、あんまりバレたくないの。

うん。
ありがとう。

うふふっ
私たち、二人だけの秘密だね。
()なんかドキドキしゅる〜

()あ。
あははっ

子供がもれ出た〜！
あはははっ

こんなに楽しくこの体質のことを話せる日が来るなんて、思ってもみなかった。
キミのおかげ。
改めて、ありがとう。


そ、、()しょれでね。

あした、また、ほうかご。。
たいーくかんに。。
きて？

(深呼吸)

()そ、そういうことだから！
じゃあまた明日ね！

(ｶﾞﾁｬ。ﾌﾟｰﾌﾟｰ)


。。告白の練習しなきゃ。
子供の状態でも、ちゃんと、気持ちを伝えなきゃ。


()がんばるぞ〜！おー！

・台本（ゆるボイ！）
ドキドキしすぎるとロリになる、呪われお姉さん
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora