同棲して３ヶ月の同棲ガール。甘い生活も終わり厳しい現実に直面する。
そんな、とある同棲ガールの不平不満。

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もう！
もうもうもう！
騙された！

いやマジ騙された。
詐欺だよ、詐欺。

付き合う前は、あんなに優しかったのに。

もー信じられない！
同棲した途端、こんなに変わるとは想像もしなかった。

付き合ったら釣った魚にエサをあげなくなるとは言うけれど、彼氏の場合は、釣った魚に餌をあげない代わりに働かせる。だよ。

本当にムカつくわー。

だって、告白は、サプライズだった。
とっても、とっても大掛かりなサプライズだった。

泣いた。感動した。
人生初ってくらい泣いた。

それは野球場のスタンドで、周りを巻き込んでのサプライズ。
フラッシュモブを演出してくれた。

野球が始まるのを観客席で待っていたら、突然音楽が鳴り始めて、観客達が踊り出したの。

それはもう驚いたわ。

うん。
嬉しかった。

最後に彼から告白された時は、私の目から流れる涙は止《とど》まることを知らなかった。

そう。
思えば、あれが私と彼氏のピークだったのかも。

今はもう、そんなフラッシュモブやる金があるんだったら、生活費に回せやボケェ！

としか思えない。

キャビネットの上に飾られている満面の笑みの彼氏と、嬉しそうに彼氏に抱きつく私の写真。

私は、その頃の私に忠告したいわ。

それは一時の気の迷い、冷静になりなさい。って。

リビングで尻を掻きながらゴロゴロする彼氏。
ゴロゴロ、ゴロゴロ、ゴロゴロゴロゴロ！

お前はトドかっ！
芸をするだけトドの方が、まだマシだわ。

本当に彼氏は変わってしまった。
あの同棲前の彼は、どこにいってしまったのだ。

まだ、同棲してから３ヶ月しか経《た》っていないのに。

なんで彼氏は何もしないの？
と、チャットＧＰＴに聞きたくなるくらいには、ほんっとーに何もしない。

いや違うわ。
奴は、自分の好きなことはやるんだよ。

自分の好きなことしかやらないのだ。

ゲームに、ギャンブルに、釣り。

全く、自分の好きなことは、前のめりでやるくせに、家のことは何もしない。

家のことは、私に任せっきりだ。
口をあけて待っていたら、ご飯が食べられると思っているのだ。

それに、風呂だって、トイレだって、何もしなくても、自動的に清潔を維持できると思っているのだ。

いやいやいや。違うでしょ。
掃除炊事洗濯、私が全部やっているって自覚してる？

男は仕事をやっていればいいんだって？

いやいやいや、何を言っているのよ？

私だって、働いてるよ！

いいの？
私、仕事やめていいの？
彼氏だけの稼ぎで暮らせるの？

だったら、やるわ。
文句を言わずに何でもやるわ。
家事をやらせて頂きますよ。

毎日３６５日、隅から隅までピッカピカに磨き上げて見せますよ。

できないでしょ？
私も働かなきゃ生活できないでしょ？

明らかに不公平じゃ無い？

私ばかり損をしている。

彼氏に動けと言ったところで、生返事だけして何もしない。

それでさ、たまに気が向いて、ちょっと皿をあらったくらいでドヤ顔すんの。

なんなん？
ホントなんなん？
こっちは毎日やってるっつーの。

家事全部やってるっつーの。

しかもさー、皿洗っても汚れ残ってるし、シンクはビショビショだし。

って言うかさ、油がついた皿と油がついていない皿を一緒にタライに入れるのやめろっ！

この前、肉焼いたフライパンと一緒に、全ての食器が水に浸《つ》かってたからね。

アホかっ！
もう食器が油まみれでギトギトやん！

どうしてくれんのこれ。

お前、今までの人生何やってきたの？

マジ勘弁だわー。

ホント、こっちの仕事が増えたっつーの！
やるなら、ちゃんと最後までやれって言うの！

それに「手伝ってやってる」って、態度が見え見えなんだよね。

いやいやいや。
手伝うとかね、どんだけ上から目線なんだよ。

いつから、家事が私だけの仕事になったんだよ。
アホかっ。

あ、思い出した！
あとさ、トイレの便座上げたままにするの許せない！
むしろ座れ。

何回言っても直らない。
お前の菌がトイレ中にバラまかれるの考えただけでも吐き気がするっつーの！。

もう、今すぐ死んで欲しい。
生命保険入ってたっけな。
マジ保険金で、幸せに暮らしたい。

　――間を取る

私は、こんな生活に憧れていたのかな……

同棲を夢見ていた頃に戻りたい。
出会いが無いって、泣いていた頃に戻りたい。

これが現実なのかな。
今はフリーに戻りたい。

独り最高！

独り万歳！

別れたいわーー。
もうマッチングアプリでも始めようかな。マジで。
金持ちひっかけて楽しみたい。

私は、お前の家政婦じゃないんだよ！
稼ぎ少ないくせに、大黒柱気取ってるんじゃないわよっ！

まあでも……
あのフラッシュモブの時、本当に幸せだったなあ。

準備とか大変だったろうな。

　――間を取る

でも、あの人も、やれば出来る人なんだよね。
私も怒るばっかりで、冷静に話してなかったということもあるし。

うん。
マッチングアプリで男引っかけるのは、彼氏と話し合ってからにするか。

あいつが話し合いに応じるかは微妙だけれど。

やるだけやって。
それでも分かってもらえなければ、またその時に考えよう。

　――間を取る
　
さ、て、と。
今日は良い天気。
洗濯でもしよっかな。

がんばるぞっ、おーっ！

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・台本（ゆるボイ！）
【女声１名】とある同棲ガールの不平不満
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・台本制作者
ﾆｸｷｭｰP