今話題のブラック企業に勤めている。
今日で三週間連続出勤だ。
さらに、昼間働いたにもかかわらず深夜にも呼び出されてしまう。
仕方ないから向かうしかない。
会社に向かうために拾ったタクシーの運転手であるお姉さんに
少しだけ寝ていくことを提案される。
その言葉に甘えて睡眠をとり、目を覚ますと。
そこは全く知らない場所だった。
そういうお話。

『＿』：他の登場人物が喋っている想定の間
『・・・』：その他の間


あくまで目安なので思い思いにやってほしいです。





はい、どうぞ。
お兄さん、どちらまでですか？
はい。わかりました。

・・・お兄さん。こんな夜中にビル街に向かうなんて、夜勤なんですか？
え？急な呼び出し？昼間も働いたのに？

もしかして・・・ブラック企業ってやつですか？
うわあ、大変ですね。

＿え？三週間連続出勤？
いや、絶対おかしいですよ。倒れちゃいますって。
人は休まないと死んじゃう生き物なんですから。

・・・バックミラー越しだからしっかりとは見えませんけど、それでもやつれているというのはわかりますよ。
なんとか休みをとれないんですか？

＿そうですか。上司が、ね。

・・・あいつ、消すか。（ぼそっと）

・・・ああ、いや。なんでもないですよ？なんでも。
まあ、着くまでもう少し時間ありますし、寝ていったらどうですか？

＿はい。着いたら起こします。
あまり揺らさないように運転しますから、ゆっくりして行って下さい。
それじゃあ、おやすみなさい。

～場面転換～お姉さんの家

ああ、起きましたか。
ご飯できてますよ。食べられそうです？

＿え？ここは私の家ですよ。
ぐっすり眠っていましたし、運ばせてもらいました。

＿起こす約束？・・・さて、そんな約束しましたかね？
ちょっと、どこ行くんですか。

会社？今からですか？
もうお昼ですよ。それに、ここからじゃ時間かかりますよ？
今から会社に向かったとしても、最短で五時間はかかるでしょうね。
夜な夜な運転してここまで連れてきたんですから、当然です。
潔く諦めてください。

＿え？私の仕事？
・・・まだ、私がタクシー運転手だと思ってるんですか？
お兄さん、本当に判断力が鈍ってたんですね。
まあ、知ってましたけど。

最近のタクシーは、運転席のところに名刺を置くのが普通です。
それをしていないのは、本当はタクシー運転手じゃない人くらいでしょうね。

次からは気を付けてくださいよ？
私がいい誘拐犯だったからよかったものの、悪い誘拐犯だったら今頃安全は確保されてませんから。

タクシーは一時的にお借りしただけです。後でしっかりと返しますから、安心してください。
あ、制服も返さないと、か。

＿どうしてこんなことをしたのか、気になります？
そうですね・・・。話してあげます。

一か月前、出張があったのを覚えていますか？
・・・あ、その様子、思い出してくれたみたいですね。
そうです。私は一か月前、駅であなたに助けてもらいました。

貧血気味で、うずくまっていたときです。
周りの人が無視して通り過ぎていく中、あなただけが私に声を掛け、医務室まで運んでくれました。

お礼を言いたかったのですが、あなたは足早に去ってしまい、その機会が訪れず。
もう会うこともないのかな、なんて考えていたんですが、日に日にあなたに会いたくなって。

見つけ出すのに一か月かかってしまいましたが、やっとこの状況に持ち込めました。

（若干雰囲気を変えるとよい）
ねえ。あんな上司がいる会社なんか辞めて、私と一緒に暮らそう？
私、こう見えて収入も貯金もあるの。

使い道がなくて貯まっていったんだけど、全部君に使ってあげる。
君は何もしなくていいよ。

その代わり、ただ、ただ私を愛して。

無条件に、何の疑いもなく。無償の愛を私に注いで。
そうすれば、今の苦しみから解放して、気持ちのいいことだけできる人生にしてあげる。

＿ふふ。いいの？そんな簡単に頷いちゃって。
初めからあなたに選択権はないけど、もうちょっと悩んでもいいんだよ？

そう。それじゃあ、契約成立だね。

ひとまず今日は・・・。
初めての混ざり合い、しちゃおっか。

・台本（ゆるボイ！）
【ヤンデレ】タクシー運転手のお姉さんに拉致された
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ありまびぃばぁ