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明けない夜は無い~私シリーズ~【ダウナー/メンヘラ/女声1名】
written by ニクキューP
  • ダウナー
  • メンヘラ
  • 切ない
公開日2023年06月14日 21:43 更新日2023年06月14日 21:43
文字数
1869文字(約 6分14秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
夜は嫌いだ。
夜が明けると朝になるから。

朝は嫌いだ。
絶望の1日が始まるから。

〇登場人物
・私
 無感情に淡々と自分の気持ちを吐露する女の子
本編
★★★★★★★★★★★★
 台本をご覧いただきましてありがとうございます!
 本文中、「――」の記述がありましたら、ト書きですので音声化不要です。

 「」(かぎかっこ)の中は私のセリフ、それ以外は私の思考(モノローグ)です
★★★★★★★★★★★★

夜は嫌いだ。
夜が明けると朝になるから。

朝は嫌いだ。
絶望の1日が始まるから。


夜、眠くも無いのに、無理矢理シングルベッドに横たわる。

目をつむると心の中に絶望が広がる。
そして、部屋から飛び出し、ベランダから身を放り投げる自分を想像する。


夜が明けたって、そこには何も無い。絶望しかないのだから。


何の希望もないのに生きている意味って何?


なぜ私は、生きているのだろう。
なぜ私は、意味も無い毎日が繰り返されることがわかっているのに、生かされているのだろう。
なぜ私は、こんなにも無気力なのだろう。


なぜ人は、他人を[[rb:陥 > おとし]]いれるのだろう。
なぜ人は、[[rb:醜 > みにく]]い争いをするのだろう
なぜ人は、生きているのだろう。


生きていくのは子孫繁栄のためと綺麗事を言ったって、今の世の中、子を作らない人だって居ることは周知の事実。


私は何故生きているのだ。

自分で自分に問いかける。


[[rb:貴女 > あなた]]は、何故生きているのだ。
貴女は、何故生きていけるのだ。


毎日、毎晩、繰り返し繰り返し同じことを考えても、答えが出るはずも無い。
だけれど、考えずにはいられない。


[[rb:一昨日 > おととい]]、昨日、今日、明日、明後日、[[rb:明々後日 > しあさって]]、一年中同じことを考える。


答えが出ないとわかっている問いを、延々と自分自身に投げかける。


生きる意味。

そんなもの今の私には……

 ――溜息

はぁ……

 ――間を取る

いくら頭が良くたって、成績が良くたって、お金があったって、幸せになれるとは限らない。


このまま夜が明けなければ良いのに。


朝になれば、[[rb:眩 > まぶ]]しい太陽の光に包まれて、また今日も始まる絶望を思い知らされることになる。

それは、わかりきったこと。

 ――間を取る

真っ暗闇の中、ベッドから起き上がる。

 ――間を取る
 ――猫の泣き声を入れてもOK(無くてもOK)


飼い猫が私にすり寄る。
眠っている私のことを、ずっと見守ってくれていたらしい。


 ――間を取る


そうだよね。
この子には私しか居ないんだよね。

この小さな身体で、頑張って生きてくれている。
私だけのために生きてくれている。

 ――間を取る
 
そうだね。
しばらくは、この子のために生きていこうかな。

 ――セリフ
「ほら、一緒に寝よ?」


 ――間を取る
 ――セリフ

「よしよし……ママは、ずっとアナタの[[rb:傍 > そば]]にいるからね。」


布団の中に、もぞもぞと入ってくる猫を撫でながら私は考える。


生きるって何だろう。

この子が生きる意味ってなんだろう。

ゴロゴロ[[rb:喉 > のど]]を鳴らす猫を見ながら考える。


考えたって答えは出ないのに。

答えが出ないけれど考える。

考えずにはいられない。

 ――間を取る

だから夜は嫌いだ。
しんとした無音の世界。

今、この暗闇の中では、私と猫しかいないのだ。

 ――間を取る

良かった。
猫が居てくれて。

私の唯一の生きる理由となってくれるから。

この子を置いては旅立てない。

違うか。
生きる理由を、この子に押しつけているだけだ。

私は誰かに[[rb:縋 > すが]]りたいのだ。

助けて欲しいのだ。

けれど、私が誰かに助けを求める事なんて出来る訳がない。


猫が温めてくれた布団に[[rb:潜 > もぐ]]る。

あたたかいな。


このまま、この世から居なくなれたら良いのにな。

安らかに、眠るように居なくなりたいな。


ゆっくりと時間が過ぎていく。

真っ暗闇の中、ゆっくりと時間が過ぎていく。

私のことをあざ笑うかのように。


答えが出ない生きる意味。

 ――間を取る

もし、私が死んでしまったら

あのお店のクリームパンが食べられなくなってしまうのか。

あの喫茶店のチーズケーキが食べられなくなってしまうのか。

大好きなあの歌が聴けなくなってしまうのか。

 ――間を取る

それは嫌だな。


仕方が無い。
もう少しだけ、この絶望に付き合うことにしようかな。

 ――猫に向けた言葉(セリフ)
 
「キミ、命拾いしたね」

すやすや眠る猫の背中を撫でながら[[rb:呟 > つぶや]]いてみる。

決して出ることの出来ない、絶望と言う名の海の中に[[rb:溺 > おぼ]]れながら。

 ――間を取る

終演:

★★★★★★★★★★★★
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ニクキューP (Twitter: @tomox9209)
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クレジット
・台本(ゆるボイ!)
明けない夜は無い~私シリーズ~【ダウナー/メンヘラ/女声1名】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ニクキューP
ライター情報
猫と初音ミクを溺愛しているライターです。
コメディ、日常、メンヘラ、そして百合&ライトBL
ゆるふわ台本多め
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