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後ろの席のいたずら好きなギャルから、ヤンデレの気配がする
written by 犬アキラ
  • ギャル
  • ヤンデレ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
3404文字(約 11分21秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ギャル
視聴者役柄
委員長
場所
指定なし
あらすじ
あなたは、真面目なクラス委員長です。
後ろの席には、あなたと真反対の性格のギャルが座っています。
ギャルは今日もあなたを面白がって、色々ちょっかいをかけてきます。
うっとおしい事この上ありませんが、どこか憎めない彼女。
今日は、その彼女が、いわれのない罪を着せられていました。
クラス委員長として、ほっておく訳にはいきません…
本編
あ、委員長!いやー、助かったよー、いひひ。

私のこと、めっちゃかばってくれたんでしょ?

聞いたよ、キミが職員室ですごい怒ってたって。

「彼女は、隠れてタバコを吸うような人間ではありません!!」って。

あはは、廊下まで響いてたってよ?

やんなっちゃうよねー。

ギャルってだけで疑われんだからさー。

あのゴリラ先生、いっつも、スカートが短いとか言いながら、
あたしの太ももチラチラ見てくるくせにさぁ。

なんか問題が起こったら、すーぐ私のせい。

いたずらが好きなことと、悪い事することは、全然別モンだっつうに。

結局、他のクラスのヤツが犯人だったし。

はー、もうマジまんじって感じ。

え、使い方あってるのかって?
さぁ?
フィーリングでいいじゃん、こういうのはさ。

そんなかったいアタマしてるから、委員長モテないんじゃねー?

あはは、うそうそ!ごめんて!感謝してるって!

…あの、さ。委員長、いっつも私の事かばってくれるよね。

…ありがとね、ほんと。

でも、どうして?別に私の事なんて、ほっときゃいいのに。

え?クラスメイトがいわれのない非難を受けてたら、
クラス委員長として見過ごすわけにはいかないって…?

ぷっ…あははははっ!何それ!

委員長、いつの時代の人間だよ…!

あはは…いひひ…アタマ固すぎ……!

あんねぇ、私が言うのもなんだけど、
助ける相手は選ばないと、自分が損するよー?

てか、別にクラスメイトを助けるのが、委員長の仕事じゃないしねー。

ほっとけばいいんだよ、私みたいなバカの事なんかさ…

どうせ私なんか、誰からも、そうだよ、親からだって、
期待なんかされてないんだし…

…うぅん、何でもない。

(チャイムの音)

あ、授業始まるよ。

ほら、前向きなー?

(少し間を空けて)

…ふぁぁ…ねむ…

…委員長の背中にいたずらしちゃお。

人差し指で、背中に…

「ね」…「む」…「い」…、と。

あはっ、背中ビクってなった。

あ、無視しようとしてるな?

じゃ、これはどうかな?

…背中を人差し指でつーっと。

あはは、びくっとしてペン落としてやんの。

あ、こっち向いた。

え?やめろ、って?

だってキミが無視するからじゃん。

委員長のくせに私のこと無視するとか、生意気なんですけどー。

ほら、前向きなよ。
先生に怒られちゃうよ?いひひ。

前の席から、後ろ向かないで、どうやって返事すればいいんだ、って?

さぁ?
それは自分で考えてみれば?

委員長なんだから、私よりアタマいいでしょー?

(少し間を空けて)

…いひひ、次はどうしようかな…

「お」、「な」、「か」、「す」、「い」、「た」、…と。

おっ?

ノートの切れ端になんか書いてる…?

それを、前向いたまま、後ろ手で私に渡すと。

なるほど、考えたね~。 
なになに?

「もうすぐお昼だから我慢してくれ」…?

くくくっ…

なんだよそれ、返しつまんなすぎ!

まったく、委員長にはユーモアってもんがないのかね~。

やばっ…ツボった…
声あげて笑いそう…くくくっ…

「が」、「ま」、「ん」、「で」、「き」、「な」、「い」

…あ、また無視だ。

…生意気だなぁ。

じゃあ、今度は、両手で、委員長の両わきを…

こちょこちょ~っと。

あはは、委員長、声出しちゃった。

あ、だからこっち向いたらダメだってば。

ちょっ、うるさいよ、委員長!

しーっ…!バカ、先生来ちゃうじゃ…

あっ…やべ…

ゴリラ先生めっちゃ怒ってる…

寝たフリしよ…

さらば…委員長…

(少し間を空けて、チャイムの音)

…ねぇ、機嫌直してよー。

やりすぎたってー。

まさか反省文になるとは思わなかったんだよー。

だってそうじゃん?

品行方正(ひんこうほうせい)、成績優秀のキミが、授業でちょっと騒いだくらいで
反省文になるなんて、誰も思わないべー?

やっぱりゴリラ先生にたて突いたから、目ぇつけられちゃったんだってー。

あーあ、だから、私の事なんかかばわなければよかったのに~。

…ねーねーねーね~。無視しないでよ~。

もう放課後で誰もいないんだから、声出していーんだよ?

このまま無視するんだったら、また背中にいたずらしちゃうよ~?

……あくまでも無視、と。

背中クソよわのくせに、いい度胸じゃん?

よーし…

「な」、「ま」、「い」、「き」。

「か」、「た」、「ぶ」、「つ」。

(少し間を空けて)

…「す」、「き」。


…どうしたの?振り向いちゃって。
反省文書かなくていいの?

私はただ、「すき焼き食べたい」、って書こうとしただけだけど。

いひひ、何だと思ったの?委員長。

ほら、前向いて、反省文、反省文。

「い」、「い」、「ん」、「ちょ」、「う」

「す」、「き」

「だ」、「い」、「す」、「き」


(少し間を空けて)


…続き、待ってる?

ないよ、続きなんて。これで終わり。

からかうのはやめてくれ、って?

…ふーん。

そういうこと言っちゃうんだ。

…いたずらで、こんな事言うと思う?

え?言ってない?背中に書いてるだけ?

そーいう揚げ足取りいらないんですけど。

そんなこと、今関係なくない?

いーよ、こっち向かなくて。

私はキミの背中に書き続けるから。

「す」、「き」、「す」、「き」、「す」、「き」

「す」、「き」、「す」、「き」、「す」…

えっ?何で俺の事を、って?

…何でかなんて、こっちが聞きたいよ。(少し怒った口調で)

なんでいっつも私の事、かばうの?

普段、全く声荒げないくせに、…そんなところ、見たことないのに。

何で、職員室で、廊下にまで聞こえる声で怒鳴れるの?

私の…私なんかのために…

…それで、何でそれを一言も私に言わないの?

言えばいいじゃん。

また、お前のせいで俺の株が下がったって。

お前なんていなければ、こんな苦労しなくて済んだのにって。

なんで、私が傷つかないように頑張っちゃうの…?


……私さ、傷つくのなれてるんだ。

お母さんは、私が生まれてすぐ私を捨てて出て行ったし、
お父さんは、仕事、仕事で、私のことを気にかけてくれたことはない。

私がテストでいい点とろうが、悪い点取ろうが、
ギャルになろうが、クラス委員になろうが、何の興味もない。

私に怒ったこともないし、私のために怒ってくれたこともない。

…私は、誰からも守ってもらった事なんかないんだよ…

でも、別にそれで良かったんだよ。
一人で生きていくって決めてたから。

…それなのにさ…

キミが、そんなふうにさ…

私のために怒ってるところ見ちゃったらさ…

そんなふうに守ってもらったら、

好きになっちゃうに決まってんじゃん……

キミが、私の体目当てとかだったら、ばっさり切り捨てられたのに…
キミが、私に悪態をついてくれれば、ふざけて、笑って終わりにできたのに…

何も言わないなんて、そんなの…
そんなのずるいよ…

本当に大切に思ってくれてるんだって、
私を守ろうとしてくれてるんだって、
勘違いしたってしょうがないじゃん…

ほんと、むかつく…!

よけいなこと、すんなよ…!

今まで、ひとりで頑張ってきたのに…

一回嬉しいって思っちゃったらさ…

手放すなんて、無理だよ、もう…。

キミのせいで、キミみたいな大バカのせいで、
私、ひとりで立てなくなっちゃうよ…

……今、こっち向かないで。

恥ずかしいのと、泣きそうなので、顔ぐっちゃぐちゃだから。

ちょっと、背中借りるね…。

違うよ。いたずらじゃなくて、ちょっと寄りかかりたいだけ…

(少し間を空けて)

…ごめん。今の私、ちょっとだるかったね。

あはは、失敗失敗。

今のなーし!

キミにとって私は、ただのクラスメイトに過ぎないんだもんね?

そうだよね。委員長だもん。

キミにとっては、クラスメイトを助けるのは当然のことだもんね。

うんうん、分かってるよ。

でも、気をつけなー?

あんまり誰かれ見境(みさかい)なく助けてると、こうやってダルがらみされ…

えっ?

私の事は、特別、ほっとけない…?

……本気で言ってんの、それ。

クラスメイトじゃなくて、私だから、助けてくれたって、
そう思っていいの?

…私、依存するよ。

絶対うざいよ。

今まで我慢してきた分、全部キミにぶつけちゃうよ。

しかも、絶対離さないよ。

一回、そこに寄りかかったら、もう、その背中無しなんて、無理だもん。

…うん、分かってる。

キミは真面目なカタブツだもん。
冗談なんか言わないよね。

…ね、さっきさ、私、
すき、すき、って背中に書いてたけどさ…

最後、「す」、で止めたの、気づいてた…?

うん。

「す」、で止めたら、「キス」になっちゃうね。

いひひ。

…キス、しちゃう?委員長。

キスしちゃったら、もう、委員長とクラスメイトには戻れないよ。

私は、キミの特別になる。
キミは、私を特別扱いしなきゃいけなくなる。

言ったよね。損するのはキミだって。

これからも、私はキミに、損をさせ続けるよ。

その覚悟ができたら、こっち向いて?

背中だけじゃなくて、きみの反対側も、私にいたずらさせてよ。

いひひ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
後ろの席のいたずら好きなギャルから、ヤンデレの気配がする
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
犬アキラ
ライター情報
 犬アキラと申します。
 pixivにてフリー台本を書かせて頂いております。
 ヤンデレ、ボクっ娘、ダウナーなどを主に書いております。
 よろしくお願い致します。
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