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ワガママお嬢様のティータイム
written by 華ノ眼 葉
  • 告白
  • お嬢様
  • ラブラブ
公開日2021年09月18日 20:00 更新日2021年09月18日 20:00
文字数
1412文字(約 4分43秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
名家のお嬢様
視聴者役柄
新米の執事
場所
お屋敷の一室
あらすじ
名家のお嬢様を手助けする執事となったあなた(聞き手)。
興味のない縁談に辟易したお嬢様は『お茶にしましょう』と息抜きにあなたを誘う。
本編
…イヤ!
あのような方と結婚する気などないと言っているの。お父様にもそのように伝えて!
わたくしの使用人なら、そのくらい簡単なことでしょう?

……ああ、あなた。ええそうね、お茶にしましょう。少し休みたいから、しばらく部屋に誰も入れないように。
ちょっと、あなたまで出ていってどうするの。あなたは残って。
わたくしの執事なら、話し相手にくらいはなってちょうだい。

(ため息)
ねえ、どうして名家の跡継ぎってああなのかしら?
わたくしを出世のための道具…いえ、踏み台としか見ていないみたい。
そんな方とこれからの人生をともにするなんて……絶対にイヤよ!
みんな、お父様とお母様を見習ってほしいものね。
白馬の王子様とは言わないけれど、せめて愛する方と結ばれたいわ……

…ごめんなさい。そういえば、あなたとお茶をするのは初めてだったわね。
今までは、じい様に…あなたの前の執事に、不満をぶつけてきたものだから。
ええ、あなたも色々と教わったでしょう。あの笑顔が素敵なおじいさんに。
まさかお体を悪くされてしまうだなんて…無理を言いすぎてしまったのかしら…。
でも、お屋敷を去る前にあなたを一人前にしてくれたのだから、流石ね。今度、お礼を申し上げなくちゃ。

いいかしら?
これから、わたくしが『お茶にしましょう』と言ったら、こういうことだから。
分かったわね?
ふふっ、いいお返事ね。それでこそわたくしの執事、といったところかしら。
そうだ。ねえ、あなたはどう思う?
お見合いよ。こちらからは望んでもいないのに……。

そうでしょう?
ふふふ、あなたとは馬が合うみたい。
ええそうよ。誰だって、望む方と一緒になりたいものなの。
現に、お父様とお母様が今も仲睦まじいのは、お互いに望んで結ばれたから。
子どものわたくしだけが、そうすることを禁じられていいはずがないわ。

…そうだ、あなたに想い人はいるの?
いいじゃない。ふたりだけの秘密にしてあげるから。
知っているのよ。わたくしくらいの年ごろの方々は、こういった話に花を咲かせているのよね。
そう、いないのね。てっきり、気を遣って『お嬢様です』って答えるのかと思ってた。
ふふふっ、冗談よ。今は、正直な答えを求めていたの。

…そうね。あなたが正直に答えてくれたのだから、わたくしもそれに応えなくちゃ。
どうか、秘密を知ってちょうだい。
わたくしの想い人は、実直で心優しく、わたくしのことを深く知りたいと思っている方。
仕事に対して、心を尽くしてくれるような方。
そして、わたくしがよく知っている方。

……知っているかしら。お母様はもともと、どこかのお嬢様ではなかったの。
今のあなたのように、名家のお坊ちゃまのお世話係だったそうなの。
でも、困ったことにそのお坊ちゃまがお母様に惚れこんでしまって、縁談を全て蹴ってしまったらしくて。
仕方がないから、その家の当主はふたりの結婚を認めた。それからしばらくして産まれた娘が、このわたくし。

あら、そんなに目を丸くしてしまうなんて。
でもお母様の昔話にびっくりしたわけではなさそうね。
…てっきり、もう気がついてるのかと思ったのに。
なら改めて言わせてちょうだい。
わたくしは、これからの人生をあなたと過ごしたいの。勿論、恋人として、ゆくゆくはあなたの妻としてね。

…もうこんな時間。そろそろお茶の時間も終わりかしら。
ねえ、すぐに答えを出す必要はないわ。
わたくしをよく知ってから結論を出しても、遅くはないはずよ。
そうね…次のお茶会が楽しみだわ。それまでによく考えなさい。いいわね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ワガママお嬢様のティータイム
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
華ノ眼 葉
ライター情報
不定期的に台本を上げます。よろしくお願いします。
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