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変温カノジョ
written by kaman_zora
  • ラブラブ
  • 甘々
  • カップル
  • 恋人同士
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
3380文字(約 11分16秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
変温動物。
自身では体温を一定に保つことが出来ない動物。

この病院では、ある日から突然変温動物になってしまった稀有な人間の女性が恒温室で生活を送っていた。
本編
(コンコンコン)

どうぞ。

(ガララッ)

あ!彼氏くん!
今日は早かったんだね!
待ってたよ!


え?
うん。
元気だよ?

ちゃんとお部屋も33度!
ほら、これ!
このくらいの温度が一番動きやすいんだぁ〜

あ、みてみて!
さっき体温測ったらね!
ぴったり35度だったの!
すごくない!?


。。あれ?なんで上着脱いでるの?

あ!そうだったね!
彼氏くん、暑いよね!

ごめんね。
私が、こんな変な体質になっちゃって。。


謝らないで、って言われても。。
私、温度調節すらできなくなっちゃってるんだよ?

こんなの、人間の形をした別の動物だよ。。
冬の間は、こうやって専用の病室の中じゃないとうまく活動できないし。。

それに。
いつ治るかも、治らないかも分からないんだよ。。?


。。ごめんね。

でも、私、不安なの。。
彼氏くんは、こうして毎日来てくれるけど。
いつか、こんな変な私なんて嫌になって、来てくれなくなっちゃうんじゃないかって。。

(ギュッ)

ひゃ!?

き、急に抱きついて。。
どうしたの。。?

え。。
私を安心させたかったの。。?

。。ありがとう。彼氏くん。

ごめんね。疑うようなこと言って。
ダメだよね!こんな弱ってたら!
私は彼氏くんと一緒なら頑張れちゃうんだからね!
原因は まだ分からないけど、必ず治してみせるんだから!


うん!
また明日ね、彼氏くん!
最近寒くなってきたみたいだから、気をつけてね!


(ガララッ)

(バタンッ)




(翌日)

え。。
昨日の未明から、記録的な大雪。。?

外、吹雪いてるのかな。。

大丈夫かな。。彼氏くん。


連絡してみようかな。

でも、1限目の時間だし。。
授業中だよね。きっと。
それとも、今日は学校ないのかな。。
とりあえず、メッセージだけ入れとこうかな。

「大雪、大丈夫? 今日は無理に来なくても大丈夫だよ。」と。
送信。


。。あれ。
通信が、上手くいかない。。?

。。あ。いった。
よかった。


はぁ。。
雪、早く止んでくれないかな。。
彼氏くんに会いたいな。。


(停電)

な、なに!?

(復旧)

今、一度電気が消えた?

もしかして。。
停電。。?

だとすると、今明るいのって。。

(ガララッ)

あ、看護師さん!
今!停電しましたか!?

やっぱり。。

だとすると、今の電気は。。

補助電源。。ですよね。。


ど、どのくらい、持つんでしょうか。


な、長くても、4日間。。?
電気の使用状況によっては、2日間。。?


あの。。

もしかしなくても、この部屋、電気をたくさん使ってますよね。。?

つまり。。
2日間しか。もたない。。?


そんな。。
復旧はいつなんですか。。?

分からない。ですか。。


ゆ、雪は!
いつ止むんですか。。?


え。。
2日間は続く予報。。?

そんな。。
それじゃ、この病院の電源が危ないんじゃ――!

(停電)

きゃぁ!

な、なに!?
また電気が消えて――!


は、はい!
状況の確認、お願いします。
ごめんなさい。
私、この部屋から出られなくて。。


あ、ありがとうございます。。
お願いします。

(ガララッ)
(バタンッ)


どうして。。
まさか補助電源まで。。?

いや、そんなことになったら、他の患者さんの命が。。

だめ。
考えるな。
そんなこと、ない。
ありえないもの。

きっと、この部屋のブレーカーが落ちちゃっただけ。
大丈夫。
大丈夫。
きっと大丈夫。。






。。なんか、寒い。。

看護師さんは、いつ戻ってくるの。。?
彼氏くんは。。

きっと、来ない。

大雪。だもんね。。

でも、連絡だけ。
したい。。


(ガララッ)
彼氏くん!?

あ。
ごめんなさい。看護師さん。

(バタンッ)

それで。。

今、どうなってますか。。?


。。え。
看護師さんの一人が、刃物を持って、ブレーカーの前で。って。え。。?

なんで、そんな物騒な事態に。。?


え。
その人の夫が、この病院の病室に。。?

生命維持装置を長引かせるために。そんなことを。。?


。。それで。
その人が死なずに済むなら。。

私は、大丈夫。
です。


え。
毛布に、カイロに、水?
これで、体温調整を。。?

あ、ありがとうございます。
頑張ってみます。

あ。懐中電灯も。ありがとうございます。

看護師さん、私のことは、、いいので!
他の患者さんを安心させてあげてください!

はい。
大丈夫!

大丈夫。

です。


(ガララッ)
(バタンッ)


よ、よし。
懐中電灯をつけて。。

彼氏くんに、連絡を。。!

え。。
圏外。。?
なんで。
なんで!


彼氏くん。。


だ、ダメだダメだ。
まずはカイロを開けて。。

て、手がかじかんで。。
開けづらい。。

あ、開いた。


早く。


早く温まって。。
お願い。。

寒い。。
暗い。。
怖いよ。。
彼氏くん。。

頑張らなきゃ。
彼氏くんのためにも。
彼氏くんと一緒なら。
私、頑張れるんだから。。

あ、温まってきた。。
まずは指先を。。

温かい。。

カイロがあってよかった。
看護師さん、ありがとう。。



あれ。。
なんか。カイロが。。
あっつい。。

だめ。熱すぎる。。

毛布にくるんで。。

でもこれじゃ、体が冷えちゃう。。

とりあえず、毛布の外に貼って。。


こんなの、全然温まらない。。
もっとカイロが欲しい。。

けど、寒くてほとんど動けない。。

頑張って耐えるしか。。

ううっ
彼氏くん。。





(ガララッ)
彼氏くん。。?

じゃ、ないよね。。

か、看護師さん。
もっと。カイロを。。
それに、毛布も、欲しいです。。

寒いんです。。

あ。
お昼ご飯。
ありがとうございます。。

あったかい。。ご飯だ。。

はい。
なんとか食べてみます。
本当にありがとうございます。

はい。
カイロと毛布、お願いします。


(ガララッ)
(バタンッ)

いただきます。。

あむっ

あんまり、おいしくは、ないけど。。
でも。あったかい。。

あむっ

あむっ


(ガララッ)

あ。看護師さん。

カイロと、毛布も、ありがとうございます。
それに、この食事も。

これで、また、頑張れます。。!


あ、あの。。
この部屋の外って、今、どうなってますか。。?

その。。ほかの患者さんは。。?


そう、ですか。

電気のある部屋に、移動できたんですね。
よかった。。

今の電気の利用状況なら、きっと、3、4日は、補助電源が持ちますよね。。?

なら。
なんとか、耐えれば。。

。。え。
カイロが、足りなくなる。。?

そんな。。

それじゃ。。私は。。?

私は。。
どうしたらいいの。。?

あ。そうですよね。
いっそ、この部屋から。


出て。。。


電気ストーブの前にいれば、大丈夫。。





。。この部屋から、出るの。。?





いやだ。

外は怖いの。

私、きっと、動けなくなって。。
それで。
そのまま。。!!


いやだ!
怖い!
出たくない!

いや!
来ないで!
この部屋から出そうとしないで!
外は怖いの!


早く助けて。。彼氏くん。。!
彼氏くん助けて。。!
彼氏くん助けて。。!
助けて。。!


(ガララッ)

え。。
彼氏、くん。。?

彼氏くん!!
(ギュッ)

彼氏くん。。!
彼氏くん彼氏くん。。!

来てくれた。。。
嬉しい。。

彼氏くん。
私、頑張ったよ。。!
彼氏くんがいなくても。頑張ったの。。


うん。。!
うん。。!
ありがとう。
褒めてくれて。。



うん。温かいよ。。
彼氏くんの温もりが。私に伝わってくる。。



。。でも、ごめんね。

足りないの。。

寒いの。

身体中が冷えきってるの。
指がかじかんで、上手く動かせない。。
足が冷えて、感覚が無くなってきてる。。

えへへ。。
もう、どうしようもないかも。。

でも、彼氏くんの隣で死ねるなら。。

え。
何してるの、彼氏くん。
服、脱いで。。

この方が、触れられる面積が多い。。?

そ、それって――

え、ちょっと。
私も脱ぐの。。?

待って。彼氏くん。
私、まだ、心の準備が。。!

あ、ちょっと。
勝手に脱がさないで。

ちょっと。
ほんとに。
待ってってば。


。。もう。

なんで。
こんな時に。
こんな。。


。。え。。?

私を、救うため。。?


それって、どういう。。

(ギュッ)
ひゃっ!

な、なに。。?
急に抱きついて。


え。
彼氏くんの肌が触れて。。

すごく温かい。

安心する。。

人肌って。こんなに温かいんだ。。



。。ねぇ。
彼氏くん。

もっと。。

もっとくっついて。
彼氏くんの温もり、全身で感じたいの。

足も。
腕も。
指先も。
全部触れ合って。。?



。。あったかい。。

彼氏くんに、全身包まれてるみたい。。

私、すごく幸せだよ。。?



彼氏くんもなの。。?

えへへ。。
良かったぁ。。



ずっと。
ずっと。
停電が直らなきゃいいのに。。

そうすれば、こうして。
ずっと。
肌を合わせていられるのに。

私。
この幸せが。
終わって欲しくない。
ずっとこのままがいいの。。


。。だめ。。?


うん。。!
ありがとう。
彼氏くん。。



ねぇ。彼氏くん。

キス、してもいい。。?

唇も。
冷たくなっちゃったから。

ね。。?


んっ...

(キス)


。。なんでやめちゃうの。。?

まだ、全然、あったまってないよ。。?

もっと。ちょうだい。。

(キス)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
変温カノジョ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora
ライター情報
 完全に趣味でシチュボ台本を書いてます。

 メンヘラ、ヤンデレ、励まし、謎シチュなどなど、いろいろ書いてます。

 R18Gはたまに書きますが、
 恐らく、百合、BL、女性向け、R18は、ほとんど書きません。難しい!

 ぜひ自由に改変していただき、ガンガン使ってください!

 よろしくお願いしますm(_ _)m
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