- 耳かき
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- 看病
- 敬語
- マッサージ
- アンドロイド
公開日2024年01月15日 18:57
更新日2024年01月15日 19:18
文字数
2744文字(約 9分9秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
遺跡で稼働する古代の女性型アンドロイド
視聴者役柄
冒険者(性別どちらでも可)
場所
遺跡の奥にある古代文明の建造物の一室
あらすじ
遺跡探索をしていたはずの冒険者は指耳かきの音で目が覚める。
目の前にいるのは自分を膝枕して指で両耳をマッサージし続けるアンドロイド。
アンドロイドに事情を聞くと、冒険者が崖から転落したため施設の中に運び介助していたという。
冒険者は耳かきを止めて欲しいと言うが、アンドロイドはマスターを助けるためだと言い張ってやめてくれない。
さんざん冒険者の両耳を指耳かきし続けて気が済んだアンドロイドは、空腹の冒険者のため食事を取りに行くのだった。
目の前にいるのは自分を膝枕して指で両耳をマッサージし続けるアンドロイド。
アンドロイドに事情を聞くと、冒険者が崖から転落したため施設の中に運び介助していたという。
冒険者は耳かきを止めて欲しいと言うが、アンドロイドはマスターを助けるためだと言い張ってやめてくれない。
さんざん冒険者の両耳を指耳かきし続けて気が済んだアンドロイドは、空腹の冒険者のため食事を取りに行くのだった。
本編
(遠くから鳥の鳴き声)
(薄手袋による指耳かきの音が左右から聴こえ続ける)
(小さな声)
——保護対象者の覚醒の兆候を確認。
(大きくなった声)
——覚醒を確認しました。
私が見えていますか?
身体機能に問題はないはずですが——念のため私に目を合わせてください。
——脳の正常な活動を確認しました。
初めまして。私は登録名エヌエヌ。
この場所の管理を任されているアンドロイドです。
あなた様の素性をお聞きしてもよろしいでしょうか?
……冒険者。森の奥深くにある遺跡を探索にやって来た……少々お待ちください。検索します。
——該当する職業がありません。歴史学者のようなものでしょうか?
また、ここは遺跡ではありません。第29環境保存シェルター、その居住区画です。
……魔法で動くゴーレムの女の子?私のことでしょうか?
魔法とは何でしょう?私はアンドロイドであり、動力源はバッテリー充電式電力です。
————申し訳ありません。あなた様の使う単語は私には理解しづらいようです。
ここはとても長い間、人類の文明から隔絶されていますから……。
——それと、あなた様のことは「マスター」と呼んでもよろしいでしょうか?
私のプログラムによると、保護対象の人間はそう呼ぶことになっているようです。
……ありがとうございます。
ではマスター、あなた様がここにいる経緯を——
……はい。それよりも、なんでしょうか?
……なぜ膝枕しながら両耳に指を突っ込んでいるのか?
——ご説明します、マスター。
私の機体のデータによると、弱った状態にある人間は膝枕およびマッサージが効果的である、とあります。
そのため、マスターをベッドに寝かせて膝枕をさせて頂きました。
また、意識不明時に体の各所をマッサージしたところ、耳のマッサージが最も幸福度が高く検知されました。
そのため、こうやってマスターの両耳をマッサージしているのです。
……なんか異常に気持ちいいからやめて欲しい?
——気持ちいいというのはよいことではないのでしょうか?
……どれぐらい続けている、ですか?
意識不明が長く続いていたので、生命維持をしつつ、
5日ほどこのマッサージを続けて、幸福度が上がるよう指の動きを調整し続けています。
……勝手に耳を開発された?
——はあ。耳で何かを作成したりはしておりませんが……。
炎症などを起こさないよう、柔らかい素材で指先を包んであります。
健康上何も問題はありませんので、ご安心ください。
……とりあえずやめてほしい、と……。
————マスター、申し訳ありませんがそれは出来ません。
マスターの幸福度は未だ低い状態にあります。
幸福度が十分に上がって衰弱から回復したと判定されるまで、マッサージを続けなければなりません。
マスターの肉体も覚醒したばかりで、活動するのに十分とは言えません。
……ほら、手足を動かすのに支障があるでしょう。
——そこの大きな窓の外、崖の上の光が見えますか?
マスターはあそこから約50メートル転落されたのです。
幸い下は湖でしたが、途中の岩に全身を打ち付けて肉体の約50%に損傷を負いました。
外で施設の整備をしていた私が発見し、マスターを発見して施設内に運んだのです。
施設内の設備で肉体の修復はすぐに完了しましたが、修復したばかりで運動機能は十分に戻っていません。
……古代の回復魔法——やはりマスターの単語は理解が難しいです。
私が膝枕と両耳のマッサージをしていますので、今日はマスターは安静にしていてください。
(突然口調が変わる)
——お耳気持ちいい?マスター♡私がこうやってぇ……ずーっと気持ち良くしててあげるからね♡
(口調戻る)
……失礼しました。何か言語機能が誤作動したようです。
——マスターの幸福値が上がったのを確認しました。
……さっきの喋り方を再現した方がいいでしょうか?
いらない?では、このままで。
(しばし無言)
——…………申し訳ありません。私の介助ではマスターには不足かも知れません。
——私は本来、この施設用の正規アンドロイドではないのです。
恐らく緊急だったのでしょう、別の用途で造られた私が整備用として配備されることになりました。
エヌエヌという登録名は製造時の名称の名残だと、記録にありました。
私は人型をしていても……人間と交流するように調整されていないのかもしれません。
……介助自体は問題ない、安心した?……ありがとうございます。
人間の助けとなることができて、私も……「嬉しい」、という感情が働いています。
……製造時の名称ですか?
——「ニャンニャンドロイド ご主人様の夜のお世話も私にお任せエディションVer.4.1」です。
……マスター、どうされましたか?
……変な気持ちになりそうだからやっぱりマッサージをやめて欲しい?
それは出来ないと言ったはずです。幸福度が一定以上にならないといけません。
ですが——そうですね。マスターの望みも叶えるのがアンドロイドの仕事です。
(指の動きが変わり、激しめの動きが入るようになる)
——こうやって指の動きを調整することで、マスターの幸福度を上げることが出来ます。
非覚醒時は強い刺激を避けていましたが、マスターが起きている今なら幸福度の上昇を優先できます。
——幸福度の上昇を確認できました。このまま続けていきましょう。
……もう少しゆっくり?マスター、我慢してください。
マスターをこの状態から解放するためです。
それに、マスターの表情からも幸福を示す数値が出ています。
間違っても肉体を傷つけないよう、CPUをフル稼働させて繊細な調整を施しております。
……そうじゃなく、気持ち良すぎるから?
気持ちがいいというのは幸福度が上がっているということです。
ご安心ください、とてもよい傾向です。
(突然口調が変わる)
——マスター♡、お耳触られるのとーっても気持ちよくなっちゃってるねー♡
マスターの快楽度がどんどん上がってるよぉ♡
エヌエヌにぜーんぶ、任せてね♡
(口調が戻る)
……大変失礼しました、マスター。再び言語機能が誤作動したようです……。
後ほどメンテナンスをして、このバグを直しておきます。
耳のマッサージに問題は起きていませんのでご安心を。
——マスターの幸福度は順調に上昇しています。
もう少しの辛抱です、マスター。
(指耳かき終わり。耳から両手が離れる。)
——十分な幸福度を確認しました。マッサージを終了します。
マスター、体調の悪い所などはございませんでしょうか?
……それは良かったです。
(膝が頭の下から離れる擦れ音)
——では膝も失礼します。
(声が耳元から離れる)
マスターの健康状態を確認したところ、空腹の兆候があります。
……はい。保存食料は十分にありますので、ただいまお持ちいたします。
マスターの運動機能が完全に戻るにはまだ数日かかります。
ですから今は、マスターはそのベッドで横になっていてください。
…………よろしく、ですか?
はい。お任せを。
こちらこそよろしくお願い致します、マスター。
(薄手袋による指耳かきの音が左右から聴こえ続ける)
(小さな声)
——保護対象者の覚醒の兆候を確認。
(大きくなった声)
——覚醒を確認しました。
私が見えていますか?
身体機能に問題はないはずですが——念のため私に目を合わせてください。
——脳の正常な活動を確認しました。
初めまして。私は登録名エヌエヌ。
この場所の管理を任されているアンドロイドです。
あなた様の素性をお聞きしてもよろしいでしょうか?
……冒険者。森の奥深くにある遺跡を探索にやって来た……少々お待ちください。検索します。
——該当する職業がありません。歴史学者のようなものでしょうか?
また、ここは遺跡ではありません。第29環境保存シェルター、その居住区画です。
……魔法で動くゴーレムの女の子?私のことでしょうか?
魔法とは何でしょう?私はアンドロイドであり、動力源はバッテリー充電式電力です。
————申し訳ありません。あなた様の使う単語は私には理解しづらいようです。
ここはとても長い間、人類の文明から隔絶されていますから……。
——それと、あなた様のことは「マスター」と呼んでもよろしいでしょうか?
私のプログラムによると、保護対象の人間はそう呼ぶことになっているようです。
……ありがとうございます。
ではマスター、あなた様がここにいる経緯を——
……はい。それよりも、なんでしょうか?
……なぜ膝枕しながら両耳に指を突っ込んでいるのか?
——ご説明します、マスター。
私の機体のデータによると、弱った状態にある人間は膝枕およびマッサージが効果的である、とあります。
そのため、マスターをベッドに寝かせて膝枕をさせて頂きました。
また、意識不明時に体の各所をマッサージしたところ、耳のマッサージが最も幸福度が高く検知されました。
そのため、こうやってマスターの両耳をマッサージしているのです。
……なんか異常に気持ちいいからやめて欲しい?
——気持ちいいというのはよいことではないのでしょうか?
……どれぐらい続けている、ですか?
意識不明が長く続いていたので、生命維持をしつつ、
5日ほどこのマッサージを続けて、幸福度が上がるよう指の動きを調整し続けています。
……勝手に耳を開発された?
——はあ。耳で何かを作成したりはしておりませんが……。
炎症などを起こさないよう、柔らかい素材で指先を包んであります。
健康上何も問題はありませんので、ご安心ください。
……とりあえずやめてほしい、と……。
————マスター、申し訳ありませんがそれは出来ません。
マスターの幸福度は未だ低い状態にあります。
幸福度が十分に上がって衰弱から回復したと判定されるまで、マッサージを続けなければなりません。
マスターの肉体も覚醒したばかりで、活動するのに十分とは言えません。
……ほら、手足を動かすのに支障があるでしょう。
——そこの大きな窓の外、崖の上の光が見えますか?
マスターはあそこから約50メートル転落されたのです。
幸い下は湖でしたが、途中の岩に全身を打ち付けて肉体の約50%に損傷を負いました。
外で施設の整備をしていた私が発見し、マスターを発見して施設内に運んだのです。
施設内の設備で肉体の修復はすぐに完了しましたが、修復したばかりで運動機能は十分に戻っていません。
……古代の回復魔法——やはりマスターの単語は理解が難しいです。
私が膝枕と両耳のマッサージをしていますので、今日はマスターは安静にしていてください。
(突然口調が変わる)
——お耳気持ちいい?マスター♡私がこうやってぇ……ずーっと気持ち良くしててあげるからね♡
(口調戻る)
……失礼しました。何か言語機能が誤作動したようです。
——マスターの幸福値が上がったのを確認しました。
……さっきの喋り方を再現した方がいいでしょうか?
いらない?では、このままで。
(しばし無言)
——…………申し訳ありません。私の介助ではマスターには不足かも知れません。
——私は本来、この施設用の正規アンドロイドではないのです。
恐らく緊急だったのでしょう、別の用途で造られた私が整備用として配備されることになりました。
エヌエヌという登録名は製造時の名称の名残だと、記録にありました。
私は人型をしていても……人間と交流するように調整されていないのかもしれません。
……介助自体は問題ない、安心した?……ありがとうございます。
人間の助けとなることができて、私も……「嬉しい」、という感情が働いています。
……製造時の名称ですか?
——「ニャンニャンドロイド ご主人様の夜のお世話も私にお任せエディションVer.4.1」です。
……マスター、どうされましたか?
……変な気持ちになりそうだからやっぱりマッサージをやめて欲しい?
それは出来ないと言ったはずです。幸福度が一定以上にならないといけません。
ですが——そうですね。マスターの望みも叶えるのがアンドロイドの仕事です。
(指の動きが変わり、激しめの動きが入るようになる)
——こうやって指の動きを調整することで、マスターの幸福度を上げることが出来ます。
非覚醒時は強い刺激を避けていましたが、マスターが起きている今なら幸福度の上昇を優先できます。
——幸福度の上昇を確認できました。このまま続けていきましょう。
……もう少しゆっくり?マスター、我慢してください。
マスターをこの状態から解放するためです。
それに、マスターの表情からも幸福を示す数値が出ています。
間違っても肉体を傷つけないよう、CPUをフル稼働させて繊細な調整を施しております。
……そうじゃなく、気持ち良すぎるから?
気持ちがいいというのは幸福度が上がっているということです。
ご安心ください、とてもよい傾向です。
(突然口調が変わる)
——マスター♡、お耳触られるのとーっても気持ちよくなっちゃってるねー♡
マスターの快楽度がどんどん上がってるよぉ♡
エヌエヌにぜーんぶ、任せてね♡
(口調が戻る)
……大変失礼しました、マスター。再び言語機能が誤作動したようです……。
後ほどメンテナンスをして、このバグを直しておきます。
耳のマッサージに問題は起きていませんのでご安心を。
——マスターの幸福度は順調に上昇しています。
もう少しの辛抱です、マスター。
(指耳かき終わり。耳から両手が離れる。)
——十分な幸福度を確認しました。マッサージを終了します。
マスター、体調の悪い所などはございませんでしょうか?
……それは良かったです。
(膝が頭の下から離れる擦れ音)
——では膝も失礼します。
(声が耳元から離れる)
マスターの健康状態を確認したところ、空腹の兆候があります。
……はい。保存食料は十分にありますので、ただいまお持ちいたします。
マスターの運動機能が完全に戻るにはまだ数日かかります。
ですから今は、マスターはそのベッドで横になっていてください。
…………よろしく、ですか?
はい。お任せを。
こちらこそよろしくお願い致します、マスター。
クレジット
ライター情報
ファンタジー系ASMRが好き。
耳かきしながらずっと話してるタイプの作品が好きなので、文章長くなりがちです。
pixivにも同じ内容で投稿しています。
耳かきしながらずっと話してるタイプの作品が好きなので、文章長くなりがちです。
pixivにも同じ内容で投稿しています。
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