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ボクっ娘な年上の博士がポンコツだと思って油断してたら、わりとヤンデレだった
written by 犬アキラ
  • ヤンデレ
  • ボクっ娘
  • 年上
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
2884文字(約 9分37秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
博士
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
あなたは、怪しげな“博士”の元に通っています。
彼女は、日夜研究に没頭しているようですが、
やる事なす事うまくいかず、生活力もありません。
あれこれと世話を焼いてやるために、仕方なく通って
いたあなたでしたが、今日は少し落ち込んでいて…?
本編
やあ、よく来たね、少年。

きみくらいだよ、こうやってボクのところに来てくれるのは。

世知辛(せちがら)いよねぇ。

ボクはこうして毎日、世のため人のために役に立つ研究をしているのに、
世間からは変人と言われ、のけもの扱いだ。

え?変な発明ばっかりしてるからだろうって?

きみさぁ、ボクは年上なんだよ?
言い方ってもんがあるだろ?

しまいには、泣くよ?大人だけど、泣くよ?

甘いな、ボクが泣いたらすごいぞ。
そこらじゅう暴れまくって、この研究所はめちゃくちゃだ。
マジでヒくからな、後悔するなよ?

え?お酒くさい?
……マジ?

いや違う!ほんとに少ししか飲んでない!
断じてボクは、昼間っから飲んだくれるようなダメ人間ではない!
ちょっとストレスがたまっちゃって、そう、ほんの2、3本…

…完全にダメ人間じゃないか、って?

ううううー…

だってさぁ!!

最近何作ってもうまくいかなくてさぁ!
もう研究資金も尽きそうでさぁ…
お酒でも飲んで酔っぱらわないと、やってらんないんだもん…

うう、少年…
何か割りのいいバイト紹介してくれよぉ…

え?コンビニのバイト?
あれなら、おでんの鍋ひっくり返して、一日でクビになったよ。
ボクには向いてなかったみたいだ…

あーあー、うるさいうるさい!わかってるよ!
どうせボクは何もできないポンコツだ!

なんだよ、そんなこと言いにきたんならもう帰ってくれないか?
少年のいじわる!ばーか!アンポンタン!

…ん?どうした、少年?
なんか、落ち込んだ顔をしてないか?

…何かあったのかい?(心配そうな声で)

えっ!?しょ、少年、泣いてるの!?
ボ、ボク、何か気にさわるようなこと言ったかい!?

え?
好きだった子にふられちゃったの…?
少年は、カタブツでつまんなそうだから、
もっと面白そうな人がいいって…?


そ、そっか…
そんなにばっさり…
それはショックだったろうね…

…おいで、少年。(優しい口調で)

いーから、ほら。
そう、こうやって…ボクのひざに、頭をのせるといい。

ふふ、もぞもぞして、どうしたんだい?

いっつも世話をやかされてる、ダメ人間に
甘えるなんて恥ずかしいかい?

ふふ、でも、今日はボクになぐさめてほしくて来たんだろう?
ボクは天才博士だから、何でもお見通しなんだぜ。

いいよ、甘やかしてあげる。

お姉さんらしいところ、たまには見せておかないとね。

え?酒くさい状態で言われても説得力ないって?

このやろう、まだそんな生意気な口が利けるのかぁ?えぇ?

その酒くさい女のとこにいっつも通ってる
物好きは、どこのどいつなんだよ、うりうり。

ほら、頭なでられるの気持ちいいだろ?
ひひひ、体は正直だぜぇ?わしゃわしゃー。わしゃわしゃー。

そんな生意気だから、ふられちゃうんだぞ~。わかってんのか~?

あああ、うそうそ!ごめんごめん!冗談だって!
そんな捨てられた子犬みたいな顔しないで!

ごめんよ、珍しい、少年の泣き顔見てたら、
なんかいじめたい欲がふつふつと…

いや、変態じゃないよ!
そういうとこだぞ!少年!

(少し間を空けて)

…なぁ、少年。
人生にはいろいろある。

そりゃ、失恋は落ち込むだろうけど、
いつまでも引きずっちゃいけないよ。

きみが好きになった女を、悪く言うつもりはないが…

カタブツでつまんなそうなんて、いかにもセンスのない物の見方だ。
もし付き合ったとしても、長くはもたなかったろう。

その子は、きみのいいところを、魅力を、何も分かってない。

でも、それは仕方のないことでもある。
ある程度長く共に過ごさないと、
本当の魅力なんて分からないものだからね。

そうだね、きみは…少し口は悪いけど、
誰よりも優しいやつだ。
どうしようもないくらいお人よしだ…

そう…危ういくらいに。

安心したまえ。
きみにはこれから先、さらに素敵な女性との出会いが待ってるはずさ。

…時に少年。年上の女性って、きみ的にはどう思う?

ボクが思うには、同年代にはない、フェロモンとか、余裕とか、
そういったものがマシマシになってて、かなりいい感じだと思うんだけど。

いや、別に、他意(たい)はないんだ。

ただ単純に、きみが傷ついてるところにつけこんで、優しく甘やかして、
しれっとぼくのものにしちゃおうって思ってるだけだよ。

…ん?
ボクなんか変なこと言った?

いや、いや、酔ってないよ。ボクはいたってまじめだ。

だって、きみは、好きな女の子にふられて、ボクのところに来た。

どうしてだと思う?

ボクのことを精神的に頼りにしてるからだ。

いいかい?

ふられてかわいそうなきみに、
本気で人を好きになった時…どうしても、他の人に渡したくない時…
どうやってモノにするか教えてあげよう。

その人を監禁して、完全に支配下におく、っていうのも、ひとつの手ではある。
小説とか、マンガとかで、よく聞く話だろ?

でも、心を堕とすのは時間がかかるし、あんまり効率的じゃない。

だから、最初はある程度泳がせるのさ。
別のやつに告白したり、付き合ったりしても、ある程度我慢する。

で、自分は、少しずつ、少しずつ、関係を積み上げる…

たとえば、ダメなところを見せて、自分がついてないとダメだと思わせる…

あるいは、たまに優しいところを見せて、自分に寄りかからせる…

あとは、そいつが傷ついた時に、ぎゅっと抱きしめて、
優しくささやいてやれば、一発だ…

(耳元で囁く)
ボクだけは、きみを裏切らない。
だから、ボクだけのものになれ…

ってね。

…ふふ、これが大人のやり方さ。スマートだろ?

大丈夫、ボクに身を任せればいい…
ボクのひざ、柔らかいだろ…?
髪の毛、ボクに触られて、気持ちいいだろ…?

いいんだよ、何も考えなくて…
ボクはきみの味方だ…
ボクはきみのすべてを肯定する。

ボクはちゃーんと、きみの事を分かってる…
ボクが誰よりも、きみを大切に思ってる…


目が、とろんとしてきたね。眠くなってきたかい?
無理もない。きみが落ち着くように、眠くなる煙をたいているからね。

なに、体に害はない。
ただ、ちょっとだけ…
そう、ほんのちょっとだけ、催眠効果がある。

近くにいる人に、依存してしまうようになる催眠効果だ。

ボクの唯一の、成功した発明品さ…

まぁ、もちろん、ボクはポンコツだ。

催眠成分は、本当に少ししか入れられなかった。

でも、今のきみには、これで十分…

ボクに堕ちる、最後の一押しになるはずさ。

ああ、ボクには効かないよ。
だって、ボクはとっくに、きみに依存しているからね。

…ほら、寝つくまで、頭をなでててあげよう。

次に起きた時は、きみはもうボクなしではいられなくなっている…

ふふ…ボクのひざに埋もれて、ゆっくりおやすみ…


(少し間を空ける)


……寝ちゃったか。

……悪い博士でごめんな、少年。(耳元で囁く)

でも、きみを手に入れる事だけは、
どうしても失敗するわけにはいかなかったんだ。

きみの優しさは、美徳(びとく)だ。しかし、危うい…
きみみたいに誰にでも優しいやつは、そういるもんじゃない。
いつか、悪い女に引っかかってしまう。

誰かが、制御しなくちゃいけない…
そう、ボクがやらなきゃ…
ボクだけに、その優しさが向けられるようにしなきゃならない…

それに…

こんなに人を好きになったのは、生まれて初めてだったからね。

“愛”とは、一体なんなのか…

こんなに面白い研究材料、他にはないと思わないかい?

ふふっ…ふたりで、一生かけて、解き明かしていこうな……
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ボクっ娘な年上の博士がポンコツだと思って油断してたら、わりとヤンデレだった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
犬アキラ
ライター情報
 犬アキラと申します。
 pixivにてフリー台本を書かせて頂いております。
 ヤンデレ、ボクっ娘、ダウナーなどを主に書いております。
 よろしくお願い致します。
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