休日は１日のほとんどをベッドで寝て過ごす彼女と、かまってほしいあなたのお話。

※SEは必須ではありません。


んんー…んぅ…

んぇ…？なにぃ？


ふぁーあ…(あくび)
もうお昼、って…それがどうしたの？

私は起きませーん。
だって今日お休みの日だよ？



なんで起こすのよぉ…

せっかく気持ちよく寝てたのに。
…はぁ。(ため息)



え？
せっかくの休みにごろごろしてるのはもったいない？

わかってないなぁ。
それがしあわせなんじゃーん。

この、時間に縛られない感じ。
本能のまま、動かず、何もせず、ただ眠るだけ。

これ以上にしあわせなこと、ある？


ってことで、おやすみぃー。



すー…すー…ん、…(寝息)


んなぁぁっ…なんで抱き枕取るのー？
ひどい…

私それがないと眠れないのに…

ゔー…返して。
怒るよ？




もー！やだやだやだ！
[足をバタバタさせる音]


君、嫌い。



えー？君が代わりに抱き枕になるの？

ははっ、君前にも同じこと言って私の腕の中に入ってきてさー。
私が抱き枕にしてるみたいに、脚も絡めてぎゅーってしたら、君の心臓の音がうるさくて眠れなかったもん。
すーぐ体温も上がっちゃうし。



だから、お断りしまーす。



(彼女の右隣に仰向けに寝転ぶ)
[ベッドに倒れ込む音]



んー？
君も寝るの？

…寝ないの？ふーん…

どっちでもいいけど、私の抱き枕返して。
もうない？


いやいやいや、なくないでしょ。
え？投げたの？


私の大事なパートナーくんを？
なんて残酷な…


取ってきて。
私？私はここから動きたくないもん。

だから君が取ってきて。
そもそも君が投げたんだから、君が取ってくるべき。



絶対嫌、って…
もー、なんでそんなに頑ななの。



ねーぇー、取ってきてよぉ。
取ってきてくれないなら……こうしてやるー。



(左耳指かき開始、最初は爪で掻くイメージ)
んー、カリカリカリカリカリ。


(以降、指耳かきしながら)
ぐりぐり、ぐりぐりー。

ね、なんで今日そんなにいじわるなの？
もしかして拗ねてる？


あー…ふふっ、かまってほしかったんだ？


ごめんねぇー。
彼氏より睡眠を取る彼女で。


でもぉ…やっぱさ、寝るのが一番しあわせなんだよねー、私にとっては。
君とイチャイチャするのも好きなんだけどねー…

睡眠の誘惑には勝てないっていうかー…平日は一応ちゃんとしてるわけだし、休日こそ寝られるだけ寝ておきたいっていうかー。


君だって、私が何よりも睡眠を愛してることを知った上で、告白してきたんでしょ？


ふっ。(左耳ふー、短く吹くイメージ)




ふふ、顔も耳も真っ赤だね。
かーわい。


耳、触られるの好きなんだ？
それとも、私に触られるならどこでも好きなのかな？

よし、おしまーい。
(左耳指かき終了)


んね、抱き枕、取ってくる気になった？

ならないー？
はぁーぁ…(ため息)



っ、ちょ、すとっぷすとっぷ。
代わりに変な気起こすの、やめてもらっていいですか？

もぉー、私はただゆっくり寝たいだけなのにー。
君、わがままだよ？



ん？
反対の耳もやってくれたら取ってくる？

えー…めんどくさいなぁ。
無駄な体力消耗したくないんだけど…



うー…動きたくない、でも抱き枕はほしい…


もうっ、わかったよ。
じゃあ、場所交換しよ。
はい、反対側に寝転んでー。
[衣擦れの音]



じゃ、触るよー？
(右耳指かき開始、以降指耳かきしながら)

カリカリー…んー…
君が嫌がると思って耳いじったんだけどなぁ。

まさかこういうのが好きだったとは。



君に好きだって言われて、流されるまま付き合って。
気づいたら一緒に暮らしてて。
結構長いこと君といるけど、まだまだ知らないことってあるんだねー。


ん？ふふ、大丈夫。
今は君のことちゃんと好きだし、君が私のどこを好きになったかもわかってるつもりだよ。



ほら、私ってこんなんでしょ？
いっつも寝てるし、外出るの嫌いだし、人見知りもすごいから。


だから君が初めて話しかけてきた時も、正直めちゃくちゃ警戒してた。
なにこの人、こわい、って思って。



まさか私がカフェで居眠りしてる姿に一目惚れする人がいるとはねー…
え？しあわせそうな寝顔が可愛かった？

ふっ…君ってほんと変わってるよねぇ。



けど不思議と、君といるのが苦じゃなかったんだよね。
ゆっくり時間が流れていく感じが、なんだか落ち着くなぁって。

そんな人に出会ったのは初めてだったから…だから今も君と一緒にいるんだよ。
(右耳指かき終了)



ふーーー。(右耳ふー、長め)

(耳元で)
これからも、よろしくね？




ふふっ、ビクってなったね。


…あ、待って、行かなくていいよ。
うん、今日はあの子いらないや。


やっぱりー、君を抱き枕にして寝ることにしましたぁ。



ぎゅーーー。

んー、抱き枕にはない高い体温も…冷房が効いてるこの部屋で寝るには、ぴったりかもね。


おやすみ…次に起きたら、またイチャイチャしよーね…



すーすー…(寝息でフェードアウト)

・台本（ゆるボイ！）
ナマケモノ系ダウナー彼女の指耳かき
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ミフジ