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【ヤンデレ】老舗旅館で出会った座敷わらしに、家の中までついて来られてしまい…
written by Cybistar
  • ヤンデレ
  • 座敷わらし
  • お化け
  • 旅館
公開日2022年12月29日 15:00 更新日2022年12月26日 03:32
文字数
1933文字(約 6分27秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
座敷わらし
視聴者役柄
普通の男性。社会人。
場所
現代日本
あらすじ
孤独な私生活に嫌気が差し、一人で旅行にでかけたあなた。旅先の老舗旅館であなたと出会った座敷わらしは、お互いに孤独で寂しいなら一緒に住ませてほしいと提案してくるが、あなたはそれを断る。だが翌日、家に帰ると…
本編
【とある旅館の一室にて】

お客さん

お客さん

……あなた、私の声が聞こえるんだね

うふふ……きょろきょろ辺りを見回して、とっても不思議そう

私はちゃんとここにいるよ

…そっちじゃなくて、後ろ

(座敷わらしが姿を現す)

ふふっ、こんばんは

あー……やっぱり、そういう顔になるよね

今さっきまで部屋の中に誰もいなかった筈が、声の通りに後ろを振り返ったら女の子がいるんだもん

誰でも驚いて、固まっちゃうよね

どう、怖い?

知らない間に急に後ろに立ってて、何されるかもわからないんだし、すごい怖いよね〜

はは……早く逃げないと呪われて死んじゃうかもよ?

よくある怖い話だと、このまま襲ったりするんだけど……さて、どうしよっかな〜

……え?

きゃっ!

ちょ、ちょっと!

何で急に手なんか握って……あなた、私が怖くないの?!

……そ、そう

確かに、私のことが見えるなら、他にも色んなお化けに遭ってて慣れてるんだろうけど…

それでも私がどんなやつで、あなたに何をするのかもわからないんだよ?

普通はもっと怖がったり、とっさに離れようとするでしょ

本当に、全然怖くないの?

……かっ!可愛いとか、そんなの絶対嘘!

こんな古臭い着物来て大した化粧もしてないただの座敷わらしが、可愛いわけないでしょ

……なに?

私がこの旅館の座敷わらしなの、知らなかった?

ここ、昔から「座敷わらしの出る宿」って言って、結構有名なんだよ

私に会うのが目的で泊まりに来る人も多いから、あなたもそういう人だと思ってたけど、違うのね

私みたいなお化けをこんなにはっきりと認識できるのに、そういう話には疎いって……変な人

……え?
いや、違うけど

私は幽霊でも妖怪でもないよ

うーん……なんだろう

多分、人が作った怖い話とか噂話が本当になっちゃった、って感じなんだと思う

だから、とりあえずはお化け…になるのかな

自分でもよくわかってないんだけど

別にここの旅館から出られないってわけでもないから、気が向いたら外に出かけたりできるんだよ!

……ずっと一人だから、やることなくてすぐ帰ってきちゃうけど

……あー、うん

旅館に来るお客さんで、前にも私の声が聞こえる人とか、気配に気づいた人はいたよ

でも、皆自分の幻聴だと思い込んだり、気づいても怖がってまともに話してくれなかったから、あなたみたいな人は初めてなの

旅館の主人と女将さんも私のことは認識できてないけど、とりあえず客寄せできるから有難がってる感じでさ

なんか、私ってなんの為に存在してるんだろうって思うんだよね

……えっ、あなたも?

あー、それは寂しくなっちゃうかもね

普段の生活で心置きなく話せる人が一人もいない、っていうのはね…

もしかして、それでリフレッシュの為に一人旅してた感じ?

あっ、そうなんだ……

あなたも結構、苦労してるんだね…

……ん?

あー……さっきも言ったけど、私は昔の人の幽霊とかじゃなくて現代の噂話から生まれた存在なの、恐らくだけど

だから、格好は如何にもお侍さんの時代の少女って感じだけど、知識とか喋り方は噂話を作った現代の人のものと全く一緒

泊まりに来るお客さんの持ち物とか会話から、色々勉強してるしね

私も一緒に話したいけど誰も気づいてくれないし、気づいたら気づいたですぐ逃げてくから、こっちもその怖がり方を見るくらいしか楽しみがないんだけどね…

あはは…ありがとう

なんか、ごめんなさい

あなたも一人でいるストレスとか寂しさから解放されて、楽しむために旅行してるのに……

…あっ、そうだ!

一人で孤独に過ごすのが辛いなら、私をここからあなたの家に連れてってよ!

それなら、あなたの寂しさも少しは薄れるし良いと思うんだけど、ダメ…かな?

……ダメ…か

そうだよね!

普段は毎日仕事で忙しいし、他のことする余裕も無いほど疲れてるからこうやって旅行してるんだもんね!

無茶なこと言って、ごめんなさい

でも…こうして初めてまともに他人と会話できて、すごい楽しかったよ

あなたと出会えて、本当に良かった!

もう夜も遅いし、私はこれで消えることにするね

今日はありがとう!

また来てね!






――――――
【翌日、あなたの家】

[SE:あなたが家のドアを開ける]

たっだいま〜

へぇー、これが今日から私の住む家なんだ

あの古〜い床畳の和室とは違って、退屈しなさそうで良いね!

……あれ?

急に出てきてびっくりしちゃった?

だってあなた、ゆうべ初めて会った時より驚いた顔してるよ

昨日あなたの家に行きたいって言った時は断られちゃったけど……こうやって姿消してれば気づかれずについていけるから、どっちでもよかったんだ♪

ふふ……もうここまで来ちゃったんだから、しょうがないじゃん

あなたが寂しくならないように、私も頑張るよ!

でも…他の人と仲良くしてたら、呪い殺しちゃうかも

だって、私にはあなたしかいないんだから……あなたばかり他の人と楽しく過ごせるのはずるいでしょ

えへへ……きっと、すぐに慣れるから大丈夫だよ!

私が、いつでも傍にいてあげるからね♡


――END――
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【ヤンデレ】老舗旅館で出会った座敷わらしに、家の中までついて来られてしまい…
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
Cybistar
ライター情報
主にpixivでフリー台本を投稿している、Cybistarと申します。

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