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【ヤンデレ】孤独で卑屈なダウナー氷の魔女と仲良くなったら…
written by Cybistar
  • ヤンデレ
  • ダウナー
  • ファンタジー
  • クール
  • 魔女
  • 氷の魔女
  • 引きこもり
公開日2023年01月01日 20:30 更新日2023年01月01日 19:33
文字数
1724文字(約 5分45秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
引きこもりの氷の魔女。
視聴者役柄
人脈の広い冒険者。
場所
ファンタジー世界
あらすじ
世界中を飛び回る冒険者のあなたと、他者との接触を自ら断ち、居城に引き篭もる氷の魔女。あなたが諦めずに城を訪ね続けたこともあり、二人は徐々に仲良くなっていく。今日もあなたが、他の魔女からの手土産を持って彼女の城を訪れたのだが…
本編
【氷の魔女の城】

[SE:吹雪が吹く]

……誰

……またあなたね
帰って
ここには来ないで、って言ったはず

……止まって
それ以上近づいたら、この場であなたを氷漬けにするから

……その手に持っているのは何?
炎の魔女からもらった杖?
……いらない
そんなもので私を懐柔できるとでも思っていたの?

帰って、一刻も早く
……言う事を聞いて

……はぁ
あなた、命が惜しくないの?
私がその気になれば、人間一人なんて簡単に凍らせられることくらい、あなたでもわかるでしょ
なのに、なんで私の警告を無視できるの?

……そう
私があなたを本気で手にかけるわけがない、なんて……随分自信があるようね
残念だけど、あなたの妄想と違って現実の私は、あなたに対する好意なんてこれっぽっちも持ち合わせてないの
むしろ、何度も無断で私の城に侵入してくる厄介者として、憎んですらいるわ

でも、まあ……今は魔法を使って疲れるのも嫌だし、話くらいなら聞いてあげる
……まだ、この間あなたが話してくれた、洞窟を探検したお話も最後まで聞けてないし
ほら、そこに腰掛けて

……なに?

……違う
あなたの話に興味があるわけじゃない
早く話し終わって、帰ってほしいだけだから
あなたが私に話したいことを全部話し終えて、もう二度とここに来なくなるのが、私の今の理想なの
理解できた?

それじゃあ、早く話して
……ちゃんと、この間の続きから





――――――
【暫く経った後】

……ふぅん
じゃあ、その島には今もあなたの仲間が住んでるの?

そうなのね
……面白い
まさか、洞窟を抜けて海を泳いだ先に無人島があるなんて
世界には、不思議な場所がいっぱいあるのね

……いや、私は行けない
行く先々で知らないうちに天候を悪化させて、訪れた地域を丸ごと極地にしてしまう、最悪の魔女……
それが原因で私が一人でこの城に籠もってるってことは、前にも言ったでしょ

……ええ
最初は他の魔女達が同情して、なんとか私を助けようとしてくれたわ

自分の魔力をコントロールできるように一緒に修行したり、他の魔女の力で打ち消そうとしてくれたり…
だけど、全部上手く行かなかった
私の魔力は無駄に大き過ぎたのよ
それで皆、愛想を尽かして私を見捨てていった
風の魔女も、大地の魔女も…
一番仲が良いって信じてた、炎の魔女もね

私は、誰もいない場所でこうして一人で惨めに閉じ籠もってるのがお似合いなの
もう氷の魔女なんて名乗る資格はないし、そのつもりもないわ
……自分の魔法を使いこなせてない魔女なんて、私以外にいないもの
あなただって、そう思ってるんでしょ

……嘘をつかないで
今更、他の魔女達が私を心配してるなんて、有り得るわけがない
あなたに私への贈り物を持たせたのも、ただからかっているだけ
だってその杖、魔女見習いが使うやつだから
……魔女失格のお前にはそれで十分だ、って言ってるのよ

知らなかった?
本当かしら
あなたも裏では他の魔女達と一緒になって、私を見下して蔑んでるんでしょ?

……だからここに来てほしくないの!

……はぁ

違う?何が違うの?
……私を喜ばせたいだけだった?
ふぅん……そう
だったら、ずっとここにいて
この城で、一生涯私を喜ばせ続けて

……それは無理?
はぁ……
それじゃあ、やっぱりあなたのことはこの場で凍らせて、氷の彫刻として飾っておくことにしようかしら

[SE:あなたが逃げる]

…逃さない

[SE:魔女が風を吹きかける(吐息でもOK)]

どこへ行くの?
まだ私は、何も喜べてないのだけれど

ふふ……どうしてそんなに怯えているの?
まだ足を凍らせただけよ
ぶるぶる震えてないで、早く私を喜ばせて

だってさっきあなたが自分で言ってたでしょ
私を喜ばせたい、って…

仮にその言葉が嘘だとしても……
今までのあなたが誠実に接してくれて、何度私に拒絶されても諦めなかったのは事実
本当は、あなたがここに来て私と話してくれることが何よりも嬉しかったの
恥ずかしくて、あなたには黙っていたけど…

……私はもう、あなたを離したくない
だから、自分の言葉に嘘偽りがないって証明して
それができないなら……今度こそ、あなたを頭の先まで凍らせてあげる

ふふ……勿論、もしできたら足の氷を溶かして解放するわ
ただし、この城の中だけで…ね
出入口や窓は全部凍らせて封鎖しておいたから、逃げようだなんて考えないでね
あなたは、ここで私と一緒にいるだけでいいの
もう、仲間との冒険はおしまい

それじゃあ、続きを聞かせて

ふふ……今度はどんな楽しいお話で、私を喜ばせてくれるのかしら


――END――
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【ヤンデレ】孤独で卑屈なダウナー氷の魔女と仲良くなったら…
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
Cybistar
ライター情報
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