2
クールなはずのショタ執事が、ヤンデレになってしまう
written by 犬アキラ
  • ショタ
  • ヤンデレ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
1831文字(約 6分7秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
執事
視聴者役柄
主人
場所
指定なし
あらすじ
あなたは、とある財閥の御曹司で、「ご主人様」です。
あなたのお屋敷には、何人もの従者が働いています。
今日は、その一人である執事が、部屋を訪ねて来て…?
本編
ご主人ー。

僕だよ。

入っていいー?


ガチャ(扉を開く音)


うん、大丈夫。周りに誰もいないのは確認してる。

素(す)を出していいよ、ご主人。

(少し間を空ける)

お、勉強してたんだ。

偉いじゃん。

え?メイド長に怒られた…?

そりゃあ、そうでしょ。

また、テスト、赤点すれすれだったんでしょ?

きみはゆくゆくは、この財閥を継ぐ人間だ。

そりゃ、そんな体(てい)たらくじゃ、怒られてもしょうがな…

え?財閥は継がない?

…また、それか…

ねえ、ご主人。

…もう、こんなことやめなよ。

ばかげてるよ。

…わざわざ、無能のふりをするなんて。

きみは本当は、優秀な人間なのに。

今回も、わざと、赤点すれすれを狙って取ったんでしょ?

きみの姉さん…お嬢に当主を継がせるために、馬鹿なふりを続けてる。

ううん、もちろん、誰にも言ってないよ。

このことは、屋敷の中でも、僕しか知らない。

僕は、執事とはいえ、きみと同い年。
きみの従者でもあり、友達でもあり、良き相談相手でもあるつもりだよ。

そこを見込んで、僕だけに話してくれたんだ。
裏切るような真似はしてないさ。

でも、ご主人。
財閥を継がなかった方は、お屋敷を追い出されるんだよ。
追い出された後は、どうやって生きていくつもりなの?

ねえ!何でヘラヘラしてんの?

きみが、お嬢をかばいたい気持ちは分かるよ。

でも、それは、きみが不幸になっていい理由にはならない!

お嬢のために、きみが犠牲になることなんかない!!

大切な人なのは分かってる、でも、自分が一番でいいじゃないか!

きみたちは、別に血もつながってないんだし!!

…ごめん。

今のは言葉が悪かった。

ちょっと熱くなってた。頭冷やしてくる…、

え?気にしなくていい?

(少し間を空ける)

…だから、何へらへらしてんだよ…。
むかつくんだよ…!
そういうところが…!

自分が一番つらい立場なのに、いっつもひょうひょうとして、
お嬢の専属メイドたちにバカにされても、お嬢なんかの為に自分を偽(いつわ)って…

そりゃ、僕は!僕たちは!そんな、優しいきみのことが大好きだ!

他のきみの専属メイドたちだって、きみが優しい奴だから、
無能だって思ってても、きみに忠誠を誓ってる!

でも、だからこそ、認めない。認められないんだよ。こんなこと。

きみがここを追い出されたら、僕たちはどうなる!?

僕たちのことは、僕たちの気持ちは、どうだっていいっていうのか!?

(少し間を空ける)

もう、いい。もう、いいや。

ずっと我慢してきたけど、僕、屋敷のみんなに、きみの本当の姿を、バラしてくる。

そして言うんだ。

お嬢なんかより、ご主人の方が、何倍も、当主にふさわしいって…!!

いたっ…!

…何。

僕の腕つかんで、どうする気?

僕のことを止められるとでも?

なめないでくれる?

僕はきみを守るための訓練を受けてるんだ。きみなんかより、何倍も強いんだよ。

ま、きみ相手なら、体術なんて使わなくても…

ふーっ…(耳に息を吹きかける)

はっ。びくっとしちゃって。

相変わらず、耳弱すぎ。

ほら、隙(すき)だらけなんだ、よっ!!

(少し間を空ける)

はい、きみの負け。

僕に馬乗りになられて、首に手をかけられて、もうきみになすすべはない。

僕がこの指にちょっと力をこめれば、きみは落ちる。

さわがないで…(耳元で囁く)

ほら…指に、力、入れていくよ…(耳元で囁く)

勘違いしないでほしいな。

これは、全部きみのためにやってることなんだよ。

きみが当主になれるように…

きみが幸せになれるようにやってることなんだ…

ごめん。分かって、ご主人。

きみにとってお嬢が大切なように、僕にとっては、きみが一番大切なんだ…

他の人なんかどうだっていい。

だって、僕は、きみの執事だ。きみだけの執事だ。

きみが一番なのは当然だ。当然なんだよ。


…へぇ。まだ、抵抗するんだ…

そんなに、お嬢が大事…?

でも、残念。

僕が、きみを想う気持ちの方が、何倍も上なん、だよっ……!!

(少し間を空ける)

はぁ…はぁ…

ご主人、気ぃ、失っちゃった…

ははっ…やっちゃった…

ご主人を守るための力で、ご主人を、傷つけちゃった…

おかしいな…

こんなはずじゃ、なかったんだけど…

ご主人のため、なんて…

違うだろ…

僕は、お嬢に、嫉妬しただけだ…

最低だ…。執事の、ぶんざいで…

ご主人は、僕にだけ秘密を打ち明けてくれたから、
僕だけが特別だって、勘違いしちゃっただけだ…

はは…

でも、いいんだ…

今は、特別じゃなくても…

これから、特別になればいいだけなんだから…

じゃあ…しばらく寝ててよ、ご主人。

お嬢なんていなくなっちゃえば、ご主人も安泰でしょ?

それに、そうなれば、僕だけが、きみの特別になれるからね。

ふふっ…あははははっ!!!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
クールなはずのショタ執事が、ヤンデレになってしまう
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
犬アキラ
ライター情報
 犬アキラと申します。
 pixivにてフリー台本を書かせて頂いております。
 ヤンデレ、ボクっ娘、ダウナーなどを主に書いております。
 よろしくお願い致します。
有償販売利用の条件
全て有償利用可能です。
利用実績(最大10件)
犬アキラ の投稿台本(最大10件)