僕っ娘百合っ子アンドロイドみかん、腐女子あかねの９０％会話劇。

ＳＦ小説「私がロボって言うのは秘密です。そう言う設定にしなさいって博士が言ってた。」のスピンオフです。
だからってＳＦとか全く関係ないし、本編読んでなくても全く問題なっしんぐ！

今回は「百合」の語源について真面目に解説します。


【登場人物】
★あかね
胡桃沢《くるみざわ》あかね。高校一年生。
成績優秀、品行方正、文武両道のパーフェクトな女の子。

腐女子と言うことが、みかんにバレてしまうが、周囲は言わないと約束してくれた。

ただし、交換条件で、みかんが住みやすくなる環境づくりを約束させられる。

……という設定だけど、今回は全く関係ありません。

★みかん（ロボ）
語り部
突然、マンション５階のあかねの部屋に押し入った美少女アンドロイド
表情、口調にロボ感は無く、普通の女の子と見分けはつかない。
そして、話す言葉はアホっぽい

……というロボ設定だけど、今回は全く関係ありません。

みかんＭ：やっほーみかんだよ！
みかんＭ：僕は、僕っ娘《こ》百合っ娘アンドロイド！
みかんＭ：……とは言っても、この話ではアンドロイドの性能を発揮《はっき》できる場がないのだよ。
みかんＭ：くそう、無念だぜ。

あかね：なに一人でブツブツ言ってるのよ？
みかん：あ、あかねちん！　やっほー
あかね：やっほーじゃないわよ。まったく。

みかんＭ：あかねちんは、高校一年生、人間の女の子。
みかんＭ：僕は、あかねちんの家にお世話になっているのだ。
みかんＭ：うん、厳密に言えば、えげつない手段を使って押しかけた。って言った方が正しいかな。
みかんＭ：さてさて、今回のテーマは、百合の定義、と言うか語源。
みかんＭ：最初に言っておくけれど、百合の定義って、かなーり奥深いものがあることがわかったのだ。
みかんＭ：だから、色んな説があって、このお話も『あくまでも個人の意見です。』ってことで、予《あらかじ》めご了承《りょうしょう》いただきたい……と言う保険をつけておくよ。
みかんＭ：それでは、会話劇スタート！　てへぺろ

0：（間）

みかん：そうだ、あかねちん。百合って知ってる？
あかね：え、花の？

みかん：またまたーとぼけちゃって。『花の？』って言ってる時点で、わかってるのバレバレじゃまいか。僕が言う百合と言ったら、そりゃ百合だろうよ。てへぺろ
あかね：『僕の言う百合』って言われて、わかってしまうのが癪《しゃく》よね。うーん。女の子同士で手を繋《つな》いだり仲良くすること……？

みかん：うわー表現をソフトタッチにしているなんて、あかねちんらしくないなあ……！　無理すんなし。守りに入るなし。もっと攻めろやコラ。
あかね：無理なんてしてないし。

みかん：うーん、じゃあ、質問を変えよう、百合とレズの違いってなんだい？
あかね：えーと……百合は精神的で、レズは肉体的と言うことを聞いた気がする。
みかん：あかねちん、その答え百合ガチ勢が聞いたら炎上案件だよ！
みかん：戦争だよっ！　危険危険……！
あかね：え、そうなの……？！

みかん：百合レズ論争の白熱っぷりはハンパじゃないぞよ。中途半端な知識で知ったかぶりして、『百合ってのはキスとかセックスとか、そういうんじゃないんだよ』なんて
みかん：ドヤ顔で言った日にゃあ、ぼっこぼこに叩かれるで！
あかね：こわっ……！

みかん：ガチ勢の百合への想いは生半可《なまはんか》ではないのだ。ちな、語源《ごげん》って知ってる……？
あかね：この流れで知ってるわけないでしょ。
みかん：うぞ？！！　こんなのウイキペディアで調べたら、秒で出てくるで。しょうがない、今回は特別に教えてあげよう。

みかん：ズバリ語源の元になったのは『薔薇族《ばらぞく》』、つまり男性同性愛者雑誌から、なのだ。僕的には意外だったのだけれど、百合よりも薔薇の方が先に生まれた言葉なのだあ……！　えっへん
あかね：なんで、あなたが威張《いば》るのよ？　そうなんだ。薔薇と百合ってリンクしてたんだね。
みかん：そそ、それで、その『薔薇族』の１コーナーに女性読者向けの投稿コーナー『百合族の部屋』が設けられたことがきっかけ。

みかん：でもさー昔のゲイ雑誌って、ガテン系のむさ苦しい男が、白ブリーフでなんやかんやしてるイメージがあるけれど、それを女の人が読んでたんだとか思うとビックリだよー。
あかね：あなたが昔のゲイ雑誌のことを知ってる方が驚きだわ。でも、確かに今のＢＬ表現と比べて、薔薇って聞いちゃうと尻込《しりご》みしちゃうかも。

あかね：じゃあ、女同士の時の表現に、『百合の花』を選んだのは何故《なぜ》？　他の花でも良いよね。
みかん：お、あかねちん、いいねー。興味津々丸《きょうみしんしんまる》だね。それは、立てば芍薬《しゃくやく》、座れば牡丹《ぼたん》、歩く姿は百合の花から来ているのさ。シャレオツだよねー。
あかね：たしかにっ！　由来が尊《とうと》すぎてヤバい……！

みかん：で、百合とレズの違いだけれど、マンガ家の森島明子《もりしまあきこ》先生の言葉
みかん：『″レズは一人でいてもレズ。百合は二人いるのを外部から見て決めるもの。″本人たちがどう思っているかはともかく、外部から見てはじめて百合は百合になる』
みかん：と言う表現が、ガチ勢に深く突き刺さったのさあ。
あかね：へええ……なんか哲学っぽいね。
みかん：だねー。今まで僕と、あかねちんは百合だと思っていたけれど、森島先生の見解では、百合とは少し違うのかも知れないね。そう考えると、ちょっぴり寂しいね。
あかね：そっかー……って、さらっと何言ってるのよ！

みかん：え、違うの……？
あかね：……くない。
みかん：へへへ、あかねちん赤くなってる。かわいい。てへぺろ
あかね：う、うるさい……！

0：（間）

みかんＭ：ってことで、この話はここまで。
みかんＭ：『百合かどうかは、他人が決めるもの』って観点は意外だったなあ……
みかんＭ：このことは数多くの人達に受け入れられている思想《しそう》らしいですよー。
みかんＭ：でも僕は人それぞれ百合の解釈《かいしゃく》が違っても良いと思うのだ。
みかんＭ：それよりも、自分の考える百合を人に押し付けることの方が嫌だね。
みかんＭ：まあ、百合に限った話じゃないけれど。

みかんＭ：んじゃ、またシリーズ本編の『私がロボって言うのは秘密です。そう言う設定にしなさいって博士が言ってた。』で会おうね！
みかんＭ：ばいばーい！　てへぺろ！

・台本（ゆるボイ！）
【女性２人用声劇台本】百合が百合と表現される理由って？
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ﾆｸｷｭｰP