あなたは、少し身長小さめの男の子です。
同じクラスには、どの男子よりも背の高い女の子がいて、
あなたは少し憧れを抱いていました。
しかし、その女の子は、高身長を男子たちに妬まれ、
いじめられてしまっていました。
体は小さくとも、心の優しいあなたは、
今日も女の子を助けに向かいますが…

あの…片付け、手伝わせちゃってごめんね…。

体育倉庫って、ほこりっぽいよね。

ごめんね、きみは関係ないのに…

え？僕に押し付けるあいつらが悪いんだから、
謝ることなんて何もない…？

…きみは、本当に優しいね。

僕みたいないじめられっ子、いっつも助けてくれて…

暗くて、おどおどしてて、そのくせ、
体だけは無駄に大きい、僕なんかのこと…

あっ、ぶつぶつ喋っちゃってごめんね。
もう、これしまったら、終わりだから…

うん、出よっか…

（鍵をガチャガチャする音）

あれ…？　開かない…

誰かのいたずらかな…

…どうしよう、閉じ込められちゃったかも…

もうみんな帰っちゃったし…
先生もこんなところ見回りしないよね…

もしかしたら、明日までこのままかも…

ごめんねごめんね、僕のせいでごめんね…

僕がいじめられてるから、きみにまで迷惑かけて…

ごめんね、女なのに男の子よりも体大きくてごめんね…

身長で期待されてバレー部に勧誘されたのに、
運動音痴（おんち）だから全然役に立たなくてごめんね…

体大きいくせに声小さくてごめんね…暗くてごめんね…

あげくの果てに、片付けを手伝ってくれた優しいきみにまで
迷惑かけてごめんね…

ごめっ…

えっ…？座るの？

う、うん…わかった…

あっ…

頭、なでてくれるの…？

あ、あの、僕…男の子に頭なでられるの初めてで…

あはは…誰も僕の頭に届かないからね。当然だよね…

あっ！、い、いやじゃないよ！気を悪くしたらごめんね、
あの、すごくうれしい…

で、でも、僕の髪の毛、柔らかくないよね。ごめんね…

えっ…？あやまらなくていい…？

こういう時は、ありがとう、って言うの…？

あ、ありがとう…。（消え入るような声で呟く）

あ、あの、あんまり見ないで…
僕の顔、赤くなってて、見苦しいので…

あ、でもその、なでるのは、やめないでほしい、です…

きみになでてもらうの、すごく気持ちいいので…

い、嫌だったらいいんだけど…

ご、ごめっ…

あ、えへへ…
ありがとう…

（少し間を空けて）

もう、夜になっちゃったかな…

やっぱり、夜は冷えるね…

あの、良かったら、僕のジャージ、使う…？

体操着一枚じゃ、寒いでしょ…？

僕のジャージ大きいから、きみのことすっぽり
包み込めると思うけど…

えっ？
男だから大丈夫？

女の子を寒がらせるわけにはいかない…？

…ふふっ。きみって、変わってるよね…

僕のこと女の子扱いするのなんて、きみくらいだよ…

ううん、嬉しいよ。…本当に嬉しい。

でも、あの、きみ、震えてるけど…
やっぱり寒いんじゃ…

全然よゆう？熱いくらい…？

ふふっ…きみって、子供っぽいところあるよね…

うぅん、すごく可愛いと思う…

あっ、ごめん…嬉しくないよね、そんなこと言われても…

……

あ、あの！（意を決した感じで）

ちょっと、こっちに来てもらえないかな…

うん…そしたら…後ろ向いて…

ぼくの、足と足の間に体育座りして…？

うん…それで、おっけー。

そしたら、ちょっとごめんね…

後ろから…

ぎゅーっ…（抱きしめる）

どう…かな…（耳元で囁く）

これで、二人とも…あったかい、よ…（耳元で囁く）

え…？恥ずかしい、の…？

でもでも、冷えたらよくないから、動いちゃダメ、だよ…？

胸が、背中に当たってる…？

あの、嫌だった…？

男の子って、こういうの好きだって、聞いたん、だけど…

それとも、やっぱり僕なんかのじゃ、嬉しくないかな…

…嫌じゃないけど、恥ずかしい…？

ほんとだ…きみの耳、すごく赤くなっちゃってる…

……

ふーっ…（耳に息を吹きかける）

あ、びくってなった…

ご、ごめんね。ちょっと、いたずらしたくなっちゃって…

あ、暴れないで…

暴れるなら、こうやって…

両足でがっちり、はさみこんじゃう、よ…

うん、これで、動けない、ね…

ごめんね…僕、力だけは強いから…

ふーっ…（耳に息を吹きかける）

ね。すごく赤くなっちゃってるよ…

でもね、恥ずかしくなった方が、体温も上がって、
あったかくなると思うんだ…

さっきのお礼に、頭もなでてあげるね…

なでなで…

きみの髪の毛、やわらかい…

うらやましいなぁ…

気持ちいい…？

ふふっ…何かきみ、子犬みたい…

こうやって、ずっと一緒にいたいな…

寝る時とかも、ずっとこうして、きみのこと抱いてたい…

…

…ね、まだ僕、ちょっと寒いな…（耳元で囁く）

あの…前、向いてくれないかな…

きみの顔、見せてくれたら、あったかくなる気がする…

あっ…前、向いてくれたね。

きみの顔、すっごく赤くなっちゃってるよ…

もう、熱くなっちゃった…？
でも、僕は、まだ寒いから、ごめんね…

女の子を寒がらせるわけにはいかないんだもんね…？
ちょっとだけ、我慢してね…

こうやって、正面から、きみの頭ごと…

ぎゅーっ…（抱きしめる）

可愛い…可愛い…

すき…だいすき…

ごめんね…

僕なんかにこんなこと言われても、いやだよね…

分かってる…僕には誰かを好きになる資格なんかない…

好きになられた相手にとっては、迷惑でしかない…

分かってる…

だから、僕も、好きにならないように、努力したんだけど…

きみが、あんまり優しくしてくれるから…

もう、我慢できなくて…

やっぱり、自分の気持ちに、嘘はつけないよ…

だからね…


きみは、力ずくで、僕のものにすることにしたんだ…（ちょっと怖い声で）

（男の子を押し倒す）

ごめんね…きみのこと、押し倒しちゃった。

動けないよね。重いよね。ごめんね、ごめんね…

でも、ここしかチャンスがなかったんだ…

僕、分かってた…

僕が、みんなに片づけを押し付けられて、ひとりで
泣きそうになりながらやってたら、きみが絶対助けてくれるって。

うん…そうだよ…体育倉庫の鍵も、僕が自分で壊したんだ…

きみが見てない時に、こっそり、ね…

ごめんね…ずるくてごめんね…

でも、ここなら、誰にも邪魔されない…

一晩かけて、じっくりきみを、僕のものにできる…

僕だけの、子犬にできる…

ふーっ…（耳に息を吹きかける）

ふふ…きみって、本当に可愛い反応するね…

でも、嫌じゃないって、言ってくれたよね…？

ほら、きみの心臓…、すごい勢いで、どくどく言ってる…

これって、僕でドキドキしてくれてる、ってことだよね…？

自分より大きい女の子に押さえつけられて、動けなくされて、
…興奮しちゃってるってことだよね…？

それって…つまり…僕でもいいってことだよね？
ううん、僕「が」いいってことだよね？…ね！？（激しめに）

あ、な、生意気言ってごめんね…

でもその、あんまり、声出さないでもらえるかな…

ここまできて、誰かに邪魔されたら、ちょっと僕、
何するか分かんないから…

（服を脱ぐ音）

え？何でジャージを脱いでるのか、って？

あのね、下手に服を着てるよりも、人肌（ひとはだ）同士の方が
あったまるんだって。

だから、きみも脱がしちゃうね…。

ごめんね、寒いよね…でも、すぐにあっためてあげるからね。

ごめんね、自分勝手でごめんね…

きみの優しさに付け入るような真似をしてごめんね…

あ、違うか…

こういう時は、ありがとう、って言うんだっけ。

きみが教えてくれたんだもんね。（嬉しそうに）

僕に優しくしてくれて、ありがとう…

僕にこんな気持ちを教えてくれて、ありがとう…

ね…ダメだよ、大きな声出したら、本当に人が来ちゃう。

その口は、僕に優しい言葉をかけてくれるための口でしょ…？

きみには、感謝してるけど…

子犬は、飼い主の言うことをちゃんと聞かないと、
ダメなんだよ…？（耳元で囁く）

…あっ、ごめん…
ちょっと、強く押さえすぎちゃった…

…はぁ。（ため息）

僕も、あのいじめっ子たちと、何にも変わんないや。

きみのこといじめたくて、どうしようもなくなっちゃってる…

でも…しかたないよね…

僕の方がきみより、体が大きくて、力が強いんだもん。

僕には…きみをいじめられる力があるんだもん…（耳元で囁く）

じゃあ…きみのうるさくて可愛い口、
僕の、強くて最低な口でふさいじゃうね…。

ごめんね、ううん、ありがとう…

それじゃ…いただきます。

・台本（ゆるボイ！）
背が高くておどおどしている僕っ子同級生が、ヤンデレな上に隠れSだった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
犬アキラ