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ちょっぴりヤンデレな不良の後輩に懐かれる
written by 犬アキラ
  • 後輩
  • ヤンデレ
  • 不良 / ヤンキー
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
2874文字(約 9分35秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
不良
視聴者役柄
先輩
場所
指定なし
あらすじ
あなたは、何の変哲もない普通の男の子です。
ある日、ひょんな事から不良の後輩を助けたあなたは、
アニキと呼ばれ、慕われるようになりました。
後輩は、今日も元気いっぱいに絡んできますが…?
本編
アニキ~っ!
おはようございます!!

偶然っすね!
いひひ、せっかくですから一緒に行きましょう!

え?今日も元気だねって?
あったりまえじゃないっすかぁ。
朝からアニキに会えたんすもん、
最高の気分っす!

あ、カバンお持ちするっすよ!

え?大丈夫?
女の子にそんなことさせられない?

あははッ!
アニキ、あーしは泣く子も黙る、うちで最強の不良のひとりっすよ?
そのあーしを女の子扱いって、相変わらず変わってるっすねぇ。

ひ弱なアニキなんか、束になってかかってきても、
あーしの指先ひとつでダウンっす!

まぁ、あーしに勝てるのは、アネゴくらいなもんっすかねぇ。
ま、アネゴの事も、いずれ超えてやるっすけど!いひひ。

あ、そうだアニキ。
今日の放課後、なんか予定あります?
ちょっと付き合ってほしいところがあるんすけど。

あはは、ケンカじゃないっすよ!
だいいち、男の中で見ても平均以下の、よわよわなアニキを
ケンカに連れてけるわけないっしょ!

そーじゃなくて、あの駅前のアイス屋あるじゃないっすか!
今日新作のアイスが出るんすよ!
だからそれを、アニキと一緒に食べにいきたいんす~!

…あ、なんか失礼なこと考えてないっすか?
あーしだって花も恥じらう乙女っす。
新作のアイスより大事なモンなんか、この世にはないっすよ、アニキ!

わかってくれたら、今日の放課後は空けておいてくださ……

え?先約がある?

…誰っすか?まさか女?
アニキって、あーし以外に仲いい女なんているんすか?(笑)

え?アネゴの買い物に付き合う約束してる?

あー…アネゴか…(小声で呟く)

…アネゴなら、しょうがないか…(小声で呟く)

…てか、朝一で誘ってだめって、一体いつから約束を…(小声で呟く)

あの、…アニキ、変なこと聞いてすみません…

アニキって、いつのまにそんなにアネゴと仲良くなったんすか?

いや、そりゃ、ふたりは同じクラスっすけど、
最近までしゃべったことなかったっすよね?

あーしはちょっと前に、アニキに助けられて、
アニキのことを慕うようになりました。

で、そのことをアネゴに話したら、確かにアネゴも、
アニキに興味を引かれたふうではありましたけど…

…もしかして、アネゴも、アニキのこと…(小声で呟く)

…アニキ!!このまま、屋上にいきませんか?

え?授業はどうすんの、って?

何言ってんすか!あーしは不良っすよ?
授業なんてくそくらえっす!

アニキだってベンキョーだけがとりえなんすから、
多少さぼったって平気っしょ?

いーから、いーから!

(少し間を空ける)

ガチャリ(屋上のドアを開ける音)

あ~、風が気持ちいいっすー。

え?屋上で何すんのって?

ふふふ、分かってないっすねぇアニキ。

屋上でふたりっきりの男女がやることなんか、
ひとつしかないっしょ…?

そう!!果し合いっす!!

あれ?何すか、そのがっかりした顔は?

ひょろひょろのアニキに、あーし自ら稽古(けいこ)をつけてあげようってんですよ?
嬉しくないんスか?

あ、もしかして、何か変なこと期待しちゃってました?いひひ。

あはは、赤くなっちゃって、アニキかぁわいい~!

よーし、それじゃ、これから、アニキの体めがけてタックルするっす!
しっかりよけるっすよ!

そりゃあ!

ドンッ!!

あはは、もろに食らってんじゃないすか、アニキ。
相変わらず全然だめだめっすね。
罰として、このまま締めあげちゃうっす…

ぎゅーーーーーっ!!(アニキを抱きしめる)

はぁーーー…アニキ、あったかい…
すんすん、あー、アニキの匂い、落ち着くっす…

え?それ、ただ抱きついてるだけじゃないか、って?
なに言ってんすか、締め上げてるんすよぉ。

効かないっすか?
なら、アニキが強くなったってことじゃないっすかね?
いひひ。

あ、こら、あーしがいいって言うまで動いちゃだめっす。
顔が近すぎる?

当たり前っしょ、近づけてんだから…(耳元で囁く)

ねぇ、アニキ。
アニキって、アネゴのこと、どう思ってるんすか?

アネゴは確かに美人っす。
でも、あーしだって負けてないっす…。

ね、あーしとアネゴ、どっちが大事っすか…?

(少し間を空ける)

…覚えてます?
アニキがあーしを助けてくれた時のこと。

校庭で大人数に囲まれて、絶体絶命だったあーしを、
たまたま通りかかったアニキが、
非常ベル鳴らして、スプリンクラーぶっぱなして、
抱えて逃げてくれたんすよね。

マジで笑っちゃいました。

冴えないひょろひょろの男の子が、
女の子がひとりで襲われてるのをほっとけるか、
なんていっちょまえのこと言っちゃって。

ケンカのひとつもしたことないくせに、
話したこともない、みんなから煙たがられてる
不良の女なんか助けるために、体張っちゃって。

いひひ。あんときのアニキ、ダサかったなぁ~…。
口だけはいっちょまえで、怖くて手ぇ
がたがた震えてるんすもん。

ダサくて…情けなくて…

そんでもって…最高にかっこよかった。

ねえ、アニキ。

あーし、あの時、めちゃくちゃ嬉しかったっす…

あんなふうに、必死に助けてもらったの、初めてだったっす…

でも、あーしは不良だから、アニキとは、距離を置かなきゃって思った。

でも、アニキはあーしの素性(すじょう)を知ってからも、
変わらず、優しく接してくれたっす…

あーしと仲良くしてたら、アニキだって良くは思われないのに…
そんなこと気にせず、いっつもひょうひょうとして。

アニキ…(耳元で囁く)

あーし、他の誰にも、アニキを渡したくないっす…

最初、アネゴならしょうがないと思ったっす…

でも、やっぱり嫌っす!アネゴでも嫌っす!

こんな気持ち知っちゃったら、もう手放せないっす!

アニキ、あーしのこと、全部アニキにあげるっす。
だからお願いっす。
アニキもあーしのものになって欲しいっす…!

ぎゅうううーーーー…(アニキを抱きしめる)

ひゃんっ!

あ、アニキ…?
きゅ、急に頭なでたら、あの、あーし、
人に頭なでられたことないんす…
だからその…

あ、あぁ~…。
アニキの手ぇ、めっちゃ気持ちいいっす…

ああ、だめっす、あーしの方が全然強いのに、
あーしがアニキの体抑えつけて、圧倒的有利な体勢なのに、
アニキに頭なでられただけで負けちゃうっす…

あ、アニキ、わがまま言っていいすか…?

その…あーしの稽古にもなるんで、アニキからも、その、
抱きしめ……じゃなくて、締めあげてもらっていいすか?

その、できるだけぎゅーっと、優しく…じゃなかった…
容赦なく…

ぎゅーーーっ…

あ、いいっす…もう何も考えられなくなりそうっす…

すみません、あーし、今から最低なこと言います…

アネゴの予定ブッチして、あーしとアイス食べに行って欲しいっす…

アネゴじゃなくて、あーしを選んで欲しいっす…

(少し間を空ける)

…すいません、アニキ。
アニキを困らせるようなこと言っちゃって。

…そう、わかってるっす。

結局、アネゴからアニキを奪うには、あーしがアネゴに勝つしかない。


カン、カン、カン。(階段を上がってくる音)


聞こえるっすか?

階段を登ってくる足音。

あーしには分かる。これは、アネゴの足音っす。

アネゴのこと、いつか超えてやるって言ったっすけど、
どうやら今が、そのときみたいっす。

そこで見ててください、アニキ。

これが、不良の生き様っす。

いひひ。

アネゴに勝てたら、そのときにちゃんと言葉にして伝えるっす。

アニキのことが、大好きだって。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ちょっぴりヤンデレな不良の後輩に懐かれる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
犬アキラ
ライター情報
 犬アキラと申します。
 pixivにてフリー台本を書かせて頂いております。
 ヤンデレ、ボクっ娘、ダウナーなどを主に書いております。
 よろしくお願い致します。
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