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【女声2名】決められない彼氏~悩める乙女シリーズ~
written by ニクキューP
  • 学生
  • お姉さん
  • 癒し
公開日2023年06月08日 21:07 更新日2023年06月08日 21:07
文字数
2335文字(約 7分47秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
2 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
とある小さな喫茶店。
今日は、いつものマスターの代わりに、妹の美樹がカウンターに立っています。

常連の女子高生が元気よくお店に入ってきました。
美樹に何か相談があるようです。

好きだった彼と付き合うことになった理沙ですが、付き合い始めて判明した事実に困惑しているようです。

美樹
20代半ば
喫茶店のマスターの妹
マスターが店にいないときに、若者の相談に乗る優しいお姉さん。

理沙
高校一年生。
恋に恋する乙女。
本編
★★★★★★★★★★★★
 台本をご覧いただきましてありがとうございます!
 本文中、「――」の記述がありましたら、ト書きですので音声化不要です。

  ※美樹Mは、モノローグで状況の説明を行ってください。
★★★★★★★★★★★★


美樹M:とある小さな喫茶店、女子高生が慌てた様子で店に飛び込んできました。

 ――間を取る

美樹:「いらっしゃいま……あら、理紗ちゃん、いらっしゃい」

 ――半泣き、『美樹さぁん』は叫び
理沙:「美樹さぁん! もう信じられない! 人間不信だよっー!!」

美樹:「あらあらまあまあ。理沙ちゃん落ち着いて? 一体どうしたの?」
理沙:「あの、理紗ね? この前話した男子に告白したら、「俺も好きだ」って言ってくれたの」

美樹:「良かったじゃない。おめでとう!」
理沙:「それがね? もー全然良くないし、めでたくないんだよー!」

美樹:「あら、どうして?」
理沙:「だってね……告白する前、彼が『大人っぽい女の人が好き』って言ってたの覚えてる?」

美樹:「もちろん! でも、今の理紗ちゃんを受け入れたってことは、理紗ちゃんのままで良いってことでしょう?」
理沙:「それはそうなんだけどさー……」

美樹:「え、どうしたの?」
理沙:「あのね、彼、なーんにも決められないの。自分の意思がないと言うか、なんと言うか……なんでもかんでも『俺は何でも良いよ』、『理紗が決めてよ』って。そう言うのが一番困る。」

美樹:「確かに『何でも良い』が、一番困る答えね」
理沙:「そーなの! まあ、それはまだ良いのだけれど、理紗が決めたら決めたで、『え! もっと他にないの?』、とか、『いや、それは無いっしょ』とか言ってくるの! 『何でも良い』って言ったくせに、理紗の希望を聞くだけ聞いて、結果、全否定なんて有り得なくない?」

 ――呆れる
美樹:「あはは……それは大変ね。」

 ――諦めた感じで
理沙:「理沙はわかったの。彼はね? 『大人の女性』と言うより、『甘えることが出来る人』を求めてたんだって」

 ――同情する
美樹:「そうなの……」
理沙:「もー無理! 別れる!!」

 ――理沙を必死で止める
美樹:「ちょ、ちょっとちょっと! まだ別れるのは早くない? だって、付き合って一週間もたってないでしょ?」

 ――不服そうにブーたれる
理沙:「そーなんだけどー。付き合うまで彼が、こんな子供だって知らなかったしー耐えられないよー」

美樹:「そうね。実際、付き合ってから、今まで見えていなかった部分が、見えてくるって少なからずあるわね。」

 ――怒りが再度膨らむ
理沙:「ほーんと、『大人っぽい女の人が好き』って、甘えたいだけじゃん! だったら、お母さんと付き合えば良いんだ! ほんと無理!」

美樹:「お母さんと付き合うかあ……それは厳しいわね(笑)。ところで理紗ちゃんは、彼のどんなところを好きになって付き合ったの?」

 ――天を見上げて、記憶をたどるように。
理沙:「好きなところ……? えーっとね。彼、バスケットボール部でスタメンなの。シュートしたときとか、めっちゃ格好良かったんだあ……」

美樹:「へえ……すごいじゃない!」
理沙:「それでね? 理沙が友達とケンカして落ち込んでるときに、『元気出せよ、気にすんなよ、いつでも俺は理紗の味方だからな』って慰《なぐさ》めてくれた」

美樹:「そっかそっかー。理紗ちゃんの彼は優しいんだね。」
理沙:「そうなの! めっちゃ優しいの! それにね、照れて、はにかんだ時の笑顔が可愛いの!」

美樹:「ふふ、それはごちそうさま。理紗ちゃん、優しい彼氏を持って羨ましいなあ……」

 ――彼氏を誉められて照れる
理沙:「えへへへ、そんなことないよー……って、あれ?」

美樹:「どうしたの?」
理沙:「さっきまで、超絶《ちょうぜつ》怒ってたのに、美樹さんと話したら。何だかどうでも良くなっちゃった。」

美樹:「そう、それは良かったわね(笑)」
理沙:「うーん……でも、また顔を合わせたらイライラしてケンカしちゃいそうで不安……」

美樹:「そうねえ……でも『人の性格を自分の思う通りに変える』って無理があると思うの。その代わり、理紗ちゃん次第で彼の意識を変えることはできるはずよ?」
理沙:「……どういうこと?」

美樹:「えっとね。例えば理沙ちゃんから彼に選択肢を伝えて、選ばせてあげるのはどうかしら?」
理沙:「選択肢……?」

美樹:「そう、例えば、今日の夜ご飯を聞こうとするでしょ、『何食べる?』ってストレートに聞くのでは無くて『今日の夜は洋食、和食どっちがいい、それとも他のもの?』って選んでもらうのはどうかな」
理沙:「そっか! それだったら大丈夫かも! でも、『どれでもいい』って言われたらどうしよう……」

美樹:「そうね。そうしたら、彼の一番の好みを聞いてみて? 夜食べたいものから、彼の好みに視点をずらしてあげるの。」
理沙:「なるほどー……でも、それを毎回やると思うと面倒だね。」

美樹:「そう? 私は理紗ちゃんが、彼氏さんに質問を投げかけることで、彼の好みを少しずつ知ることができるから楽しいと思うけどな?」
理沙:「そっか。言われてみれば、まだ、あまり彼のこと知らないし、良い機会かも!」

美樹:「ふふっ、頑張ってね」
理沙:「うん、美樹さん、ありがとう! 彼のところに行って仲直りしてくる! それじゃあ、美樹さん、またね!」

美樹M:理紗は、慌てて鞄を抱えて、彼の元へと走って向かいました。

美樹:「頑張って。」

美樹M:美樹は、ガラス越しの向こうで小さくなっていく理沙の後ろ姿を見て呟《つぶや》きました。



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ニクキューP (Twitter: @tomox9209)
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クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【女声2名】決められない彼氏~悩める乙女シリーズ~
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・台本制作者
ニクキューP
ライター情報
猫と初音ミクを溺愛しているライターです。
コメディ、日常、メンヘラ、そして百合&ライトBL
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