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生意気な引きこもり女を無視して更生させるお話
  • 同級生
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
1942文字(約 6分29秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
オタク女
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
昔から貴方が密かに想いを抱き、憧れだった優等生のあの子。しかし突然引きこもりだし、ダメオタク女になってしまった。貴方は毎日通って説得するもまるで聞く耳を持たず。そしてついに貴方は強硬手段に走る……
本編
 あぢぃ~……。

 エアコン全然効かないよぉ~。

 ゲッ、ウーバーじゃフラペチーノたのめねーのかよ。

(扉を開く)

 おっ、やっと来たな君ぃ。

 んじゃあ回れ右してもらって。

 ちょっとコンビニでアイス買ってきてくんない? チョコ系ねチョコ系。

 んあ、ナニコレ?

 ノートの束みたいだけど……。

 あーハイハイ。あたしが休んだ分のね。どうもどうも。

 そんなことよりカード渡すからはよ買ってきて。溶けないようにダッシュねダッシュ。

 へ? “いい加減、学校に来い”……って???

 “みんな心配してる”? “このままじゃ進級できない”? “今からだったらまだ間に合う”?

 もー! うっさいうっさいうっさーーい!

 ムリムリ! 一学期でもう高校行くモチベなくしたし!

 家でゲームしてアニメ見る! 寝る!

 それ以外にエネルギー向ける意味がわからんち!

 ウチは君んとこと違ってお金持ちだし、可愛い可愛い末っ子の娘だからいいの!

 パパは社長。ママは女優。お兄ちゃん達は銀行員で公務員でー……。

 うわっ、あたし完璧ニートスペック過ぎない?

 働かなくても一生養ってくれるじゃんかよ~っ。

 やっば。そのうえ顔もいいから将来的に負けるビジョンが見当たらねぇ。そして着実と進む大人気YouTuber化計画ッ……!

 コワい……自分の勝ち組人生がコワい!

 あっ、ごっめーん☆

 君は両親共働き大家族の長男だったね。(笑)ご愁傷さま。(笑)

 悪いけど、あたし高校なんか行かなくてもその気になれば大学くらい選べるからさ。じあたまも悪くねーし。

 はあ~~~?

 高校でしか得られない経験があるだ~?

 なにそれクサいんですけど。キモ。ウザ。考えふるッ。

 ほらほら、あーだこーだ言ってないでさっさとアイス買いに行く!(手を叩いて煽る)

 んー?

 なんか言った?

 “学校来ないならもう二度と会わない”?

 ……ぷっ。(吹き出す)

 ソレ、困るのそっちでしょ。

 だって君、あたしのこと好きじゃん。

 だから頻繁にウチに通ってきてるわけっしょ?

 言っとくけど、周りの子達も気づいてるからね? 知らなかった?

 うわっ、顔赤くした~! わかりやす~!

 怒った?

 ねえねえ怒った?

 あーん、ごめんて怒んないでよ~。

 あたしがYouTuberになったあかつきには編集スタッフに任命してあげるから、サ。

 お、帰るんだ。

 じゃあこれでおわかれだねー。(適当にあしらうように)

 ……“俺は本気だ”って?

 あっそお。

 わかった。今まであんがとねー。

 バイバーイ♪

(扉を閉める)

 …………。

 …………チッ(舌打ち)。

 別にさー!(大声)

 君じゃなくてもさー!(大声)

 編集スタッフ候補なんていくらでもいるからー!(大声)

~~~
<時間経過>
(カラスの鳴き声、鳩時計のSEなどで)
~~~

【着信音】

(受話器を取る)

 も、もしもし。

 あのっ、えっと息子さんはお家にいますでしょうか……あっ。(ここまで余所行き声)

 なんだよ君じゃん。(いつもの調子へ)

 ライン無視すんなし。君んとこの電話番号調べんの小学生以来だわ。連絡網なつかし過ぎて笑っちゃった。

 2日もあたしと会えなくて寂しかったっしょ~?

 いや……まあさ……あのままじゃ流石にあたしも言い過ぎたっていうかさー。

 “学校”……は行かないけど。(ムスッとしながら)

 そういうつもりで電話かけたんじゃないから。

 学校行かないなら会わないって……ガチ? 本気で言ってた?(動揺して声が震える)

 “電話もやめる”って、ちょ! 待って待って!

 ごめんてば!

 お詫びに、君ん家にギフト沢山送ったからさ!

 ホラ、君っていつもお金渡すと怒るから……油とか洗剤とか……あとお肉! 家族みんなで食べ――

(電話を切る)

【着信音】

【着信音】

~~~
<時間経過>
~~~

【チャイム音】

 ……い、いるんだよね?

 さっき弟くんと会ったよ。お兄ちゃんまだ家にいるって言ってた。

 もう一週間くらい誰とも口聞いてなかったからショタ相手にビビっちゃったぜ。

 さっ最初、うまく声、でなくてさ。

 は、ハハ。

 なんで……返事してくれないの……?

 お願い。せ、制服、着てきたから。一緒に登校しようよ……。

(扉を開ける)

 ……あ。(嬉しげに)

 おは、よ……。

 …………。(気まずそうな息遣い)

 ……え。

 いや、なんで君が謝るんだよ。

 “ごめん”と“ありがとう”って同時に言われても困るわ!

 別に! 別に……いじめられてたとか、そんなんじゃないから。学校なんて行こうと思えばいつでも行けるし。

 ただ……君がいぢわるするから仕方なく……。

 もう会わないとかいうのナシ……ダメ……。

 ずっと……ずっと寂しかったんだからな……。(涙を堪えながら)

 え……た、たったの3日?

 そ、そんなワケない!

 体感的には3ヶ月くらい音信不通って気が……。

 うっ、ううううウルサーーーイ!

 とにかく……はい! 手だして!

 手……つないでじゃないと、学校行きたくない……。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
生意気な引きこもり女を無視して更生させるお話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ゼロフィリアマン
ライター情報
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