（夜、日付が変わる頃、彼氏の家のリビングにて）
もう日付変わったね。お誕生日おめでとう～。……よし、今年もわたしが一番に祝えた。それに今日も一日ずっと君と一緒だもんね～？

（からかっているのではなく甘々に褒めている感じで）
……今日生まれたの？　すごいねぇ。……赤ちゃんの何倍生きてるの？　えー、すごいすごいっ、天才だよ！　彼女として誇（ほこ）らしいよっ。

んー？　嬉しいけど、その絡み方はなんなのって……？　それはねぇ、誕生日ってことは生まれたってことでしょ？　生まれたってことは赤ちゃんってことでしょ？　ほら……！（？）

……そうそう、誕生日だから赤ちゃんに対する態度なのってくらいに甘やかしてあげようかなぁって思って。……それだと不満？　欲求不満……？

不満はないんだ？　それじゃあ、おいでー？　ぎゅーってしてあげる。
……ん、ぎゅーっ。今年もお誕生日を祝えて本当に良い子。えらいえらいっ。
君が良い子で、ママはほんとに嬉しいなっ……ふふ、なに？　恥ずかしいからやめてほしいの？　目覚めたくないの？　えー、じゃあ……パパ……？

……ママでパパだったらただの夫婦か。……あ、おっぱいに甘えるのに夢中で聞いてない。……そっか、何かに目覚めないように邪念を振り払ってたんだね、邪念で。……ふふ、ごめんごめん。いっぱい甘えていいよ？　邪念じゃないもんね、純粋に甘えて、ぜーんぶ受け止めてもらいたいんだもんね？

胸で、ぎゅーーっ。……すりすりしてるの？　やわらかくて、安心するんだ？　可愛いねえ。……よしよし。……母性本能がすごいことになっちゃいそうだよ。

……だからっておっぱいは出ません！　……後で確かめてもいいけど。……あれ？　純粋って聞いてたんだけどな……？

…………心臓の音聴いてるの？　聞こえる……？　あっ、でもおなかの音は聞かないでね？　恥ずかしいから。

……でもさ？　君は本当にえらいと思う。君を生きることは、君にしかできないことだし。君が生きててくれるから、わたしは君と一緒にいられるから。感謝してもし足りないよ。

どん底で苦しいときもよく頑張ったね？　わたしもちゃんと知ってるよ。

……なんか真面目なこと言っちゃった。……そう、だから誕生日ありがとうってことだよ……？　……ありがとうっ。大好き。

……えっ？　ちゅーしたくなっちゃったの？　……良いよ？　しよ……？
君の誕生日だから、ケーキより甘いちゅーをしようね。……じゃあ、目を閉じて？

（自分からキスをします。すきは囁（ささや）くように）
……ちゅ。ん……ちゅ、ちゅっ。
……すき。……今年も君が幸せに過ごせますように。おまじないのちゅーだよ。

……ね、もっといっぱいおまじないしよ？　ローソクの数と同じくらい……君をいっぱい感じさせて……？

一緒にねんねするのはまだ先ね……？

・台本（ゆるボイ！）
母性的な彼女と僕の誕生日とおまじない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
白上