- 告白
- ファンタジー
- 純愛
- お姫様
- ヤンデレ
- 切ない
公開日2021年07月21日 23:26
更新日2021年07月21日 23:26
文字数
1578文字(約 5分16秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
執事
視聴者役柄
姫
場所
お城の一室
本編
本編
控えめなノックの音
「失礼いたします、姫様」
「どうですか? あれから、お体の具合は?」
「……そうですか、まだ……優れませんか。それは、心配です……」
「ですから、私は……王子の気まぐれには付き合わない方が良いと言ったのです」
「あの方は……まだ、子供ですから。身体は大きくても、頭はまだ成長途上なのです。思い付きで行動を起こす、それに他者を巻き込む。迷惑など考えずにただ自分だけの快楽を求めて……っ」
平手打ちの音
「……お止めなさるのですね? 姫様……確かに出すぎたことを申しました。お許しください」
「しかし……あなた様お付きの執事であるこの私の気持ちは知って頂きたいのです!」
「あの方は……聡明で美しい、純白の花が何より似合う姫様に相応しくありません」
「姫様……この国の制度は、知っておられますよね?」
「貧民から王妃にまで昇りつめた初代王妃……彼女の残したガラスの靴は代々受け継がれることとなり、この靴が合うものを平民から王族へと向かえるのが伝統となった……」
「いわば、姫様がここに居るのは……ただのゲン担ぎに過ぎないのです」
「王子は……姫様を愛しておりません」
「私は……あんな男に姫様が嫁がれるのが我慢ならないのです」
「……本当に……我慢、ならないのです」
「姫様……あなたは、本当にこのような生活が送りたかったのですか?」
「このような……一見煌びやかに見えるけれど、蓋を開ければどこよりもドロドロに腐っていて汚い……臭気を感じるような最低の場所に」
「私は……姫様には、こんな場所よりも、あの場所の方が似合っていると思います」
「明るく、楽しく……笑いながら生活をしていた、ただの宿屋の娘でしかなかった、あの場所が」
「姫様……こんなこと、言うものではないとお叱りになられるでしょうが……あえて言わせていただきます」
「ここに、あなたの幸せはありません」
「シンデレラは……王子に見初められて幸せになった……しかし、御伽噺にその幸せなお話が描かれていないのは何故ですか?」
「……幸せに、なれなかったからではないですか?」
「私は……とても、心配なのです」
「何よりも……あなたの身が、心配なのです」
「あなたは……ガラスの靴に選ばれ、姫として王族へ迎え入れられた。しかし、それは……マナーも何も知らない状態でそれを強要される場に放り込まれるということ」
「未だに苦しくて辛いレッスンの毎日ではないですか?」
「王族としての勉強も積んではきましたけれど……断言します」
「このままでは、いいように使われるだけです。政治目的で、ただ利用されるだけです」
「……姫様」
耳元で
「お願いです。一声、私にお命じ下さるだけで……私が全てを片付けてまいります」
「私が、あなた様をお救いします」
「だからどうか……ご命令を」
「私に……姫様をここから連れ出すよう、ご命令を」
吐息を数回挟み
残念そうに離れて
「……そう、ですか。言っては、くださらないのですね?」
「残念です……」
「姫様……私は、ずっとあなたを見てきました」
「あなたが、ガラスの靴に選ばれ王族となられる以前……宿屋で明るく楽しく働いているときから」
「今のあなたに、その時の笑顔が見られません……貼り付けたような、哀しい作り笑顔を見るのは、もう嫌なのです」
「……そうですね。だから、私は執事となった」
「私は、あなたを追いかけてこの城にやってきたのですよ?」
「あなたを……取り戻すために」
「命じて下さらないというのなら、仕方ありません」
「私は……私の意志の元で、あなたをお救い致します」
「あなたを……このまま王妃になどさせません。王子になど……絶対にくれてやりません」
耳元で
「愛しております……ずっと以前、宿屋で初めて会ったときからずっと」
「大好きです、こんなところまで……追いかけてくるほどに」
離れて
「では、行ってまいります」
「今日がこの国の命日となるでしょう。あなたを手に入れるために……全てを終わらせてきます」
「何もかもが終わったら……一緒に、宿屋を開きましょう?」
囁き
「私の全てを賭けて……あなたを幸せにしてみせますから、ね?」
控えめなノックの音
「失礼いたします、姫様」
「どうですか? あれから、お体の具合は?」
「……そうですか、まだ……優れませんか。それは、心配です……」
「ですから、私は……王子の気まぐれには付き合わない方が良いと言ったのです」
「あの方は……まだ、子供ですから。身体は大きくても、頭はまだ成長途上なのです。思い付きで行動を起こす、それに他者を巻き込む。迷惑など考えずにただ自分だけの快楽を求めて……っ」
平手打ちの音
「……お止めなさるのですね? 姫様……確かに出すぎたことを申しました。お許しください」
「しかし……あなた様お付きの執事であるこの私の気持ちは知って頂きたいのです!」
「あの方は……聡明で美しい、純白の花が何より似合う姫様に相応しくありません」
「姫様……この国の制度は、知っておられますよね?」
「貧民から王妃にまで昇りつめた初代王妃……彼女の残したガラスの靴は代々受け継がれることとなり、この靴が合うものを平民から王族へと向かえるのが伝統となった……」
「いわば、姫様がここに居るのは……ただのゲン担ぎに過ぎないのです」
「王子は……姫様を愛しておりません」
「私は……あんな男に姫様が嫁がれるのが我慢ならないのです」
「……本当に……我慢、ならないのです」
「姫様……あなたは、本当にこのような生活が送りたかったのですか?」
「このような……一見煌びやかに見えるけれど、蓋を開ければどこよりもドロドロに腐っていて汚い……臭気を感じるような最低の場所に」
「私は……姫様には、こんな場所よりも、あの場所の方が似合っていると思います」
「明るく、楽しく……笑いながら生活をしていた、ただの宿屋の娘でしかなかった、あの場所が」
「姫様……こんなこと、言うものではないとお叱りになられるでしょうが……あえて言わせていただきます」
「ここに、あなたの幸せはありません」
「シンデレラは……王子に見初められて幸せになった……しかし、御伽噺にその幸せなお話が描かれていないのは何故ですか?」
「……幸せに、なれなかったからではないですか?」
「私は……とても、心配なのです」
「何よりも……あなたの身が、心配なのです」
「あなたは……ガラスの靴に選ばれ、姫として王族へ迎え入れられた。しかし、それは……マナーも何も知らない状態でそれを強要される場に放り込まれるということ」
「未だに苦しくて辛いレッスンの毎日ではないですか?」
「王族としての勉強も積んではきましたけれど……断言します」
「このままでは、いいように使われるだけです。政治目的で、ただ利用されるだけです」
「……姫様」
耳元で
「お願いです。一声、私にお命じ下さるだけで……私が全てを片付けてまいります」
「私が、あなた様をお救いします」
「だからどうか……ご命令を」
「私に……姫様をここから連れ出すよう、ご命令を」
吐息を数回挟み
残念そうに離れて
「……そう、ですか。言っては、くださらないのですね?」
「残念です……」
「姫様……私は、ずっとあなたを見てきました」
「あなたが、ガラスの靴に選ばれ王族となられる以前……宿屋で明るく楽しく働いているときから」
「今のあなたに、その時の笑顔が見られません……貼り付けたような、哀しい作り笑顔を見るのは、もう嫌なのです」
「……そうですね。だから、私は執事となった」
「私は、あなたを追いかけてこの城にやってきたのですよ?」
「あなたを……取り戻すために」
「命じて下さらないというのなら、仕方ありません」
「私は……私の意志の元で、あなたをお救い致します」
「あなたを……このまま王妃になどさせません。王子になど……絶対にくれてやりません」
耳元で
「愛しております……ずっと以前、宿屋で初めて会ったときからずっと」
「大好きです、こんなところまで……追いかけてくるほどに」
離れて
「では、行ってまいります」
「今日がこの国の命日となるでしょう。あなたを手に入れるために……全てを終わらせてきます」
「何もかもが終わったら……一緒に、宿屋を開きましょう?」
囁き
「私の全てを賭けて……あなたを幸せにしてみせますから、ね?」
クレジット
ライター情報
ASMR、シチュボ台本を主に書いています。
細かい指定や、指示が書いてあることがありますが、不可能な場合や不明瞭なことがあれば代替あるいは無視してもらっても結構です。
また勢いのまま書き連ねているため誤字や脱字が見られる場合がありますのでご使用の際はお気をつけ下さいますようお頼み申し上げます。
細かい指定や、指示が書いてあることがありますが、不可能な場合や不明瞭なことがあれば代替あるいは無視してもらっても結構です。
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