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ヤンデレ吸血鬼の妻は鼻が利く
  • ヤンデレ
  • 吸血鬼
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
892文字(約 2分59秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
吸血鬼/妻
視聴者役柄
場所
指定なし
あらすじ
若干古風な吸血鬼の妻を持つ貴方。会社の飲み会の帰り道、死にかけた美女吸血鬼を見つけ、妻がいながらついつい血を与えてしまい……
本編
……むっ。

 遅いぞ。

 私の起床時間に帰ってこいと何度も――

 飲み会……? ハッ、営みの後に宴とは。難儀なものよ。

 まあよい。目覚めの血を所望する。衣(ころも)を脱げ。身を清めよ。酒の匂いがしたら興が醒める。

 それに女の匂いもするしな。

 …………。

 ん?

 どうした?

 顔が青ざめているぞ?

 ふふっ、私との血の契りを忘れたわけではあるまい。

 よいよい。(優しげに)

 多少の秘め事は目を瞑ろう。

 人間の小僧を見初(みそ)め、夫婦(めおと)の関係になったのだ。度量なくして吸血鬼の妻は務まらん。最後に私を愛していればそれでよい。

 もっとも、それは……。

 相手の女が人間であればの話だがなァ。(語気強く)

(バッと胸ぐらを掴み、引き寄せる)

 なんだこの首の噛み跡は。

 よもや貴様、私以外の吸血鬼に血を与えたか。

 答えろ。

 なに? ……死にかけてた?

 なるほど。

 飢えた吸血鬼を放っておけなかったと。

 愚か者! そうやって安々と首を差し出し、殺されでもしたら……私にどう詫びるというのだ!

 ……フン。

 今更謝っても遅いわ。

 どんなに愛の言葉を囁やこうと及び腰にしか聞こえん。

 背を向けろ。

 いいから背を向けろ。そうだ。

(背中が爪で切り刻まれる)

 黙れ。

 鳴くな。

 ご近所サマに響くだろう。

 お前と馬鹿な同族に伝わるよう、その背にじっくり書いてやっておるのだ。

 なに。ほんの印だ。私の名を彫ってやってもよかったが、何分(なにぶん)この爪だ。上手く書けたとしても……。

 おっと。深く切りすぎたか……じゅるっ。(指先を舐める)

 これでよし、と。

 痛かった……か?

 あぁ、すまん……つい感情的に……(悲しげに)

 私もこんなことしたくはない……。 

 暫くはまともに水を浴びれなくなるだろう……。

 案ずるな、私が拭いてやるから……。

 ん? 治せるかって……?

 駄目だ。(冷酷に豹変)

 この傷を戒(いましめ)として生涯残せ。

 なにせお前の血も心も身体も全部、私だけのものだからな。

 さて、明日は休みだったか。

 脱げ。

 聞こえなかったか?

 下も脱げ。今すぐに。

 喜べ。今から一晩中、お前が誰のものかを分からせる。

 日が出たら終わりと思うな? 

 棺の中でたっぷり愛してやるからな……我が夫よ……。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレ吸血鬼の妻は鼻が利く
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ゼロフィリアマン
ライター情報
ゼロフィリアマンと申します。
一読していただけたら幸いです。
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