0
依存体質なクールアイドル
  • アイドル
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
1386文字(約 4分38秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
アイドル
視聴者役柄
プロデューサー
場所
指定なし
あらすじ
アイドルプロデューサーの貴方。スカウトから始まり、手塩に育てたアイドルがついにセンターに抜擢される。しかし同時に新プロジェクト(新アイドルグループ)を担当することに。それは今の担当を降りることなる。嬉しさ半分、複雑な感情を抱いたまま彼女がいる楽屋へと訪れる……
本編
 すぅー……ふぅー……(深呼吸)。

 あ、プロデューサー。

 いたんだ。ごめん、気づかなくて。

 さっきの選抜発表見てた? って、見てないわけ無いか。

 どう? スカウトした女子高生アイドルがセンター勝ち取った感想は。

 うわ、泣いてんの……?

 やめてよ。私より先に号泣するの。

 はあ……次のインタビューまでとっておいた涙腺枯れちゃった。

 まあ、私らしくていいか。泣くのとか、ガラじゃないっていうか、先輩にあざといとか思われたくないし。

 クールとかじゃないよ。素の状態で感情出すの下手なだけ。

 こんな女がセンターになれたのも、プロデューサーのおかげだよ。ありがとね。

 うん、本当に感謝してる。

 これからも傍で見守ってくれると嬉しいな。

 ……え?

 なに? もう一回言って……?

(担当を変わると告げられる)

 冗談、だよね?(動揺)

 担当変わるってそんな急に……だって今までずっと……。

 そっか。そうなんだ。新グループの方に集中したいから……私はもう、用済みなんだ……。

 だってそういうことでしょ……私に何も言わずにそんなの……。

 嘘つき。

 最後までプロデュースするって言ったクセに。

 ……ッ! 何が違うの!? 

 私にはプロデューサーが必要なのに! プロデューサーは私のこと軽々しく見捨てるんだッ!

 もういい……!

 聞きたくない……!

 早く私のことなんて忘れて、新人の子たちのとこに行ってよ!

 あぁ……そうだ……。

 これから全力であの子達のコト敵視して、潰すね?

 私、本気だから。

 私が本気かどうかなんてプロデューサーならわかってよ。

 ていうか、もうプロデューサーじゃないか。

 敵だ。私の敵。

 許さない……私を捨てたこと、絶対に後悔させるから。一生後悔させる。

 ……ん?

 兼任するから許して欲しいって?

 イヤ。なにソレ。マルチタスクのつもり?

 私のことだけプロデュースしないとイヤ。絶対にイヤ。

 ……とにかく、手塩に育てたアイドルに、可愛い可愛い新人アイドルが壊されるサマ、何も出来ずに見ててね……。

 ふふふっ……。

 …………。

 ………ふぅ。

 てってれー。(棒読み)

 なんちゃってー。(棒読み)

 あー嘘だよ嘘。今のほとんど嘘だから。

 そんなポカーンとしないでよ。はあ、ホント感情豊かなプロデューサーが羨ましい。

 次のドラマオーディションがこんな感じの役なんだ。

 そしたらちょうどいい舞台が整ったから、試してみようかなー……なんて。

 うわうわ、怒らないでって。ごめんごめん。

 でも良かったって? そっか。嬉しい。

 兼任はいいよ。プロデューサーが倒れたりでもして、ウチの事務所が炎上したら大変だし。

 うん。新グループの件、応援してるよ。

 ただライバル同士なのは事実だけどね。手は抜かないからよろしく。

 あと、ちょっと寂しいかな……。

 もう事務所内でしか会えないよね。

 じゃあ一週間おきに電話してもいい? 本当? ありがとう。

 うん。それならなんとか頑張れる。それと写真、新しいの撮ってもいいかな。

 あれ、言ってなかったっけ。

 手帳型スマホにいつもプロデューサーの顔写真入れてるの。

 いや、ドッキリとかそういうのじゃなくて。

 部屋にも飾ってあるし。

 あと声。私を励ます台詞パターン何個か用意して送るから、撮って送ってね。

 だから演技じゃないんだけど。……怒るよ?(不機嫌そうに)

 ん。あ、呼ばれた。

 はーい! 今行きまーす!(営業ボイス)

 ……そういうことだから。

 じゃあまた、後でね。

 私だけのプロデューサー。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
依存体質なクールアイドル
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ゼロフィリアマン
ライター情報
ゼロフィリアマンと申します。
一読していただけたら幸いです。
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
ゼロフィリアマン の投稿台本(最大10件)