人は死んだ後、どこへ行くのか。

ここは、女神が管理する審判所。

今日も、死んだ人々の運命を決める審判が行われる。

はい。次のお方。どうぞ〜！


あ、ありがとう。
かわいい、なんて、そんなことないですよ〜
あはは...

で、あなたはどちらを希望されますか？
地獄か、地獄か、選んでください地獄ですねでは次の方どうぞ。


え？
一旦休憩？

はぁ。。やっとか。。


はぁ〜だりぃ〜


んだよあの野郎、気色悪い視線送ってきやがってよ。

かわいい、だってよ。
ははは。
ウケるな。

適当ほざくヤツなんざ、地獄に落として正解だろ。

受付の娘のほうが500倍はかわいいっての。


ん？
あぁ。お前か。
いたのかよ。
いるならそう言えよ。


は？
もっと女神らしく振る舞えだ〜？
やってんだろうが！うるせぇなぁ！
おめぇは母親かよ！

あ〜はいはい
やりますよ、や〜り〜ま〜すぅ〜
やりゃあいいんだろ？

休憩終わったらやるって。
うるさいなぁ。


は？
お肌のケアなんていらねぇだろ。

イメージを壊さないために、化粧したりとか、幻術使ったりとかよ、めんどくせぇ〜！
どうでもいいだろ。そんな飾り付けなんてよ。

あ〜もうわかったって。
ただあたしには無縁って話。
もういいだろ。
休憩になんねぇじゃねぇか。まったくよ。


は〜い。次の方どうぞ〜？


え〜っと、あんたは〜
なになに？
怪盗？
変装を得意にしてた、ね。

てかなに盗んだの？
(ﾁﾗｯ)
って、おいおい！

なんだよその顔！

かっこいいじゃねぇか！

それも変装ってやつか？
すげぇ〜


え？
素顔？

は？マジ？

ちょっとさ、あたしと付き合わない？


は？無理？
なら地獄へさよなら〜
だけど？

お、賢いな。
あたしと付き合ってくれるだけだしな！
そりゃ条件を飲むわけだ。

なぁ、どんな女が好みなんだ？
あたしに言ってみろよ。


へぇ。
強い女？

メンタルか？それともフィジカル？

両方ねぇ。なるほど。。


あたしだな！？

いやぁ〜そうかそうか！
そんなにあたしの事が好きだったとはなぁ！
ツンデレってやつかぁ〜？

隅に置けないヤツだなぁお前もなぁ！

(背中に強烈な二撃)

お、そうだ。
あたしの嫌いなところはあるか？


へぇ。
汚いところね。
うるせぇ。
すぐに直すから待ってろ。


よし。
幻術かけたからもう大丈夫だろ。


は？
変わってない？
マジか。
70年くらい使ってなかったからなまったのか？

悪いな。
直すのはまた今度な。

で？
他には？


は？
馴れ馴れしすぎ？
スキンシップがキツい？

おいおい。
こんなの普通のスキンシップだろうが。

(背中に痛烈な一撃)

え？痛い？

あぁ。悪いな。

ったく、人間ってのは相変わらず脆いな。
この程度で痛いとかよ。

まぁ守ってあげたくなる感じだな！
安心しろ。
あたしが守ってやろう。


よし。じゃあ次の方――

は？
なんだよ。
お前の番は終わっただろ？


いや、お前はこれからずっとあたしと付き合い続けるだろ？
地獄とか天国とかそんなのないって〜

は？
嫌だ？
何を今更。
あたしと付き合うってお前が言ったんだろ？

お前が言ったよなぁ？

は？
言わされた？

おいおい、あたしは提案したっての。
無理って言ったら地獄へさよなら、ってね。

地獄に行きたいなら大人しくそこで断れよ。

お前、イエスマンってやつか？
断れない男、情けねぇなぁ。


は？
天国に行きたいだぁ？
あぁそりゃ無理だ。
定員いっぱいなんだよ。

だから地獄じゃないここが一番マシってわけだ。
よかっただろ？

あたしの伴侶にしてやるって言ってんだ。
つまりは、ずっとあたしと一緒にいられるってことだ。
断る理由もないだろ？
あたしのこと好きなんだし。


は？
あたしのことなんて好きじゃない？

ふーん？

で？


付き合う気はない。と。

それで？


ここにはいたくない。ね。



ひとつ聞いていいか？

お前は、約束を破るやつってどう思う。


そうだろうな。
嫌だろうな。

あたしは今、それをされた。

お前は、あたしと付き合うって言ったんだ。
約束したんだ。

それを、お前は破ったんだ。

わかるか？


お前は最低の男になったわけだ。


けどな、あたしは優しいんだ。
お前みたいなクズだって、顔が良ければそれでいいんだよ。

だから。な？

あたしの気が変わらないうちに、ご機嫌でも取っとけよ。
ほら。
早くしろよ。


。。はぁ。。

こいつは。

マジもんのクズだな。

そんなに嫌か。ここにいるのが。


確認するぞ？

お前は、あたしと付き合って、ここにずっといるんじゃなくて、地獄に行きたいんだな？


。。わかったよ。

ただし、聞け。

普段は、向かう先が地獄か天国かはあたし達 神が決める。
だが、今回の場合は、お前が進んで、望んで、地獄に行くことになるわけだ。

今回は、自分の意志なんだよ。


つまりだ。
お前はずっと地獄に居続けることになる。
そうしたいと、お前が言ったからだ。

お前は地獄を望んだ愚かな人間だ。
絶対に元の世界には戻れない。
地獄の住人として、全てを捧げるんだ。


。。は？

助けてくれ？

無理だ。

お前が望んだことだ。


なんでもする？

もうチャンスは やった。

お前は無駄にしただろ。


あなたの隣に居させてください。。？

ま、まぁ。

そうか？

別に？

お前が本気でそう思うなら？

考えてやらんこともないけど？



あ、愛すると誓います。。？

マジか。やった。

嬉しいこと言ってくれるじゃん！！

(背中に激痛×2)

いいよ。

そこまで言うなら、付き合おうな！


あ。そうだ。
ひとつ言っておいていいか？



二度と。嘘はつくな。


これは警告だ。



よしっ！

それじゃ！

次の方〜！

・台本（ゆるボイ！）
ガサツ女神の一目惚れ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora