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メンヘラガール魔鈴(まりん)ちゃん♥3~タケシの場合~【メンヘラ/女2男2不問1】
written by ニクキューP
  • メンヘラ
  • ヤンデレ
  • ギャグ
公開日2023年06月05日 20:57 更新日2023年06月05日 22:17
文字数
5148文字(約 17分10秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
5 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
まりんは貧乳だ。
貧乳だって男にモテるのだ。

世の中、情けない男が多すぎる。
貧乳美少女まりん、男を金ヅルとしか思っていない。
今日は、どんな手を使って男から金を奪うのか……!

※登場人物
★星屑《ほしくず》魔鈴《まりん》 女声
高校二年生

萌え声で男を魅了する。
だがしかし、あるキッカケでキャラ豹変《ひょうへん》しドスのきいた声に変化する。
男から金を搾り取ることしか考えていない。


★タケシ(前半に登場) 男声
高校二年生
ネズミーランドオタク
ネズミーランドのことは何でも知っている

★マモル(後半に登場) 男声
絵にかいたような理系メガネ男子。
理路整然と自信を持って話をする。

★リコ(今回から登場:後半に登場) 女声
マモルの妹
まりんはリコのことをマモルの彼女だと思っている。

★語り部 《性別不問》
この物語のストーリーテラー
物語の中での配分が圧倒的に多いです。

リズミカルに面白おかしく解説をお願いします。
この物語を面白くするかどうかは、語り部にかかっているので、できるだけ前読みしてください。
本編
★★★★★★★★★★★★
 台本をご覧いただきましてありがとうございます!
 本文中、「――」の記述がありましたら、ト書きですので音声化不要です。
★★★★★★★★★★★★

語り部:まりんは貧乳だ。
語り部:にもかかわらず、あえて自分の適正サイズより2カップ上のブラを身につけている。
語り部:念のために断っておくが、見栄を張っている訳ではない。……たぶん。

語り部:Cカップブラの中で、Aカップの胸がぷるんぷるん楽しそうに泳いでいる。
語り部:それはもう鯉《こい》のぼりもビックリだ。面白そうに泳いでいるのだ。
語り部:……まあ、揺れる胸があるのかは、彼女の幸せのために触れないでおこう。

 ――間を取る

語り部:彼女の名は、星屑《ほしくず》魔鈴《まりん》。
語り部:貧乳だって、男にはモテるのだ。
語り部:貧乳美少女まりんは、男のことを金ヅルとしか思っていない。
語り部:常にまりんは、如何《いか》に男から金品を奪うのかを考えている。

語り部:それこそ勉強する間を惜しんで考えている。
語り部:他人事ながら、彼女の将来が心配にである。
語り部:今回は、どの様な手を使って男から金を奪うのだろうか。

 ――間を取る

語り部:そうそう、初めて本シリーズに踏み入ってしまった不幸なお客様に忠告しておこう。
語り部:一旦、まりんの魅力を知ってしまったら、2度と抜け出せない。
語り部:否、抜け出そうと言う考え自体、無くなってしまうだろう。

語り部:予め本件をご了承の上、これより先へ進んで頂くことを、強くお勧めする。

 ――間を取る

語り部:さて、いつもの前置きはこのくらいにして、本題である。
語り部:早速、彼女の動向を追うことにしよう、

 ――間を取る
 
語り部:ここは、千葉県にある東京ネズミーランド。
語り部:今日のまりんのお相手は、ネズミーオタクのタケシだ。
語り部:年間パスポートを持っているのは当たり前、最低でも週一回はネズミーラントに来園するほどのマニアっぷりだ。

まりん:タケシきゅーん! お待たせー!
タケシ:ああ、まりんちゃん来たね!

語り部:いつものように手を振り舞浜駅改札前に現れたまりん。
語り部:言うまでもなく2時間遅れての到着なのだがタケシは動じない。

語り部:何故か?
語り部:タケシは、自作の特製《とくせい》ネズミー攻略メモを参考に、今日のプランを練《ね》りシミュレーションしていたからだ。
語り部:そして、まりんが、待ち合わせ時間に遅れていることを察知《さっち》したタケシは、瞬時《しゅんじ》にプランの組み換えを行ったのだ。

まりん:あ、それかわいー!

語り部:まりんは、タケシがかぶっている『ムッキーのカチューシャ』を指差して微笑《ほほえ》んだ。

タケシ:あ、ああ……! ネズミーマニアなら当たり前だよ! ほらっまりんちゃんのもあるよ!
まりん:うわー! ありがとう!

語り部:タケシはリュックから、ムッキーの恋人、ムニーのカチューシャを取り出して、まりんの頭に取り付けた。

タケシ:う、うん……可愛い! ムニーちゃんよりもかわいいよ!
まりん:もータケシくんったらー! 世界中に人気のキャラクタームニーちゃんよりも、まりんが可愛い訳無いじゃない! やめてよー……でもありがと。

タケシ:お、おぅふ!!

語り部:チョロ男を骨抜《ほねぬ》きにする胸キュンワード、今回も出ました!
語り部:やめてよーと全否定からのでもありがと。

語り部:一回、全否定された瞬間、男の顔は笑いながらも確実に傷ついているはずだ。からの……ありがとだ。
語り部:ありがとうではない。
語り部:ありがとなのだ。

語り部:ありがとう、の、う、一文字無いだけで、ちょろい男のハートを鷲掴《わしづか》みなのだ!
語り部:女性陣は、是非試してみてくれ!!

まりん:じゃあ、入ろ! ファストパス無くなっちゃうよ……?!

語り部:まりんはタケシを急《せ》かした。
語り部:自分が遅れたくせに、入場しないと発券できないことを知っているくせに、しれっとファストパス無くなるよなんて悪びれもせず言うなんて、根っからのクズである。
語り部:だがしかし、タケシはドヤ顔で言い切ったのだ。

タケシ:まりんちゃん、大丈夫だよ。一回入場してファストパスをスマホからゲットしておいたんだ。ほら、これがまりんちゃんのパスポート。

 ――好きになっちゃいそう。は小声。
まりん:タケシくん……好きになっちゃいそう……
タケシ:お、おおうっ……!!

語り部:連続して出ました……!
語り部:相手の名前を呼んでからの、小声での好きになっちゃいそうだ。

語り部:これはタケシ視点だと、まりんが自分に聞こえない様に、好きになってしまいそうであると、呟《つぶや》いているように聞こえる。
語り部:つまり、まりんの本音が漏《も》れ出た。
語り部:タケシには、そう聞こえるのだ。
語り部:……まあこれも、まりんの作戦なのは言うまでもないのだが。

まりん:えへへ……さ、いこっ!
タケシ:う、うん。

語り部:まりんは、照れくさそうな顔をして入園口を通り抜ける。
語り部:もちろん心の中では「ちょれーな、こいつ」と舌を出しているに違いない。

語り部:そして、タケシのエスコートのもとに、アトラクション、パレードの場所取り、予約したレストランでの食事をスムーズにこなしていく。
語り部:ここらへんは、さすが年間パスポート保有者と言うところだろうか。

タケシ:ほら、まりんちゃん、隠《かく》れムッキーだよ
まりん:あーホントだー! すごーい!

語り部:建物の壁に、小さなムッキーのシルエットが隠されている。
語り部:ネズミーオタクとしては自力《じりき》で隠れムッキーを見つけることがステータスなのだ。

まりん:あ、大きいムニーちゃんが居る!

語り部:お土産屋《みやげや》さんのディスプレイに張《は》り付くまりん。
語り部:その目はキラキラと輝いている。
語り部:ムニーちゃんのヌイグルミは巨大で、まりんの背丈《せたけ》と同じくらいだ。
語り部:タケシは、ゴクリと唾《つば》を飲み込んだ。

タケシ:ま、まりんちゃん……それ僕が買ってあげるよ
まりん:ええ?! いいよー! だって何万円もするんだよ!
タケシ:だって、まりんちゃん欲しいんでしょ?
まりん:欲しいけど……でも……

語り部:まりんは、両手を後ろに組んで、足のつま先で地面にぐるぐる円を描《えが》く。

タケシ:待ってて!
まりん:あ、タケシくん!!

語り部:タケシのことを制止する姿勢を見せるまりん。
語り部:だがしかし、タケシは横目で、止めるまりんの様子を見ながらも、男らしく振り切って、店の中に入っていくタケシ。
語り部:かっこいいぞタケシ。

語り部:まりんは、止める気なんて、さらさらないぞ。

語り部:でも、タケシは今、まりんを守る王子様気分なのだ。
語り部:シンデレラ城の王子様気分なのだ。
語り部:タケシ、それは騙《だま》されているんだぞ、踊《おど》らされているんだぞ。

語り部:だが、タケシは気づかない。気づこうともしない。
語り部:彼の頭の中は、まりんを笑顔にすることしかないのだから……

語り部:まあ、まりんの笑顔と言っても、それは作られた笑顔で、心の中はゲス顔にしかならないのだが。
語り部:暫《しばら》くして、大きなムニーちゃんのヌイグルミを抱いて戻るタケシは輝いて見えた。

タケシ:はい! まりんちゃん。今日、一緒にネズミーランドに来てくれたお礼だよ!
まりん:うわああああああっ! いいの? ありがとう! まりん、大事にするね。ムニーちゃんをタケシくんだと思って毎日抱きしめて寝るね!
タケシ:お、おぅふ……!

語り部:はい、タケシの「お、おぅふ!」頂きました。
語り部:そんなん嘘に決まってるだろ、いや、百歩譲《ゆず》ってムニーを抱いて寝るのは本当かもしれないが、タケシのことは1ミリも思い出さないだろう。

まりん:はあ……タケシくんと、いつでもココに来れたらいいのになあ……

語り部:ムニーちゃんをギュッと抱いて、空を見上げるまりん。
語り部:タケシは、まりんの姿を見て、意思を固めたように力強く言ったのだった。

タケシ:まりんちゃん……いつでも一緒に来ようよ。ほら、こっち!
まりん:……え、タケシくんどうしたの? 待ってー!

語り部:タケシは走り出した。思い切り走った。
語り部:両手、両ひざを高く上げてスプリンターの如《ごと》く走った。

タケシ:ハァハァ……
まりん:ど、どうしたの? ここネズミーランドから出ちゃってるよ?
タケシ:こ、ここ……
まりん:……え?

語り部:タケシの指先の方向を見ると、そこは『年間パスポートが買えるチケット売り場』だった。

タケシ:ほ、ほら、一緒に年パス持てば、いつでも、僕と一緒に、まりんちゃんもネズミーランドに来《こ》れるよ……!
まりん:タケシくん……
タケシ:ほら、いいから!

語り部:戸惑《とまど》うまりんの腕を引っ張り、チケット売り場に入っていくタケシ。
語り部:かっこいいぞタケシ。

 ――間を取る

語り部:30分後

まりん:ありがとうタケシくん! まりん嬉しい!
タケシ:えへへ、これでまりんちゃんといつでも来れるね。さあ、ご飯でも食べ……

 ――まりん、タケシの言葉をさえぎる。
まりん:そーだねー。じゃ、まりんはここでドロンするねっ!

語り部:まりんは、タケシの言葉を遮《さえぎ》り、振り向きもせずムニーちゃんを抱きしめ舞浜駅へとダッシュした。
語り部:ま、まさか、またこのパターンはっ!!

 ――間を取る
まりん:あのネズミーオタク、ホントちょろいなー。このクソデカいぬいぐるみは、とっととフリマサイトで売ってしまおう。邪魔だしな。

語り部:……クズだ。
語り部:何だかんだで、タケシに、ネズミーランド、ネズミーシーの2パーク年間パスポートを買わせていたじゃないか。
語り部:あれだけでも10万円以上するぞ。

 ――間を取る
まりん:……ん? あれ、マモル、か……?

語り部:舞浜駅の改札の方を眺《なが》めると、確かにマモルが改札口《かいさつぐち》に立っていた。
語り部:一人だ。ぼっちネズミーなのか……?

まりん:うわー、アイツぼっちとかないわー! 実はネズミーオタク?
まりん:ちょーウケるんだけど。ちょっとからかってやろ。おーい、マモ……え?

語り部:まりんの顔が凍り付いた。
語り部:マモルに向けて手を挙げた右手が、そのままになっている。

リコ:マモちゃーん!
マモル:よし、行くぞ。
リコ:へへへー……
マモル:リコ、くっつくな。離れろ
リコ:えへへ、やーだよ!

語り部:なんと、マモルは女の子を待っていたのだ。
語り部:綺麗な女の子、細身で、しかも巨乳。
語り部:まりんの真っ平らな胸とはエラい違いだった。
語り部:しかも、女の子は、自分からマモルの腕に絡《から》みついている。

語り部:その女は積極的なタイプらしい。

語り部:しかも、マモルは女の子のことを名前呼びしている。
語り部:そして、お互いに呼び捨てだ。

語り部:それも、まりんが、名前呼びを要求したときは、スルーしたのにも関わらず、だ。
語り部:マモルがスルーしたときのことが、わからないリスナーさんは第1話を参照しよう! 約束だ!

まりん:ぐぬぬぬぬ……

語り部:まりんは、固く唇を噛みしめた。
語り部:マモルの彼女 (仮)《かのじょかっこかり》に、あらゆる所で敗北していることを認めざるを得なかった。
語り部:リコの存在によって、まりんは、マモルに恋心を抱いていたことに、今更ながら気づいたのだった。

――間を取る

語り部:だがしかし、気づくのが遅すぎた。彼には彼女がいたのだった。

まりん:くそー! 覚えてやがれー!!

語り部:まりんは、泣きながら改札を突き抜け、丁度来た電車に駆《か》け込《こ》んだのだった。

マモル:ん? あれは……
リコ:知り合い?

語り部:マモルは消えたマリンの方をみて、微笑《ほほえ》みを浮かべた。

マモル:たぶん、な。
リコ:マモルお兄ちゃんの彼女とか……?
マモル:ふふ、可能性はゼロではない、かな。
リコ:なにそれーっ!! マモルお兄ちゃんはリコのなんだからねっ!

語り部:なんと美少女は、マモルの妹だったのだ。
語り部:まりん、惜しかったな。
語り部:もう少しでマモルに勝てたかもしれないのに、非常に残念だ。

語り部:と、言う訳で……
語り部:今日の戦績、マモルの気持ちが垣間見えたと言う意味では、まりんの一勝一分《いっしょういちわけ》

語り部:そして、まりん的には、まりんの一勝一敗。
語り部:これからも、まりんとチョロ男の戦いは続きそうだ。

まりん:ふえーーーん! こうなったらチョロ男から金を ぶんどりまくってやるからなー!!

 ――間を取る
 
終演:

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クレジット
・台本(ゆるボイ!)
メンヘラガール魔鈴(まりん)ちゃん♥3~タケシの場合~【メンヘラ/女2男2不問1】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ニクキューP
ライター情報
猫と初音ミクを溺愛しているライターです。
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