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【ヤンデレ】呪いにかかって失踪した知り合いの女性が何故か頭から離れず、一人で洞窟まで探しに行ったら…
written by Cybistar
  • ヤンデレ
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  • 呪い
  • 洞窟
公開日2023年03月19日 21:00 更新日2023年03月21日 01:06
文字数
2381文字(約 7分57秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
呪いにかかって失踪した地味な女性
視聴者役柄
何もかもが上手くいっている男性
場所
ファンタジー世界
あらすじ
家族、友人、恋人、その全ての人々と関係が上手く行っている順風満帆な人生を送るあなたと、対象的に暗く地味でやや孤立気味な知り合いの女性。あなたは彼女が呪いにかかってどこかへ姿をくらましたという噂を耳にした後、それまでただの知り合い程度だった筈が何故か彼女のことが頭から離れなくなり、自力でその居場所を探し出した。そしてついに、とある洞窟の中に彼女がいるのを見つけたのだが…
本編
【とある洞窟】

[SE:あなたの足音]

あっ……あなたは!
待って!
そこで止まって!

どうしてここがわかったの…?
呪いにかかったことは知っていても、居場所までは私は誰にも言ってない筈…

……そ、そう
でも、この中には入って来ないで
あなたにも見えているでしょ?
…この洞窟全体に広がる、禍々しい闇のオーラが

自力で私を探し出してくれたのは嬉しいけれど、あなたのことを巻き込みたくないの
こうなってしまったのは、全て私自身の責任だから
関係のないあなたまで、呪いにかかる必要はないわ

……いいえ
あなたと私が仲が良いとか、普段からよく一緒に過ごしていたとか、それとこれとは別問題
私のことは忘れて、早く立ち去って
その方が、お互いのためになるから

…やせ我慢なんて……してない!
私はただ、事実を言っているだけ
この呪いは……他人を貶めようとした私が受けるべき罰なの
人を呪わば穴二つ、って言うでしょ
誰かを呪いにかける時は、自分にもそれが跳ね返ってくるリスクがある
私もそれを承知である人に呪いをかけた……いや、かけようとした

でも、結果は見ての通り
魔術に関する技術も経験も全くの素人だった私は呪いをかけることに失敗し、代わりに自分が悪霊達に体を蝕まれることとなった…

この腕を見て
ほら……もう精気を吸い取られて、肘の辺りまで真っ黒になってる
今はまだ動かないだけで済んでいるけど、そのうち私の意思とは関係なく、悪霊によって好き勝手に操られてしまうでしょうね

あなたもこうなりたくなかったら、大人しくこの場所を離れて、もう二度と近づかないで

……呪いをかけようとした相手?
それはっ……言えない
ごめんなさい
こんな姿になってまで言うことではないのだろうけど……私が呪いをかけようとしていたことは、なるべく誰にも知られたくないの

…でも、安心して
その相手には、何の不幸も降り掛かっていないから
私がこうして、誰もいない洞窟で悪霊の呪いに苦しんでいるのが何よりの証拠
その人は今も、そしてこれからもずっと健やかに実りのある暮らしを送っていくのでしょうね

……慰めなんていらないわ
妬み、嫉み、やっかみ……そういう醜い感情に心を支配された人間は、体まで醜くなるのが運命なのよ
私のような愚かで醜い人間さえも気にかけてくれるあなたなら、悪霊達ですらその体を蝕むことを躊躇うと思うわ
ほら、早く背を向けて帰って

[SE:あなたが洞窟内に足を踏み入れる]

ちょっと!
あなた、自分が何をしているのかわかっているの?
……どうして!?
この中に入って悪霊達のオーラに触れたら、あなたの体もこうなってしまうのよ!

あなたの気持ちは十分伝わった
私はもう未練なくこの世を去ることができるし、あなただって自分がやれる限りのことはやった
それでいいじゃない!

……あーっ、もう!
私が呪いをかけようとしていたのはあなた!
周囲の人から好かれていて、生きているだけで楽しそうなあなたが羨ましくて仕方なかったの!
ほら、これで私のことを助けたいだなんて思えなくなったでしょう?

今ならまだ間に合うかもしれない
すぐにその足を引っ込めて、一刻も早くこの場から離れて!
お願い!

……なんで
なんで、入ってきちゃうの
どうして、私の言うことを聞いてくれないの?

っ!
は、離して!
私に触らないで

……嘘じゃない
私が呪いをかけようとした相手は、あなただった
あなたは、信頼できる仲間も、心の温かい家族も、愛情を注ぐ恋人も……何もかもを持っていた
私みたいなただの知り合い程度の存在が一人いなくなったところで、あなたの人生にとってなんの影響もないでしょう?
それなのに、いったいどうして……私に拘るの?

……わからないって、そんな訳ないでしょう
これだけ私が拒絶しても、呪いにかかる危険を顧みずに近づいて来て、洞窟から引っ張り出そうとするなんて…
何か理由がある筈よ
……少し前から私の姿が脳裏に焼き付いて、ずっと私のことしか考えられなかった?

……そう

……ふっ
くっ、ふふ……ひひひっ
はははははっ!

やった……ついに、ついにこの時が来た!
これでついに、あなたが私だけのものになったんだ!

はっ、はははっ!
……あれ?急に顔が強張っちゃって、どうかしたの?

……ううん、嘘じゃないよ
さっきも言ったでしょ?
私が呪いをかけたのはあなた
ただし、呪いは成功して私にはなんのダメージも無いけれど

……あー、この腕?
これは塗料だよ
指でこすると…ほら!
元の健康な白い肌になったでしょ?
最初は炭を塗ろうと思ってたけど、匂いでバレそうだったから
少し高いけど、高級な黒い塗料を使ったのよ

ふふ……
私はね、あなたに「私のことしか考えられなくなる呪い」をかけたの
でもあなたは芯の強い人だったから……恋人や家族を裏切らないように、必至で自分の感情を抑え込んでいた
そこで私は、もう一つ呪いをあなたに重ねてかけることにした

それは……永遠に私の命令に従う呪い
ただし、その為にはあなたを直接魔法陣の中に入れる必要があったの

でも、ただあなたを呼び出すだけだとその足取りや私と会う約束をしていたことが周りの人にわかってしまうでしょ
何よりも、あの恋人があなたを一人で私に会わせるわけがない
だから、自分が呪いにかかったふりをして誰も知らない暗い洞窟の中に魔法陣を作り、あなたをおびき出したって訳

……今更地面を見たってもう遅いわ
呪いの効果は日を追うごとに強くなっていくとは言うけれど、正直あなたが本当にここまで来てくれるか心配だった
でも、こうしてちゃんと私を探し出してくれたし、洞窟の入口で再三警告しても自分からこちらへ来てくれた
あなたはもう、完全に私の呪いにかかったの

だからこうやって……腕を組んで、抱き締めたりしても、抵抗するどころか嫌だと叫ぶことすらできない
むしろ、大好きな私に迫られて喜んでいるように見えるわ

ふふ……
今までのあなたは綺麗で生き生きとした世界の住人だったけれど…
これからは、この暗闇で私のパートナーとして生涯を共に過ごすの

さあ、体を楽にして私に従って
二人で一緒に落ちていきましょう

どこまでも暗くて深い、闇の底まで……


――END――
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【ヤンデレ】呪いにかかって失踪した知り合いの女性が何故か頭から離れず、一人で洞窟まで探しに行ったら…
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
Cybistar
ライター情報
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