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【メンヘラ/女1男2不問1】メンヘラ少女まりんちゃん2~タツヤの場合~
written by ニクキューP
  • メンヘラ
  • 少女
公開日2023年05月27日 21:10 更新日2023年05月28日 14:25
文字数
4748文字(約 15分50秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
4 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
まりんは貧乳だ。
貧乳だって男にモテるのだ。

世の中、情けない男が多すぎる。
貧乳美少女まりん、男を金ヅルとしか思っていない。
今日は、どんな手を使って男から金を奪うのか……!

今回のお相手は、金持ちイケメンのタツヤだ。

*登場人物
〇まりん(女 主人公)
星屑《ほしくず》魔鈴《まりん》
高校二年生

萌え声で男を魅了する。
男から金を搾り取ることしか考えていない。


〇タツヤ(男)
高校二年生
親が金持ちで、親のキャッシュカードを使いまくる


〇マモル(男)
絵にかいたような理系メガネ男子。
理路整然と自信を持って話をする。

〇語り部(性別不問)
この物語のストーリーテラー
物語の中での配分が圧倒的に多いです。

リズミカルに面白おかしく解説をお願いします。
この物語を面白くするかどうかは、語り部にかかっているので、できるだけ前読みしてください。
本編
★★★★★★★★★★★★
 台本をご覧いただきましてありがとうございます!
 本文中、「――」の記述がありましたら、ト書きですので音声化不要です。
★★★★★★★★★★★★

語り部:まりんは貧乳だ。
語り部:にもかかわらず、あえて自分の適正サイズより2カップ上のブラを身につけている。
語り部:念のために断っておくが、見栄を張っている訳ではない。……たぶん。

語り部:Cカップブラの中で、Aカップの胸がぷるんぷるん楽しそうに泳いでいる。
語り部:それはもう鯉《こい》のぼりもビックリだ。面白そうに泳いでいるのだ。
語り部:……まあ、揺れる胸があるのかは、彼女の幸せのために触れないでおこう。

 ――間を取る

語り部:彼女の名は、星屑《ほしくず》魔鈴《まりん》。
語り部:貧乳だって、男にはモテるのだ。
語り部:貧乳美少女まりんは、男のことを金ヅルとしか思っていない。
語り部:常にまりんは、如何《いか》に男から金品を奪うのかを考えている。

語り部:それこそ勉強する間を惜しんで考えている。
語り部:他人事ながら、彼女の将来が心配にである。
語り部:今回は、どの様な手を使って男から金を奪うのだろうか。

 ――間を取る

語り部:そうそう、初めて本シリーズに踏み入ってしまった不幸なお客様に忠告しておこう。
語り部:一旦、まりんの魅力を知ってしまったら、2度と抜け出せない。
語り部:否、抜け出そうと言う考え自体、無くなってしまうだろう。

語り部:予め本件をご了承の上、これより先へ進んで頂くことを、強くお勧めする。

 ――間を取る

語り部:さて、前置きはこのくらいにして、本題である。
語り部:早速、彼女の動向を追うことにしよう、

 ――間を取る
 
語り部:あ、いたいた。あそこに居るのが、星屑魔鈴である。

 ――間を取る

語り部:お、おや……?
語り部:まりんは、泣きながら、上下ピンクのスウェット姿で街中を歩いている。

語り部:今日のお相手は、金持ちイケメンのタツヤだ。
語り部:今回は、前回登場した童貞オタクのツトムとは訳が違う。

語り部:タツヤは金持ちだけに、彼を狙う女たちは数えられないほど存在する。
語り部:タツヤの心をゲットするには、それなりのファッションコーディネートで自己アピールが必要だ。
語り部:でなければ、彼と出会った、せっかくのチャンスを不意《ふい》にしてしまうことは間違いないだろう。

語り部:こんな時ほど、気合い入れてオシャレして、胸の谷間を出し……いや、谷間は無かった。失礼。
語り部:上下ピンクのスウェットでは、タツヤで無くても逃げてしまうぞ……!

語り部:それでもまりんは、既に待ち合わせ場所に来ていたタツヤに、力無くトボトボと近づいた。

 ――驚くタツヤ
タツヤ:え、ええっ?! 一体、どうしたんだ、まりん?!

語り部:マリンのみすぼらしい姿を見たタツヤは、引きつった顔をして驚き仰《の》け反《ぞ》っている。
語り部:ほら、言わんこっちゃない。
語り部:な? 思った通りだ、分かりやすいほどのドン引きっぷりだ。

語り部:今日は、まりんの惨敗《ざんぱい》確定だ。
語り部:まりんも、惨敗を察《さっ》したのか、目から涙ボロボロしたたり落ちている。

 ――泣くまりん

まりん:うっう……あ、あのね、まりんー、今日は大好きなタツヤくんとデートだから、張り切っておしゃれしようと思ったの。

タツヤ:そ、そうか。だったら何故《なぜ》……?

まりん:うん。それでね、タツヤくんと一緒に歩いても恥ずかしくない様にって、昨日の夜ね?
まりん:色々な服を着てみたんだけど、タツヤくんの隣には似つかわしくないかなって何回も着替えて、気付いたら朝になってて、最後にはもうわからなくなっちゃって、まりんーまりんー……うあああああんっ!!

タツヤ:ちょ、ちょっと待て!
タツヤ:泣かなくていいから! な? 大丈夫だから!

語り部:気持ちが一杯になり、矢継《やつ》ぎ早《ばや》に自分の想いをタツヤに向けて捲《まく》し立てるまりん。
語り部:タツヤは、想定外のまりんの姿に狼狽《うろた》えながらも、必死に彼女のことを宥《なだ》める。語り部:が、傷心のまりんは一向に泣き止《や》まない。

語り部:スウェット姿で来るくらいだったら、この前のツトムとのデートで着ていたメイド服の方が、まだマシなのだ。
語り部:一体、何を考えているんだ、まりん。

まりん:だってー。だってー。こんな姿でタツヤくんと並んで歩くなんて、まりんできないし……
まりん:だから、せめて一言だけでも話そうって、勇気を振り絞《しぼ》って、ここまで来たの。
まりん:ごめんねタツヤくん、まりん、帰るね。デート台無しにしちゃってごめんね。うぅ……

語り部:泣きながら、その場から立ち去ろうと歩き出すまりん。

タツヤ:ちょ、ちょっと待てって!

まりん:……え?

語り部:まりんは、タツヤから呼び止められたのが意外だったような雰囲気《ふんいき》を醸《かも》し出し、驚いた様に振り返る。

タツヤ:まりん、今日のデートはショッピングにしようか。
タツヤ:俺が、まりんの服をコーディネートしてやるよ!

まりん:え、でも、まりん、すぐ帰るつもりで、お財布も何も持たずに出てきちゃったし、行けないよ。帰るね。

タツヤ:バカだな、俺を誰だと思ってるんだ……?

まりん:た、タツヤ……くん?

語り部:タツヤは、まりんに向けてウィンクをしてみせた。普通にキモい。

 ――間を取る。
 
語り部:で、で、出たー!!
語り部:これか?! まりんの狙《ねら》いはこれだったのか!
語り部:金持ちイケメンとのデートに、まさかスウェット上下で来る女なんて誰も居ない、居る訳が無い。

語り部:まりんの捨て身の離れ技、他の女との有り得ない程のギャップに、タツヤは見事やられてしまったのだ。

タツヤ:さあ、行くぞ! 今日は、まりん姫のファッションショーだ!
まりん:うん! タツヤくん大好き!

語り部:さっきまで泣いていたのが嘘だったかのように、まりんはスウェット姿でピョンピョン飛び跳ねて喜んだ。
語り部:……いや、泣いていたのは、『本当に嘘だった』のかもしれない。

語り部:そして、まりんとタツヤは、様々な店で、服、靴、カバンを買いまくった。
語り部:タツヤが持つセレブの象徴《しょうちょう》『パパのブラックカード』が猛威《もうい》を振るう。
語り部:まりんは、数時間前までスウェットを着ていたなんて思えないほどに、高級ブランドのガーリーファッションで身を包まれていた。

タツヤ:うん、こんなものかな……
タツヤ:ぜぇぜぇ……

語り部:タツヤは、両手に高級ショップの紙袋を大量に持ち、疲労困憊《ひろうこんぱい》の表情で、まりんに話しかけた。

まりん:うん! タツヤくんありがとう!
まりん:大好き!

タツヤ:いやいや、まりんが喜んでくれるなら、ノープロブレムだ。
タツヤ:じゃあ、これからは大人の時間……

 ――タツヤの言葉を遮る。
まりん:あっ! いっけなーい!

語り部:まりんは、ついさっき買ってもらった高級腕時計を見て、焦《あせ》る素振《そぶ》りを見せた。

タツヤ:どうした、まりん?
まりん:あのね、まりん、これから大事な用事があることを思い出したの。ごめんなさい。

語り部:深々と頭を下げるまりん。
語り部:うつむいているため、その顔は見えないが、きっと悪い顔で笑っているに違いない。

タツヤ:え、なに、用事……?!
まりん:そうなの、タツヤくん、ごめんね。荷物は、ここまで送っておいてね! じゃ、またね!

語り部:まりんは、レシートの裏に住所をサラサラと書いてタツヤに手渡し、小走りで去って行った。

タツヤ:ちょ、ちょっと待てよ……って、この住所、コンビニ……何故、何故なんだ。

語り部:そう、まりんの父はコンビニ店長。
語り部:自宅の住所を知られたくない時に、まりんが良く使う手だ。

語り部:ガクッと膝《ひざ》を落とすタツヤ。

 ――タツヤに向けて叫ぶ
 
まりん:タツヤきゅーん! ありがとーまたねー!

 ――本音をつぶやく
まりん:……まったく、ちょろい野郎《やろう》だな。ヤツは暫《しばらく》く利用してやろう。

語り部:まりんは、持ち帰った数十万円はするバッグをうっとりと眺《なが》めながら呟《つぶや》いた。
語り部:まだまだタツヤから金を搾《しぼ》り取るつもりらしい。
語り部:根っからのクズだ。

 ――間を取る
語り部:……おや?
語り部:まりんは、通りすがりの男に目をとめた。

まりん:あ、マモル……、ここで会ったが百年目、今度こそ!

語り部:独り言の表現まで、ことごとく昭和のまりん。
語り部:マモルに向かって小走りで近づいた。

まりん:パタパタパタ……ま、マモルくん!

マモル:ああ、星屑《ほしくず》、どうした?

まりん:もう! 名前で呼んでって言ってるのに……! ぷんぷん!

マモル:ああ、すまん。

語り部:すまんと言いつつ、全く反省していない様子のマモル。
語り部:良くいるよな、『面倒だから、とりあえず謝っておけば済むだろう』的な考えのヤツ。

語り部:まさにマモルはそれだった。

語り部:だが、こんなことで、まりんは引き下がらない。

まりん:ねぇねぇ、どう? この洋服、似合うでしょ?!
マモル:……ふむ

語り部:まりんは、スカートの裾《すそ》を持って、くるりと一回転《いちかいてん》して見せる。
語り部:まずはキュートなイメージを打ち出して、どうせダメ出しするに違いないマモルの出方を伺《うかが》う。
語り部:まりんは、ダメ出ししたマモルを想定し、『キュートなカウンター』を喰《く》らわせるために、小さい脳をフル回転した。
語り部:そして、ひとつの答えが脳裏に浮かぶ。

 ――まりんの脳内の声
語り部:まりんの脳内で考えたキュートなカウンター
語り部:えーん、せっかくマモルくんのためにおしゃれしたのにー、マモルくん、ひどーい!
語り部:これだ。

語り部:まりんは、心の中でニヤリと微笑《ほほえ》む。
語り部:泣いてしまえば、流石のマモルも動揺するに違いない。
語り部:マモル、覚悟しろ!

語り部:すると、マモルは顎《あご》に手を当て、右足を後ろに体重を乗せ、まりんの身体全体をマジマジと眺めた。

まりん:な、なに……?

語り部:まさかのガン見に、たじろぐまりん。

マモル:あ、ああ、いいんじゃないか?
マモル:似合ってる。俺は好きだ。

まりん:えっ?
まりん:え、ええーーーっ?!?!?!


語り部:まさかの俺は好きだ。
語り部:想定外を超える想定外の言葉に、まりんの顔が一瞬にして真っ赤に染まる。
語り部:顔を見られたくないまりんは、慌《あわ》てて顔を両手で覆《おお》う。

語り部:まりんの脳内で何回もマモルの『好きだ』がリフレインされる。

マモル:『俺は、好きだ。好きだ、好きだ、好き、好き、好き……』

語り部:まりんは、ヘナヘナと脱力《だつりょく》し、その場にヘタりこんでしまった。

マモル:おい、どうした……?

語り部:まりんが動揺《どうよう》している様子に全く気付いていないマモルは、いつも通りの平坦《へいたん》な声で、まりんに声をかける。

語り部:まりんは、顔を見せない様にマモルに背を向けて立ち上がる。
語り部:そして、お決まりの文句を叫《さけ》ぶのだった。

まりん:お、覚えてやがれ! これで勝ったと思うなよーーー!

語り部:もはや定番となりそうな捨てゼリフを残し、マモルの元から走り去るのだった。

マモル:ふむ、今日は、二日目……か。

語り部:マモルは、何かを察した様子で、その場を立ち去るのだった。

 ――間を取る
語り部:『今日の戦績、まりんの一勝一敗』

まりん:う、嬉しくなんてないんだからなーっ!

 ――間を取る
 
終演:


★★★★★★★★★★★★
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クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【メンヘラ/女1男2不問1】メンヘラ少女まりんちゃん2~タツヤの場合~
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ニクキューP
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